オコエ、青柳らの課題吸収力に注目! 江尻慎太郎氏の台湾ウインターL見どころ

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江尻氏も高く評価する楽天・オコエ。ウインターリーグで実戦を積み、未来のスターへ全力で走る 【写真は共同】

 プロ野球界はこの季節、つかの間のオフとなる。ファンの関心も移籍や新外国人などの補強に向く。だが一方で、若き精鋭たちが異国の地で実戦を積んでいることをご存知だろうか。現在開催中の「2016アジアウインターベースボールリーグ(以下ウインターリーグ)」がそれだ。

山田、岩貞らが飛躍のきっかけつかむ

 ウインターリーグの舞台は台湾。12年から現行の形で始まり、今年で4回目を迎えた。日本勢からはイースタン・リーグ選抜、ウエスタン・リーグ選抜の2チームが参加し、地元・台湾や韓国、ヨーロッパのチームとおよそ1カ月の間リーグ戦を行う。

 過去には2年連続トリプルスリー男・山田哲人(東京ヤクルト)が第1回に参加。また、岩貞祐太(阪神)は昨年の同リーグでMVP級の成績(5試合2勝0敗、防御率0.53、17イニング27奪三振)を残し、今季自身初の10勝を挙げる飛躍につなげた。

 他にも桑原将志(横浜DeNA)、中村悠平(ヤクルト)など、現在のレギュラークラスが参加した経歴もある。ウインターリーグは未来のスターに向けた登竜門なのだ。

最大の注目はオコエ



 さて、今回のウインターリーグで注目すべき選手は誰なのだろうか。現役時代は北海道日本ハムなどで活躍し、通算277試合登板の実績を持つ江尻慎太郎氏はこう答える。

「オコエ瑠偉選手(東北楽天)ですね。インタビューを見ていても、オフのことをとてもポジティブに話していました。自分の中で何かビジョンがあって、(今回のウインターリーグを)成長していく過程として捉えているじゃないかなと。今年僕は仙台でずっと解説をしていたので、オコエ選手の(出場)試合をよく見ていましたが、キャンプからシーズンを通してもすごく成長してきましたね」

 イースタン選抜の一員であるオコエは鳴り物入りでプロ入り。今季51試合に出場も打率1割8分5厘、1本塁打、4盗塁と目立った数字は残せず。それでも爆発的な脚力を生かしたプレーなど、ドラフト1位としての魅力を示す場面も多かった。

 シーズン終盤からはクラウチング気味に構える新打法を習得中だが、江尻氏はこの取り組みを評価している。

「自分からいろいろ変えていっていいと思います。高校時代に結果を出していますが、あの時は良かったからといっても、ピッチャーのレベルが(プロとは)違う。圧倒的に違うことを自分の中で理解すれば、次のステップを踏むことに怖さなくチャレンジしていける。シーズンで出てきた洗練された課題をウインターリーグで試し、さらにその課題を揉むという意味では、オコエ選手はいいなと思いますね。来シーズン、楽しみな存在です」

 なおオコエは6日に歯の治療のため帰国するも、それまでにチームの全8試合に出場。打率2割9分6厘(27打数8安打)、8安打のうち4本が長打(二塁打、三塁打が2本ずつ)と、新打法への取り組みに一定の成果を出した。

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