新生ノアでも先頭を突っ走る丸藤正道 武藤との天才タッグは「俺のわがまま」

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3.12横浜文体大会で武藤との“天才タッグ”を結成する丸藤にインタビュー 【スポーツナビ】

 プロレスリング・ノア春のビッグマッチ「GREAT VOYAGE 2017 in YOKOHAMA」(横浜文化体育館)が3月12日に開催される。

 第6試合のスペシャルタッグマッチでは、“方舟の天才”丸藤正道と“プロレスリング・マスター”武藤敬司が初遭遇。2人の“天才タッグ”にどんな化学反応が起こるか、注目が集まる。

 今回は横浜文体大会を前に、丸藤にインタビュー。武藤とのタッグについて、そして“新生ノア”の未来について聞いた。

武藤とのタッグ結成は「俺のわがまま」

武藤とのタッグ結成は「俺のわがまま」と語る丸藤 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――3月12日の横浜文体大会では、武藤敬司選手とタッグ結成。パートナーとして隣に立つことが決まりました。

 リング上でも言ったけど、自分のわがままの1つです。今現在は、シングルやタッグのベルトを持っていなくて、そんな中で迎えるビッグマッチというタイミングで、何か自分でも1つできることはないかなという時に、武藤さんに声を掛けさせていただきました。

『ノア・ザ・リボーン』という言葉を掲げての大会で、確かに武藤さんとノアはまったく関係がないのですが、そこから何かが派生して生まれ、“ノア再生”に繋がることもあると思うので。俺は、すべてを否定するより、肯定してポジティブな考えでどんどん前に進んでいきたい。いろいろな歴史を振り返った中で、俺と武藤さんが組んだら面白いんじゃないかというのが率直な意見です。

――武藤選手は対戦相手ではなく、タッグパートナーとして立って欲しかった?

 そうですね。もちろん(戦いたいという)欲はあるのですが、例えば、戦ってから横に立ってもらうというのは何か違うなと。それより、先に横に立ってもらって未来を見せた方が、景色的にはちょっと格好いいのかな。戦ってから組もうというのより、最初から組む方がワクワク感が違うと思います。

――丸藤選手の世代だと、武藤選手が新日本プロレスで“闘魂三銃士”として活躍されている頃、ちょうど中学、高校生ぐらいかと思います。そんな武藤選手というのは、どんな存在ですか?

 完全に憧れの対象ですよね。俺はプロレスが好きで、プロレスファンで、そこからプロレスに夢をもらって、今に到っているので。確かに最初に入った場所は違いますけど、憧れていたのは間違いないです。もちろん三沢(光晴)さんもそうだし、なんなら(獣神サンダー・)ライガーさんだってそうですよ!

 だから「わがまま」という言葉を使ったし、自分が19年プロレスをやってきて、たまにはちょっとしたご褒美というか、そういうものがあってもいいのかなと。それが自分だけじゃなく、ほかの人も楽しんでくれたらいいと思っています。俺らがファンの時に、どういう感覚でプロレスにワクワクしたり、ドキドキしたりという部分を求めていった感じです。

今後は未定。続きは試合の中で感じた後に

――それこそ2人のタッグが“天才タッグ”と称されていますが、自身としてはかみ合うと思いますか?

 まったく分からないですね。タッグが決まってから、連携技を期待されたり、合体技をと言われますけど、今のところ頭にまったくないです。だから何かが生まれるとしたら、試合中に何かパッと出てくると思います。

――やはりそこはその場のひらめきなのですね。また今回のタッグ結成で、今後の展望はありますか?

 今のところそういうのはないです。そこを見越してのタッグだったら、武藤さんに失礼。わがままはわがままとして、武藤さんに隣に立ってほしいとお願いしたので。
 言葉よりも、俺とタッグを組んでもらい、試合をして、そこで武藤さんが何かを感じたなら、その先があるかもしれないし、ないのかも知れない。ひとまず、何かを俺から発するのは、最初で最後だと思っています。

若い選手たちに三沢さんの遺伝子を伝える

若い選手たちも育ってきており、今年はみんなで一気に盛り上げていくつもりだ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――改めて今回の横浜文体大会について伺います。同大会は昨年11月からの新体制としては初のビッグマッチ。“新生ノア”として最初の大箱での大会となりますが、今までとの違いはどんなところにありますか?

 この2年で、若い人間が本当に育ってくれたと思います。今現在は、団体の中で若い彼らと試合することがすごく楽しいですね。自覚と自信がついてきたんだと思います。

 もちろん、まだそこに達していない選手もいるけど、この2017年というのは、一気にみんな駆け上がって欲しいなと思います。

――丸藤選手としては昨年、新日本のG1参戦などもあり、他団体での戦いも多かったと思います。それで離れている間に、若い選手が育っていたと?

 そうですね。他団体の選手に負けないものを持っているからこそ、それをうまく表現できるような場を作っていきたいですね。発揮する場がないと、今は良くても、一気にしぼんでしまうかもしれないし。舞台を俺が作るというか、団体的に若い選手が羽ばたける場を、このノアで作りたい。

――それこそ丸藤選手が若い選手たちの壁になる?

 そこはしっかりなりますよ。ここで勝ち逃げして去るのも良くないので。

――また前回、内田雅之会長にお話を聞いた時、「丸藤や小川良成、杉浦貴に三沢光晴さんの遺伝子が受け継がれている」ということをおっしゃっていました。そういう部分で、その遺伝子をさらに若い選手たちに受け継ぎたい?

 だんだん、三沢さんを知らない人間も増えてきていますが、何が起ころうと、どんなことが起ころうとも、三沢さんという名前は消えないし、忘れられるものではないです。そこは外から入ってきた選手も、新しい選手も、やはりノアのリングで戦うのであれば、その影が見える中でやるんだと思います。そこはしっかり、その時代を経験している選手たちが伝えていくしかないですね。

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