【西口プロレス】15周年イヤー締めくくりの芸人プロレスに新宿熱狂! 西口最強タッグは小猪木&蛾野に

スポーツナビ

バラエティー豊かな全6試合

西口プロレスの「西口最強タッグ決定リーグ」はアントニオ小猪木&蛾野正洋組が優勝 【写真:宮木和佳子】

 お笑い芸人によるお笑いプロレス団体、西口プロレスの「西口最強タッグ決定リーグ 決勝戦」が27日、東京・新宿FACEで開催。師走の忙しさを忘れるようなゆるさと激しさの混ざった試合に、満員の会場からは大きな笑い声と歓声で熱狂が生まれた。

 この日は全6試合が組まれ、往年のレジェンドレスラーっぽい選手が登場したり、会場の暗転とともに幽霊が現れたり、インフルエンザで欠場する選手が出たり、TUBEの『プロポーズ』を全力で歌ったりと、バラエティー豊かな内容に。休憩前の第4試合終了後には、テレビでもお馴染みの長州小力によるパラパラダンス・ロングバージョンもあったりと、「台本重視」な定番の流れも組み込まれた。

 また第5試合ではじっちゃんの引退試合も行われ、ライバルだった超能力少年オリタとの激突は、1時間近い熱戦(※3分過ぎから50分過ぎまでは、早送りで割愛されたが……)の末、介護式ムーンサルトプレスでじっちゃんが勝利し、ラストマッチを飾った。

 試合後の10カウントセレモニーでは、どこか笑いと真面目さが入り混じったコメントに、リングサイドで見ていた仲間のリングアナウンサーが号泣。それを見て会場や関係者が大爆笑するという、芸人としてはうれしい花道となった。

どことなく本物っぽく見えるメインイベント

ガチのプロレスっぽさが満載だったメインは、小猪木の延髄斬りから蛾野が丸め込みフィニッシュ 【写真:宮木和佳子】

 この日のメインイベントは西口最強タッグ決定リーグ決勝戦として、アントニオ小猪木&蛾野正洋組vs.焙煎たがい。&梶慧組が激突。
 決勝戦だけあり、ここまでの試合とはレベルの違うチョップの音や、レスリング的な素早い動き。どう見ても本物とはかけ離れた体型なのに、どことなく本物っぽく見えてくる蛾野の息遣いや挑発コメント、小猪木のムーブ、遠めに見たらプロレスラーっぽく見える焙煎や梶の雰囲気に、ガチなプロレスっぽさもかもし出す。

 技に関しても、梶のローリングソバット、ギロチンドロップ、焙煎の重そうなミドルキック、ダブルアームスープレックスなどは、受ける蛾野も本気で痛そうに見えた。これに負けじと小猪木は梶にボディースラム3連発、体格差のある焙煎もボディースラムで投げきり、蛾野もトップロープからフライングショルダーアタック2連発を決め、最近では見かけない技に懐かしささえ感じる。

 最後は蛾野が集中砲火を浴びる中、小猪木がカウンターの延髄斬りを焙煎に決め、蛾野がそのまま丸め込み逆転勝利。優勝トロフィーと、優勝賞金1000万ドル(!?)のプレートを掲げた。

 試合後は、もちろんノーサイド。お互いが相手チームに拍手を送り健闘を称えあった。今年最後の新宿FACE大会ということで、記念サインボール投げもあり、最後は小猪木が「来年もいいことがありますように! 小1、小2、小3、ダー!」で大会を締めくくった。

小猪木は大阪、九州遠征で自信

この日で引退となったじっちゃんはみんなに胴上げされた 【写真:宮木和佳子】

 大会終了後、アントニオ小猪木に話を聞くと、「15年目の西口プロレスということで、今までならZeppや後楽園ホールなど節目の年にはビッグイベントをやるという流れもああったのですが、今年は大きな大会をする代わりに、15年目の1年を15周年の意味合いでやろうと。2月の大会を皮切りに、大阪大会、九州シリーズ、アントニオ猪木酒場大会といろいろな大会をやってきました。そういう意味で、自分たちのやってきたものを再確認できた1年だったと思います」と振り返った。

 基本は東京を中心に活動を行っている中で、今年は大阪や九州ツアーへと遠征し、「われわれのことを毎回見ているお客さんじゃないので、そういう中でも『こういう動きはうけるんだ』ということを再確認できて、それは自信になりましたね」と手ごたえも感じている。

 2017年に関しては「若手も育ってきているので、そういう意味では体が動けるうちに継承できるものは伝えていきたいなと思います。(今日の試合では)いろいろなボケの見せ所もあったのですが、歓声が大きすぎて台詞が聞こえなかったりしたところもあったのですが、それは一生懸命やりすぎていた部分があって面白くなっていたと思うので、そういうものが伝わればいいなと思います」と豊富を語った。

『安全第一、筋肉禁止、台本重視』を掲げる西口プロレス。緊張感につかれたプロレスファンの方は、一度肩の力を抜いて観戦を楽しむのも良いかもしれない。
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