【MASTERS】長州、藤波、ライガーの競演に聖地熱狂 武藤の新イベントに“プロレスの達人”が揃い踏み

高木裕美

大森と高山の対決に「ノーフィアー」コール

大森と高山の対戦には会場から大きな「ノーフィアー」コールが 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 大森隆男&征矢学のGET WILDが高山善廣&佐野巧真組のU系コンビを撃破した。大森は以前、高山と「ノーフィアー」というタッグを組んで、全日本プロレスの世界タッグ王座やプロレスリング・ノアのGHCタッグ王座を獲得。そのため、先発を買って出た大森と高山が組み合うと、さっそく客席からは「ノーフィアー」コールが発生する。
 だが、高山はそんな“恐れ知らず”な過去など忘れたかのように、佐野と好連係を連発。5分過ぎ、高山が場外マット上に征矢をボディースラムで投げたところに佐野がフットスタンプを放てば、試合終盤でも、高山のニーリフトに佐野がソバットで追い討ちをかける。だが、GET WILDも佐野にサンドイッチラリアットを打ち込むと、征矢がワイルドボンバーで勝負を決めた。

ワイルドコンビがU系コンビを撃破

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 勝利した征矢だが、初めて体験する佐野のソバットの衝撃に「ストマックが……」と苦悶の表情。「Uインタールールなら、ロストポイント取られてたぞ」と心配する大森に、征矢は「おい、なんでUインターなんだ? なんでAから始めないんだ」とツッコミを入れるも、「元GHCタッグチャンピオンから勝利した。次は何タッグだ? オレたちは他団体のベルトも全部獲りに行く」と全団体に宣戦布告。
 すかさず大森が「Uインターなら、1億円積んでくるかもしれないぞ」とささやくも、征矢は華麗にスルーし、「オレたちの参戦を快く引き受けてくれる団体があれば、いつでもいい。獲りに行くぞ!」とアピールした。

ルチャの達人たち攻防に歓声

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、「ルチャマスター競演! スペシャル6人タッグマッチ」として、ウルティモ・ドラゴン&獅龍&アンディ・ウー組vs.NOSAWA論外&MAZADA&ディック東郷組がノータッチ式のルチャルールで対戦。日本にかつてルチャの基盤を作ったユニバーサルプロレスなどを知るファンから、大きな拍手やかけ合いが起こった。

 長年、東京愚連隊として組んできたNOSAWAとMAZADAが同士討ちを繰り返す中、NOSAWAは「みんな正体知ってるって」と、獅龍のマスクをはがそうとする暴挙に出るも不発。
 空中技の競演に、ウルティモまでもが鉄柱ダイブを披露し、本家ならではの華麗なラ・マヒストラルで“超高校級”のNOSAWAから3カウントを奪取。明るく楽しいルチャワールドに、試合後も観客は惜しみない拍手と歓声を飛ばした。

67歳の藤原と74歳のG小鹿が意地の張り合い

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 67歳の藤原喜明と74歳のグレート小鹿がタッグ対決。互いに芦野祥太郎、熊ゴローという若手レスラーを従え、思う存分やり合った。
 小鹿が噛み付き攻撃、コブラクローといった反則攻撃を繰り出すと、藤原もサブミッションで反撃。藤原は芦野の目の前でお手本とばかりにヘッドバットを見せ付けると、熊ゴローには急所蹴り。さらには芦野のアンクルホールドにもう1本の足をつかんで加勢するなど、昭和プロレスの真髄を教え込む。熊ゴローも場内が騒然とするほどの強烈なラリアットで反撃に出るが、藤原が電光石火のワキ固めでトドメをさした。

 試合後、藤原は「あのジジイ、ジャマだな。ぶん殴ったら死んじゃうかと気を遣ったんだけど」と、小鹿に超辛口エール。一方、小鹿は「二代目大熊元司だよ。またタッグを組みたいね」と、かつて極道コンビとしてアジアタッグ王座を獲得した名パートナーになぞらえ、同じ熊の名を持つ熊ゴローを高評価。熊ゴローも小鹿とのタッグに意欲を見せつつ、「組長と今度はシングルで戦ってみたい」とラブコールを送った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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