有馬記念、西の有力2頭に勝機あり! サウンズ&シュヴァル 指揮官の本音

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サウンズオブアース(右)とシュヴァルグラン、関西の有力2頭の陣営に本音を聞いた 【netkeiba.com】

 内枠有利と言われる有馬記念で、キタサンブラックが1枠1番を引き寄せた。ファン投票1位のスターホースがこのまま押し切り勝ちを収めるのだろうか。しかし、2016年総決算レースを初GI制覇で締めくくるべく虎視眈々と力を蓄えた馬たちがいる。冬が得意で「過去最高のデキ」というサウンズオブアース、天皇賞・春3着で手応えを掴みオーストラリア遠征をやめ有馬記念を目標に定めたシュヴァルグラン。2頭の陣営を直撃した。(取材・文:大恵陽子)

「過去最高のデキ」サウンズオブアース

サウンズオブアース(右・黄色帽)は昨年の有馬記念でもクビ差2着と惜敗、GIタイトルは手の届くところまで来ている(撮影:下野雄規) 【netkeiba.com】

“最強の重賞未勝利馬”

 敬意を込めてそう評されるサウンズオブアース(牡5、藤岡健一厩舎)は、3歳時に500万下特別を勝利して以来、勝ち星からは2年8か月遠ざかっているもののGIで2着3回、GIIで2着4回と実力の高さを証明している。

 昨年の有馬記念は勝ち馬ゴールドアクターのクビ差2着だった。

 藤岡健一調教師はこう話す。

「この時期は毎年状態がいいんです。春は1戦毎に硬いところが出てきてそのケアが大変で、ケア自体は今もやっていますが、この時期は硬いところも出ず明らかに動きがいいんです」

 スタートの良さから好位につけられる強みもある。ミルコ・デムーロ騎手は「GIはみんなライバル」とした上で、具体的に4頭を挙げた。

「キタサンブラック、デニムアンドルビー、シュヴァルグラン、ゴールドアクター」

 このうち今年GI2勝キタサンブラックと昨年覇者ゴールドアクターは先頭〜中団前目でレースを進めるだろう。彼らを見ながらポジションを取りに行くことができる。

「過去最高だと思っていたジャパンカップよりもいい状態」と藤岡健調教師は愛馬の出来に太鼓判(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】

 しかしなぜ、サウンズオブアースは善戦マン止まりなのだろうか。

「いつも勝負所でモタつくんです」(藤岡師)

 直線半ばからはビュンッと鋭い脚を繰り出す。しかし昨年の有馬記念では道中でゴールドアクターとほぼ同じポジションにいながら、4コーナーで少し置かれる場面があった。

「中山はそんなに内外がバラけないので、一瞬のタイミングが大切になってくるでしょう。勝負所での反応を良くするための調教を先週と今週にやりました。馬の真後ろにつけて我慢をさせてから外に出して脚を伸ばす、というもので実戦につながってくると思っています」

 課題に向き合い準備は整った。さらに状態は上向いているという。

「前走のジャパンカップは過去最高のデキでしたが、それ以上にいい状態で出走できそうです。さらにもう一段上があったのかな、という感じです」

 枠順抽選会でデムーロ騎手は3枠6番を引き当てた瞬間、微笑んだ。

 これまで3回、GIの神様にはそっぽを向かれてしまったが、今回こそは微笑んでくれるだろうか。

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