Bリーグ発足、高校生たちをどう変えた? スター候補たちが挙げた3つの効果

鈴木栄一

SNSを使ってプレーをチェック

Bリーグの動画をチェックし、モチベーションを高めているという北陸学院高の2年生エース・大倉颯太(中央) 【加藤よしお】

 また、Bリーグの影響として複数の選手たちが口にしたのが、実際のプレー映像を見る機会が増えたことだ。スポーツ映像配信サービス「スポナビライブ」などでの中継に加え、リーグ側がFacebook、Twitter、YouTubeなどのソーシャルメディアで試合や、活躍した選手たちのハイライト映像などを数多く配信している。これらは時間も短くまとめられており、SNSで気軽に見られることから、高校生にとってプレーのよい参考になっているようだ。

 例えば今大会3位と躍進した北陸学院高(石川)の2年生エース・大倉颯太は、「ハイライト動画がTwitterやYouTubeにたくさん上がっているので、それを見て自分のモチベーションにしています。自分もBリーグのコートに立ちたいとすごく感じています」と語る。また、好きな選手として千葉ジェッツの富樫勇樹を挙げ、彼のプレーが動画に出てくる時はしっかりチェックして参考にしているという。

 インサイドでの体を張ったプレーと要所での3ポイントを武器にし、バスケIQの高さも印象的だった同校の小室悠太郎も、「メディアの露出も増えてきてプロのバスケを見る機会が増えました。センターでも例えば外国籍選手のフィジカルの強さ、テクニックのうまさを見ることができて勉強になっています」と明かした。

経験値を上げる前座試合の存在

 Bリーグの効果として、今までとは違った試合経験を挙げる選手もいる。Bリーグでは地域密着を積極的に推し進めており、前座試合で地元の高校生チームがプレーすることもある。ウインターカップ4位の帝京長岡高(新潟)は、新潟アルビレックスBBが地元のアオーレ長岡をホームアリーナとしていることもあって、数回前座試合でプレーを経験。ウインターカップ直前の昨年11月23日の横浜ビー・コルセアーズ戦の前にも、帝京長岡高と桐光学園高(神奈川)による壮行試合が開催された。

 キャプテンを務めた神田大輔は、「(前座試合の)おかげで、みんなウインターカップのような大舞台でもしっかりしたプレーができたと思います。いつもと雰囲気が違う中でプレーできたのは、自分たちにとって大きなプラスだったので感謝しています」と、いつもと違う環境でプレーできる効果を強調した。

 Bリーグとなってプロバスケットボールの露出が増え、盛り上がりを見せていることにより、現役の高校生選手にとってもトップリーグに触れる機会が増え、これまで以上に目指すべき舞台になっている。当たり前のことではあるが、トップリーグの発展は、下の世代にもいろいろとポシティブな効果をもたらすことをあらためて実感した。

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著者プロフィール

1977年、山梨県生まれ。アメリカ・オレゴン大学ジャーナリズム学部在学中に「NBA新世紀」(ベースボールマガジン社)でライター活動を開始し、現在に到る。毎年、秋から冬にかけて母校オレゴン・ダックスの成績に一喜一憂している。

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