日本ハムの強さの源・国頭キャンプ、若手が育つ土壌を探る

ベースボール・タイムズ

サブグラウンドでランニングをするルーキーの堀(左)と高山 【ベースボール・タイムズ】

 那覇市より車で片道2時間半、沖縄本島の北端に位置する国頭村(くにがみそん)。人口約5000人。村の95パーセントを森林が占める“やんばる”の地に、北海道日本ハムの2軍がキャンプを張るくにがみ球場(2016年4月から「かいぎんスタジアム国頭」に呼称を変更)がある。

 日本ハム球団と国頭村の関係は深い。2軍がキャンプ地として初めてこの地を訪れたのは06年。チームはその年に北海道移転後初のリーグ制覇を成し遂げ、そのまま日本一まで駆け上がった。それ以前は本島南部の東風平町(現八重瀬町)で練習していたが、翌07年からは2軍キャンプの全日程を国頭村で消化。同じく本島北部の名護市でキャンプを張る1軍との距離も近くなった。

 那覇市から国頭村へのアクセスは決して良くはない。観光客にとってはやや不便かもしれないが、選手にとっては野球に集中できる環境が整っている。今年は侍ジャパンメンバーに選ばれた宮西尚生、増井浩俊、中田翔の3人が2軍で調整を行った影響で例年よりもにぎやかではあったが、それでも選手たちは黙々と自身の練習プログラムに集中できている。

自然と融合した最高の練習環境

ドラフト5位で入団した高山は「濃密な練習ができています」と語る 【ベースボール・タイムズ】

 今年の国頭キャンプには、WBC組とともに昨秋のドラフトで1位指名された堀瑞輝と、同5位指名の高山優希の姿があった。

 堀は広島新庄高、高山は大阪桐蔭高から入団。今キャンプでは同じグループで練習することが多い。高山にキャンプ1年目の印象を聞くと、「大阪桐蔭時代の方がキツいです」と率直な意見。それでも、「プロの環境は充実していて、落ち着いた環境の中で濃密な練習ができています」と充実した表情で汗を拭う。

 設備は整っている。両翼100メートル、中堅122メートル、3000人を収容するメイン球場は05年11月の開場でまだ新しく、三塁側の奥にはサブグラウンド、一塁側の奥には5投手が同時に投げ込めるプルペンを併設。陸上競技場を挟み、その先には人工芝の立派な室内練習場も兼ね備えている。そして村道を一本挟んだ先にある南国の砂浜は、ときに臨時のダッシュコースとなる。

 青い空と緑の天然芝、穏やかな海。ある球団OBは「静かだし、練習環境としは最高」と絶賛する。ちなみに球場第1号ホームランは新庄剛志が放つなど、“話題性”も持ち合わせている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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