中日・ゲレーロは非常に日本向き 立浪和義氏が期待の新助っ人をチェック

週刊ベースボールONLINE

大振りせず研究熱心

順調な仕上がりを見せるゲレーロ。他球団からのマークも厳しくなりそうだ 【写真=小山真司】

 2月26日、中日の沖縄・北谷キャンプが終了しましたが、大きなケガ人もなく、まずまず順調だったと言えるのではないでしょうか。

 キャンプ期間中、さらに3月2日の北海道日本ハム戦(札幌ドーム)でもホームランを放ち、評価を上げたのが、新外国人のゲレーロです。右投げ右打ちの30歳で、パワーもあり、2015年にはMLBのドジャースで11本塁打と実績もあります。それほど大振りするわけでもなく、研究熱心とも聞いています。非常に日本向きのバッターだと思いました。

 具体的にフォームを見ていくと、軸足にしっかり体重が乗り、体が前に突っ込まずにボールを自分のポイントまで呼び寄せることができていました。ややヘッドが下がり気味になるクセがあるようですが、後ろのヒジがお腹の前を通り、バットが遠回りせず、前にヘッドが走り、前さばき、フォロースルーが大きくなるのも特徴です。

 今後のオープン戦で相手投手がどこまで厳しく来るかは分かりませんが、シーズンに入れば外国人打者攻略の定石どおり、インハイ、アウトローの対角を攻められるでしょう。他球団のスコアラーも、すでに研究を始めているはずです。早い時期からかなり厳しく攻めてくるかもしれません。特にインコースについては、必ずしも得意なタイプではないと思いますし、厳しい攻めやボール球中心の配球で“逃げられた”場合、どこまでイライラせずに対応できるかは、現時点では未知数です。

長距離砲がそろう打線を味方に

 ただし、ドラゴンズはこれでゲレーロ、ビシエド、平田良介と、どのような順番になるかは分かりませんが、3、4、5番を打て、広いナゴヤドームでもそれなりにホームランが見込める長距離打者が3人そろったことになります。

 こうなると、相手投手も一人だけをマークするわけにはいきませんから、3人がそろって不振に陥らない限りは、ゲレーロに対して、そこまで徹底して勝負を避けることはないでしょう。大きな穴もないようですし、我慢してボール球にさえ手を出さなければ、大崩れせず、そこそこいけるのではないかと思います(実は、それがけっこう難しいのですが)。

 ドラゴンズの新戦力をチェックしてきて優勝候補には推しづらいものがありますが、前年に比べ、しっかりレベルアップしています。期待を込めて見守っていきたいと思います。
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