センバツ出場32校を決めるポイント 履正社の神宮制覇で近畿7枠の行方は!?

松倉雄太

近畿大会覇者の履正社高が昨秋の神宮大会を制し、近畿地区に1枠をもたらした 【写真は共同】

 第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕)の出場校を決める選考委員会が27日に行われる。秋季大会の結果などから今大会出場のポイントになりそうな地区を見ていきたい。

 昨年9月の運営委員会で出場枠は例年通り、一般枠28校、21世紀枠3校、明治神宮大会枠1校と決まった。

一般枠の内訳は以下の通り。

北海道1枠
東北2枠
関東・東京6枠(関東4、東京1が基数となり残り1校を両地区で比較)
東海2枠
北信越2枠
近畿6枠
中国・四国5枠(中国2、四国2が基数となり残り1校を両地区で比較)
九州4枠

履正社、大阪桐蔭など近畿4強は確実

 11月の明治神宮大会では、近畿代表の履正社高(大阪2位)が優勝。これにより近畿地区に明治神宮大会枠がもたらされ、出場枠が6から7になった。例年通り、秋季近畿大会ベスト4の履正社高、神戸国際大付高(兵庫1位)、滋賀学園高(滋賀1位)、大阪桐蔭高(大阪3位)は出場が確実。ベスト8で敗れた4校の智弁学園高(奈良1位)、上宮太子高(大阪1位)、高田商高(奈良2位)、報徳学園高(兵庫2位)で残り3枠を争うと見るのが妥当だ。

 まずはこの4校の近畿大会での結果を整理したい。

・智弁学園高
1回戦 6対4 京都翔英高(京都2位)
準々決勝 4対6 大阪桐蔭高

・上宮太子高
1回戦 7対5 高野山高(和歌山2位)
準々決勝 3対11(7回コールド) 神戸国際大付高

・高田商高
1回戦 9対8(延長13回サヨナラ) 和歌山東高(和歌山1位)
準々決勝 0対7(8回コールド) 履正社高

・報徳学園高
1回戦 9対7 東山高(京都1位)
準々決勝 0対1 滋賀学園高

大阪優勝校の上宮太子は厳しいか…

 こうして並べてみると、県1位の実績と近畿大会2試合の内容から智弁学園高が最初に浮上する。昨年のセンバツ大会優勝という話題性もあり、選出しない理由は見当たらない。次に近畿大会の内容なら報徳学園高が挙がるが、昨年の選考委員会で同じ0対1で敗れた際には市和歌山高との比較で補欠校となった。今年も同じ相手の滋賀学園高に同じスコアで敗れたのをどう判断されるかが気にかかる。ただ、履正社高が明治神宮大会枠を獲得したことで風向きは変わった。7枠に増えたのならば、選出の支障は少なくなったとの声が大きくなっている。

 最後の枠を争うのは高田商高と上宮太子高。府大会決勝で履正社高を破り、近畿準々決勝でも6回表に神戸国際大付高からリードを奪った上宮太子高が優勢になる。だが2003年の75回大会から一般枠(明治神宮大会枠を含む)での同一都道府県選出は最大2校までという選抜大会の内規が制定されており、履正社高と大阪桐蔭高がベスト4以上にいるため上宮太子高を選出するのは厳しい状況と言える。

 そうなれば、残る高田商高しかないという考え方に行きつくだろう。1回戦では9回裏に4点差を追いついて延長13回サヨナラ勝ちした粘り強さと、コールドで敗れた履正社高が神宮枠を獲得したという2点が大きな材料。さらに21世紀枠を含めて公立校を1校以上選出してきた近畿地区の歴史も高田商高を後押しする。

 ただ、近畿大会後に地域バランスが良くないのではとの声があったのも事実。1回戦で全滅した京都勢から報徳学園高に惜敗した東山高、和歌山勢から高田商高にサヨナラ負けした和歌山東高が選考の土俵に上がってもおかしくなく、そうなると6校目以降の行方はわからなくなる。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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