フック改善には力を地面方向に プロのスイング、ここを真似すべし!【松山英樹編】

吉田洋一郎

世界屈指のボールストライカー・松山英樹

ウェイストマネジメント・フェニックス・オープンでPGAツアー4勝目を挙げた松山英樹 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 2月のウェイストマネジメント・フェニックス・オープンで米国男子ツアー(PGAツアー)4勝目を挙げた松山英樹。プレーオフにもつれた勝負は、目の肥えたアリゾナの大観衆をうならせる圧巻のプレーぶりだった。

 巨大なスタジアムがある16番ホールが話題となるフェニックス・オープンだが、勝負のカギとなるホールは15番パー5。ティーショットでは左の池と右の深いラフが待ち構え、グリーン周りは池に囲まれており、PGAツアーの選手でも2オンするのは容易ではない。

 しかし、他の選手が苦戦する難関ホールも、松山にとっては4日間で4バーディとスコアを伸ばすホールでしかなかった。最終日に難なく2オンをしてバーディを奪取する姿は、世界トップレベルにあることを証明していた。

 熟成段階に入った松山のショットに死角はない。これから始まる今年のメジャー大会で、その真価が問われる。

世界のコーチが指摘する松山のスイングの特徴

世界のコーチ陣も松山選手のショットを賞賛している 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

「マツヤマのショットは世界トップレベルだ」

 世界のトップコーチ達は松山のショットを高く評価している。
 パトリック・リード(米国)のパフォーマンスコーチを務めるジョシュ・グレゴリーは松山のショットの精度を絶賛したうえで、こう付け加える。

「マツヤマのトップでのポージングは独特だね」

 グレゴリーのように松山のトップで一瞬止まる動きを指摘するコーチは多い。トップで一度止まることで、再び動き出すためにタイミングを取るのが難しくなるためだ。

 しかし、松山は切り返しを強じんな下半身でタイミングよく行うことに長けている。下半身だけで切り返しを行うとクラブが振り遅れるミスが出やすいが、上半身との連携を行い、上下共に力を地面方向に加える動きを行うことで振り遅れを抑えている。特に右腕で地面方向に力を加えることで、クラブを適切なポジションに保ち、正確性の高いショットを生みだしているのだ。

松山のスイングから学ぶ、フックを改善するヒント

 上級者にありがちなフックやチーピンのミス。その原因は「振り遅れ」の場合が多い。手元が目標方向に流れることで、クラブヘッドが過剰にインサイドから下りてくる振り遅れの状態になると、反射的に手を返すため強いフックとなる。

 振り遅れたクラブポジションになる原因は体の動きの問題もあるが、目標方向に手元を動かしてしまう「力を加える方向」が問題である場合が多い。

 ダウンスイングのクラブポジショニングを改善するために、松山のように力を地面方向に加えてみてはどうだろうか。



 右手で右足の外側にクラブを下すように力を加えることで手元が目標方向に流れず、振り遅れのないダウンスイングが可能になる。

 右手だけでシャドースイングをしてみると力を加える方向がイメージしやすいだろう。
この時ダウンスイングでフェース面の向きも合わせて確認すると良いだろう。クラブが地面と平行のポジションでトゥが上を向き、リーディングエッジが垂直になっていることを確認してほしい。そうすればフックやひっかけのミスは減るはずだ。
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著者プロフィール

シングルプレーヤーを目標達成に導くゴルフスイングコンサルタント。世界で最も有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回ゴルフ先進国アメリカやヨーロッパに渡り、PGAツアー選手を指導する一流インストラクターに直接学ぶなど、心技体のゴルフ最新理論に関する情報収集と研究活動を行っている。実際に教えを受けた著名ゴルフインストラクターの数は100名を超える。監修した書籍「ゴルフのきほん」は30,000部のロングセラー。ゴルフ雑誌、スポーツ新聞にて連載を3つ持ち、世界のゴルフティーチングに関する情報発信を行っている。

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