【ボクシング】並走を続ける双子のチャーロ兄弟 史上初の同階級、同時期の兄弟世界王者

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チャーロ兄弟の兄ジャーマルはIBF世界スーパー・ウェルター級王者に君臨している 【(C)NAOKI FUKUDA】

 154ポンド(約69.8キロ)を体重リミットとするプロボクシングのスーパー・ウェルター級は、欧米を中心に選手層が厚いことで知られるが、その階級で主要4団体のうちIBF(国際ボクシング連盟)王座とWBC(世界ボクシング評議会)王座を双子の兄弟が占めている。しかもIBF王者のジャーマル・チャーロ、WBC王者のジャーメル・チャーロ(ともに米国)とも26歳と若いうえ無敗。この並走状態はまだまだ続きそうな気配だ。

 兄弟で世界王者になった例はヘビー級のビタリ&ウラディミールのクリチコ兄弟(ウクライナ)など30例以上あるが、双子の世界王者となるとカオコー&カオサイのギャラクシー兄弟(タイ)、チャナ&ソンクラームのポーパイン兄弟(タイ)、ラモン&ラウルのガルシア兄弟(メキシコ)の例があるだけで、チャーロ兄弟は史上4組目となる。ただし、同じ時期に同じ階級の世界王座に君臨した例はなく、チャーロ兄弟が初めだ。

兄ジャーマルは強打者、弟ジャーメルは技巧派

弟ジャーメルが兄に続きWBC王座を腰に巻き、史上初の兄弟の同階級、同時期王者となっている 【(C)NAOKI FUKUDA】

 ふたりは1990年5月19日にテキサス州リッチモンドで生まれた。弟のジャーメルが07年12月にプロデビューすると、翌08年9月に兄のジャーマルもあとに続いた。ともにテキサスをホームに試合を重ねたが、先に世界王座を獲得したのは兄のジャーマルだった。

 15年9月、コーネリアス・バンドレイジ(米国)から4度のダウンを奪って3回TKO勝ち、IBFのベルトを腰に巻いた。その8カ月後、今度は弟のジャーメルがWBC王座の決定戦で逆転の8回KO勝ちを収めて世界の頂点に駆け上った。ちなみに、その日のメインでは兄がIBF王座の2度目の防衛戦に臨み、12回判定勝ちを収めている。試合後にはふたりそろってリング上で写真に収まったものだ。これを含め、兄弟そろって同じ日に試合をしたことは5度ある。

 おもしろいのは双子の兄弟でも戦闘スタイルが異なる点だ。兄のジャーマルは25戦全勝(19KO)の戦績が示すとおりの強打者で、試合開始からKOを狙ったスリリングな戦いをみせる。やや肩に力が入り過ぎの印象もあるが、右ストレートや左フック、アッパーなどパンチは多彩で強い。これに対し弟のジャーメルは28戦全勝(13KO)と決してKO率は高くない。スピードを生かした堅実な戦い方に定評があり、技巧派として鳴らしている。

 昨年5月、弟が戴冠を果たし自身が2度目の防衛を果たした試合直後、ジャーマルは「ふたりで世界王座を長く防衛していきたい」と抱負を口にしたが、その言葉どおり並走状態は9カ月経ったいまも続いている。世界的に層が厚く、強豪がひしめくスーパー・ウェルター級戦線だが、チャーロ兄弟の快進撃はまだまだ続きそうだ。

Written by ボクシングライター原功

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