藤浪が目指すWBCの頂点 「まずは勝ちたい、そして吸収したい」
あこがれの舞台WBCへ向けキャンプで調整を行ってきた藤浪 【BBM】
WBCはあこがれの大会
あまりないですね。WBCのことがほとんどを占めています。
――今回、あらためて侍ジャパンに選ばれました。
楽しみですが、不安はあります。その中で選んでもらえたことは、すごく光栄です。自分が代表のために何ができるのか楽しみですし、個人のことよりもチームの勝利を大事にしたいと思っています。
――そこまで思うということは、この大会への思いも強い?
そうです。小学生、中学生時代の野球をたくさん見ていた時期に、この大会で日本代表が活躍し、2連覇をしましたのであこがれの大会でした。
――2015年の第1回プレミア12では代表に入れませんでしたが、「代表に入りたい」という思いは強かった?
プレミア12に関しては、そこまで思わなかったんです。でも今回はすごく「出たい」という気持ちを持っていました。第3回のWBC(13年)のときも、いずれは出たいという気持ちは強かったです。
――そこまで出たいと思うWBCで一番思い出に残るシーンというのはありますか?
いろいろとあるんですよね。でもやはり09年第2回大会の韓国との決勝戦。延長10回表のイチローさん(現マーリンズ)の勝ち越しタイムリーです。あれが一番覚えている試合です。
――WBCは藤浪投手にとってどういう舞台なのでしょう。
第1回、第2回で連覇していますし、印象的なシーンが多かったですし、感動したシーンも多かった。そういう舞台に自分も立ちたいという、単なるあこがれです。
ムダな力を抜くことを意識
「優勝したい」と明言した藤浪 【BBM】
ここまで順調に来ていると思っています。でも、その試合の内容が良かったか、というと実は分からない部分が多いんです。相手チームには若手選手が多かったこともありますので。結果よりいろいろなボールを試し、投げられたことが良かったと思っているんです。
――その試合でのいろいろ試したというのは……?
変化球を多く投げようという意識がありました。フォーシームはほとんど投げていません。3球だけだったと思います。右打者のインサイドに投げたのはすべてツーシームです。
――そのツーシームや変化球の精度はいかがですか?
ボチボチかな、と感じています。特にツーシームの感触は良かったです。
――そのほかには先頭打者の初球、左打者の内角ヒザ元にギュンと曲げたスライダー系もキレていました。
あれはカットボールです。初球の入り方で、打者が狙ってくると思っていました。1、2の3で真っすぐ狙いでいると思い、思い切り振ってくるだろうな、と。そこで真っすぐと同じ腕の振りでカットボールを投げたという意図です。
――鋭く変化をしたので、何か意図があったのか、と。
昨年も同じような初球の入り方をしていましたから、そこにWBCに向けての意図というものはないです。ただWBC球(練習試合では藤浪登板のときに使用)ということで曲がりが大きかったですね。
――ではWBC球に関して違和感はないのでしょうか?
コントロールに関してはまったく違和感はないです。ただ滑ります。滑りますけど、そういうモノだ、ということで理解しています。
――投球フォームが変わった、というか、すごくリラックスしたフォームで投げながら、最後のリリースでビシッときているように感じました。
常にムダな力を抜く、余計な力を抜く、ということを意識をしています。特に最後のリリースだけに力を集中するということを、すごく意識しています。バランスよくリリースポイントだけに力がいくように。
――体重移動に関しても……。
軸を意識して、大きくブレないようにと常に考えて投げています。投球フォームのベース(基本)は変わりませんが、意識は大きく変わりました。感覚の話なんですが、真っすぐ軸足で立って、打者に対し真っすぐ左腕を出して、右腕は早めにトップを作り、しっかり振り切る、というすごくシンプルなことです。それをやるためには、力むとスムーズにいかないです。
――今までは力が入ることが多かった?
そうですね。そういうことが多かったですね。そういう意味でも2月13日の投球はほぼすべて考えているような投球ができましたね。ムダのない感じで投げられました。