ドラ1柳とリリーフ田島が竜再建の鍵 小田幸平氏の中日キャンプ見どころ

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森監督はオンオフのついた選手が好み?

「原点回帰」を図る中日・森新監督 【写真は共同】

 昨季は19年ぶりのリーグ最下位に終わった中日。ここ4年間Bクラスに沈み続け、球団始まって以来の低迷期に陥っている状況だ。それを見て、チームの黄金期をムードメーカーとして支えた小田幸平氏はこう振り返る。

「う〜ん、シーズンを通してまとまりがなかったというのがありましたね。投打がかみ合わなかったし、きついことを言うのであれば『何もできず終わった』。ピッチャーでもバッターでもそうですけど、誰を主に置いていくのか最後までわからなかったって感じでした」

 規定投球回到達者はゼロで、3割打者も不在。4番に据えたビシエドは開幕直後こそ打棒が爆発するも、徐々にトーンダウン。柱と呼べる存在は確かにいなかった。

 ただ、暗い話題ばかりではない。その一つが、森繁和新監督の就任。長年ヘッドコーチを務めてきた名伯楽には、チームが近年醸し出す“陰”の雰囲気を“陽”に変える役割も求められる。

 小田氏は森監督について「最高だと思います。いい指導観というか、実際野球のことには一番厳しい。きっちりしている人なので、オンオフのついた選手が好きじゃないですかね。選手としてはやりやすいですし、そういうチームづくりをしたら上手くいくと思います」と、かつて同じユニホームを着て戦ったからこその視点で期待を込める。

ドラ1・柳の人間性を絶賛

ドラフト1位で入団した柳は実力だけでなく、人間性も評価されている 【写真は共同】

 そんな小田氏が春季キャンプで真っ先に見たいと話すのが、ドラフト1位で入団した柳裕也だ。

「会ってしゃべったことはないですけど、インタビューを見ると人間性がすごいなと思って。ひたむきさもあるし、天狗になることがなさそうだなと。それはプロで今からやっていく上ですごく大事なこと。常に上を向いていく人だなと思いました」

 柳は宮崎出身ながら横浜高、明治大と郷里から離れた地域で揉まれ、プロ入り。東京六大学リーグ通算23勝を挙げた右腕で、どの球種でもストライクを取れるという部分が評価されているが、小田氏は謙虚で向上心を持ったその人間性に注目している。

「たとえば高校でも大学でも全然違う地域に来ると、不安に思うのが普通じゃないですか。大人になっても、出張したらそうなると思うんですけど。ただ、柳投手は自分で転々として花を咲かせた人なので、その点も全然心配ないかなと。二重丸なんですよね、僕の中では」

 九州、関東と来て今季からは名古屋で、しかも職業として野球に打ち込む。環境が大きく変わることで実力と人間性が本物かどうか試されるところだ。それでも小田氏の見立てではルーキーイヤーから活躍する、やってもらわないと困る存在だという。チームでは大学の大先輩・川上憲伸氏以来の新人王獲得もあるかもしれない。

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