ヤクルト廣岡は山田2世か池山2世か 周囲も認める逸材は野球漬けの日々
天性の華を持つホームランバッター
ヤクルト期待の若手・廣岡大志は今キャンプでバットを振り込む 【写真は共同】
そこにいたのは、背番号「1」、「3」、「5」。そして「36」。東京ヤクルトの山田哲人、西浦直亨、川端慎吾とひとケタ選手ばかりが並ぶ中で、期待の新鋭・背番号「36」の廣岡大志は先輩選手たちの中で、ひときわ大きな声を出して白球を追いかけていた。
プロ2年目となる今年、廣岡は自身初となる1軍キャンプに招集された。19歳の青年にとって、大先輩たちに囲まれて緊張もしていたはずだ。それでも、「1軍定着」、「レギュラー奪取」のためには絶好のアピールの場だった。指揮官もまた、廣岡には期待しているのだろう。真中満監督自らノックバットを持ち、将来のスター候補を鍛え上げる。
今キャンプにおいて、廣岡の存在感はずば抜けていた。身長183センチ、体重81キロという恵まれた体格のせいだけではない。バットを持てば豪快なフルスイングで、グラブを持てばダイナミックな動きで、ファンの目をくぎ付けにしている。先の特守でも、大先輩の中でも臆することなく、ハッスルプレーを披露し、ファンからの声援を受けていた。
監督もOBも絶賛
3回無死で迎えた、この日の初打席。廣岡は持ち前のフルスイングを披露すると、打球は大きな放物線を描いてレフトスタンドへ消えた。長い手足から繰り出される豪快なスイング。空振りを恐れない勇気。華のあるたたずまい。天性のホームランアーチストとして、将来を期待させるには十分な一発だった。
試合後、真中監督は「まだ課題はあるけれども、これからまだまだ伸びるはず」と絶賛し、臨時コーチを務めているミスタースワローズ・若松勉氏も「高卒2年目で、あれだけのパンチ力を持っている打者はそういない」と驚き、この日視察に訪れていたOBの宮本慎也氏は「天性の長距離砲の資質を感じる」と分析した。
それでも本人は、「このキャンプではバットを上から振る意識をしているけれど、まだまだです。試合でも練習のようなスイングができるように頑張ります」と反省を忘れない。