フェデラーが全豪7年ぶりの決勝へ ウィリアムズ姉妹の8年ぶり頂上決戦も実現
フェデラーとウィリアムズ姉妹が決勝進出
フェデラーがワウリンカ(右)をフルセットの末に破り、決勝進出を果たした 【Getty Images】
ウィリアムズ姉妹がグランドスラム決勝で顔を合わせるのは01年の全米オープンが最初で、全豪では2度目。最後の決勝対決は09年のウィンブルドンで、これまでは妹セリーナが6勝2敗と大きくリードしている。35歳で第2シードのセリーナはともかく、今年6月には37歳になるビーナスにとっては、妹に敗れた09年のウィンブルドン以来8年ぶりのメジャー決勝へ……勝利の瞬間、信じられないという表情で躍り回り、飛び上って喜びを表現した。
完勝のウィリアムズ姉妹
高い集中力で勝利をもぎとり、喜ぶビーナス・ウィリアムズ 【Getty Images】
バンダウェイの持ち味はサーブの威力。落ち着きを取り戻してからは、平均時速175キロのファーストサーブを軸に攻勢に転じ、サービスゲームでしっかりポイントを先行させた。一方のビーナスのサーブは、往時に比べて減速したものの、長身から繰り出す角度で押し込み、この日は特にショットを左右のライン際に散らす制球力が光った。ビーナスはこのセットで4本のブレークポイントを握られながら、3本逃れてタイブレークへ。ここはサーブ力で上回るバンダウェイに先手を譲ったが、久々に訪れた決勝進出へ怖いほどの集中力だ。
第2セット、バンダウェイのファーストサーブからのポイント率が第1セットの76パーセントから55パーセントまで落ちた。ビーナスのライン際への正確なリターンがサーブにプレッシャーをかけ、バンダウェイは第3、第5ゲームで計3本のダブルフォルト。自滅に近い形で追い込まれ、セットタイに持ち込まれれば、ジワジワと経験の差が物を言う。ファイナルセット、ビーナスは勢いづき、バンダウェイは必死に応戦したものの、このセットでも計5本のダブルフォルトを献上、後追いの展開を覆せぬままに逆転された。
第2試合では、姉の勝利を受けた妹セリーナが、立ち上がりからエンジンを全開。メジャーでは18年ぶりに準決勝のコートに立ったミリヤナ・ルチッチバロニ(クロアチア)に強打を浴びせた。エースの数こそ3本だったが、第1セットのファーストサーブからのポイント獲得率は実に100パーセントとこの大会で見せた最高の集中力。ルチッチは同世代の34歳だが、セリーナはここまでの競技人生の大差を容赦なく見せつけてストレート勝ち、試合時間50分で決着をつけた。
先行するフェデラー、追うワウリンカ
強気の攻めが光ったフェデラー 【Getty Images】
「第3セットからスタン(・ワウリンカ)のサーブが手を付けられなくなり、第4セットでは自分もちょっと硬くなった。失う物はない、リラックスしようと思った。試合直後から脚の違和感はあった。あまりタイムアウトは取らないが、コートを離れて手当てを受けたのは良かった」
気持ちの切り替えに成功したようだ。ファイナルセットの第5ゲーム、フェデラーは40−15からワウリンカに追いつかれてブレークポイントを握られている。そこを守ったことで再びバランスが崩れ、続く第6ゲーム、15−0からワウリンカのミスが続き、最後はダブルフォルトで虎の子のブレークが転がり込んだ。最後はラブゲーム。
フェデラーの決勝の相手は、第12日に行われる準決勝、ラファエル・ナダル(スペイン)とグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)の勝者。“ベビー・フェデラー”と呼ばれたディミトロフが勝てば、こちらは初のグランドスラム決勝進出。ナダルになれば、対戦成績はナダルの23勝11敗で、2人がグランドスラム決勝で対戦するのは2011年の全仏以来となる。
文:武田薫
全豪オープンテニス
2017シーズン最初のグランドスラム、全豪オープンテニスを全14日間連日生中継。今年最初の王者は誰だ?
2017年1月16日(月)〜1月29日(日)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ