真逆の挑戦が実った金メダル スノボ家根谷、五輪目指して歩む修行の道
家根谷が金、神野が銅メダルを獲得
日本勢の金メダル第1号を獲得した家根谷(中央)。30歳を過ぎてからの新たな挑戦、大けが……。試練の末に、求めていた「結果」をつかんだ 【写真:アフロスポーツ】
家根谷は順位が確定すると両手を挙げて喜び、「ずっとワールドカップ(以下W杯)で苦しいレースが続いていたんですけど、自分の滑りができれば結果は絶対付いてくると確信できていました。絶対優勝したかったのでうれしい」と歓喜のコメント。来年に迫った平昌五輪の出場権獲得へ「これを機に、弾みにできれば」と気持ちを新たにした様子だった。
ソチ五輪を逃して 挑んだ新たな取り組み
1本目、2本目ともにトップのタイム。今大会では力の違いをしっかりと見せつけた 【写真:ロイター/アフロ】
「まずは今シーズン、しっかりW杯で着実に決勝に残って上位に戦えるようにして次のシーズンを迎えられるようにして。そうすると『メダルを取りに行きます』と言いきれると思うので」
ソチ五輪を逃したあと、家根谷は新たに後藤夏樹コーチとタッグを組むことを決断する。しかし最初は「(技術的に)今までやってきたことと逆のことを言われて、最初はなかなか信頼できないというか、歩み寄ることができませんでした」。
それまで上半身を固定した滑りに磨きをかけていた家根谷に対し、新コーチはむしろ上半身を動かして使う滑りを提案した。ベテランの域に入ってから、自らの体に染み付いた動作を正反対に変えるのは大変だ。ましてや全日本選手権を幾度も制し、五輪出場2回という輝かしい実績もある。それでも家根谷は新しいことにチャレンジする道を選んだ。
「言ってることが反対だから逆に『ちょっとやってみよう』という気持ちにもなりました。やってみたら滑りが安定したりすごいステップアップできたので、この人についていこう、というのが強くなりました」