【BASARA】イサミがヒロシを破りユニオン王座を戴冠 秋山準が怪奇派レスラーSAGATを一蹴

高木裕美

今年1月に旗揚げした「BASARA」が聖地進出! イサミが覚悟を示した 【写真:前島康人】

 今年の1月21日に東京・新宿FACEで旗揚げしたプロレスリングBASARAが25日、「伐折羅・弐拾伍〜疾風迅雷〜」で、東京・後楽園ホールに初進出。823人を動員した。

 BASARAの前身は、昨年10月4日に同地で解散したユニオンプロレス。ユニオン旗揚げ10周年記念大会でもあった解散興行の終了後、木高イサミが「新しい家を作る」と新団体の旗揚げを表明し、その3日後に開催された「DDTドラマティック総選挙2015」結果発表大会で、新団体名を公表した。ユニオンファンのイサミに懸ける期待の大きさを証明するかのように、イサミは同年の総選挙1位を獲得。11月にはDDTのKO−D無差別級王者にも輝き、チャンピオンとして1月の旗揚げ戦に臨んだ。

リング上で裁判が行われるなど、傾奇いた試合も多数行われた 【写真:前島康人】

 その後も新宿や地方などで定期的に興行を行い、シングルリーグ戦「頂天〜itadaki〜」や、タッグトーナメント「IRON FIST TAG TOURNAMENT」なども開催。今回、満を持して、ユニオン思い出の地でもある聖地へと乗り込んできた。

「傾奇者」を意味する団体名のように、「派手な格好をして体制に反逆する」という意気込みの下、この日は「大逆転プロレス裁判〜容疑者Xの献身〜」と題してリング上で裁判を行うなど、前代未聞の試みも。個性豊かな若きレスラーたちが躍動する姿に、会場に詰め掛けた女性ファンからは大量の紙テープが投げ込まれた。

イサミがエースの覚悟を示して勝利

勇足・斬を炸裂させ、ヒロシから勝利し王座戴冠となった 【写真:前島康人】

 メインイベントでは、「第6代ユニオンMAX王座決定戦」として、第5代王者であった木高イサミと、シングルリーグ戦「頂天〜itadaki〜」優勝者のトランザム★ヒロシが、復活したユニオン王座を賭けて激突。イサミが王座を戴冠した。

 両者は6.23新宿で行われた「頂天〜itadaki〜」優勝決定戦で対戦。当時はまだ本名の福田洋であったヒロシが23分41秒、パーフェクトプレックスで勝利し、同時に改名を表明するという転機の戦いとなった。

 イサミはユニオン解散興行となった昨年10.4後楽園大会で、石川修司と同王座を賭けて対戦。王座防衛後、同ベルトの一時封印を宣言していたが、今回、このリングで約1年ぶりに復活させた。

 髪を真っ赤に染め、見た目も心も完全アメリカナイズされたヒロシは、イサミのショーンキャプチャーを阻止し、ジャーマンスープレックスで投げると、15分過ぎにはナックルの打ち合いからスクラップバスター、ラリアット、そしてパーフェクトプレックスを敢行。しかし、カウントは2。「リーグ戦ではこの技を返されたことがなかった。返されて、次に何をすればいいのか分からなくなった」と、最大の勝機を逃し、頭が真っ白になったヒロシに対し、イサミがすかさずバックドロップ、カカト落とし、ブレーンバスターを繰り出すと、さらに後頭部、そして真正面への勇足・斬を炸裂。3カウントを奪い取った。

 試合後、マットで大の字になったままのヒロシに対し、イサミは「どうやらまだまだみたいだな。おまえが見てるのは天井。でも、オレが見てるのは会場全部だ」と、団体を旗揚げした覚悟と、エースとして牽引してきた意識の差をハッキリと示すと、「後楽園はやっぱり広い。でも、止まりたくない。まだまだ走っていいですか」と、来年4月29日&10月1日の後楽園大会開催を発表。「君たちがいて、僕がいる」と、これからもこの団体と共に、上を目指していくと語った。

1/2ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント