中日・高橋周平は覚醒できるか!? 大先輩・立浪和義氏からのメッセージ

週刊ベースボールONLINE

インサイドを克服し、覚醒を期待した高橋周平 【写真:BBM】

 2012年ドラフト1位で東海大甲府高から入団し、なかなか結果を出せていない中日の“ホープ”高橋周平選手。15年からは私の背番号3を継承している選手ですが、抜群の長打力を持ち、大器と期待されながらも、プロ入り5年で一度も100試合以上の出場がありません。体も強いし、守備もいいのですが、残念ながら一番期待されているバッティングが、いまは最大の課題になっています。

 将来を期待されているだけに、これまでいろいろな人からいろいろなアドバイスを受けてきたと思いますが、その分、迷ってしまっていたようにも見えます。いろいろな人の意見を聞くのは悪くないのですが、すべてではなく、その中から自分に合ったものだけを取り入れなければ、混乱してしまいます。マジメな性格もあってなかなか難しかったようですが、フォームの修正が裏目に出ていることもありました。

 それでも昨年の開幕前の修正はよかったなと思って見ていました。前年までは足を大きく上げていましたが、あまり調子が上がらなかったこともあって、タイミングの取り方を変えました。前の右足を左に寄せてから、ちょんと突くようなタイミングの取り方ですね。スタンスも狭くなり、いままでの上体が投手寄りに突っ込んでしまうクセが修正されていました。実際、開幕からしばらくはよく打ち、4月途中までは3割台をキープしています。それだけに右手の骨折は不運でしたね。長期離脱から復帰後は調子が上がらず、打率も2割5分1厘まで落ちてしまいました。

課題のインサイドを克服できれば

 ただ、ケガがなくても開幕直後の状態で打ち続けられたかというと、それは難しかったのではないでしょうか。なぜかと言うとインサイドに課題があるからです。バットが遠回りするいまの打ち方では、真ん中からインサイド寄りの球は体を開いて打つしかないのですが、そうなると、どうしてもポイントが捕手寄りになって詰まってしまいます。技術面もそうなのですが、ボールを捉えるポイントをもう少し前にする意識が必要になってきます。

 いまはインサイドの速球はセンターを意識しているのではないかと思いますが、狙ったときはうまく回転してライトに強い打球を打てるようにしたいですね。いまのところインサイドで長打を打てるのは、緩い変化球くらいでしょう。もう少し懐をゆったりさせ、インサイドアウトの基本をしっかりと意識してほしいと思います。逆に真ん中から外寄りには強く、ナゴヤドームのレフトスタンドまで届く長打力もあります。インサイドさえ克服すれば大化けできる選手と期待しています。
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