板東英二のコラムタイトルを真剣に考える カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

適当すぎる(!?)中日のレジェンドでもある板東英二氏のコラムタイトル。今回は新たな板東氏のコラムタイトルを考えてみました 【イラスト:カネシゲタカシ】

 新聞では野球評論家のコラムや監督談話の記事に固有のタイトルがつくことがあります。

 たとえばスポニチには横浜DeNA前監督・中畑清氏による『中畑清の視点』なるコラムがあります。また東北の地方紙・河北新報には『梨田の話ダ』という東北楽天・梨田昌孝監督の談話コーナーがあります。

 そして、これらのコラムタイトルがいちいちユニークなのがサンケイスポーツ。

 例えば阪神・金本知憲監督の談話には『金本監督アニトーク』という『アメトーーク!』っぽいタイトルがついていますし、専属評論家・佐野慈紀氏のコラムには『佐野慈紀のピッカリ診断』という楽しいタイトルがついています。

 ところが!

 あの板東英二氏のコラムだけ不自然なまでに普通のタイトルなのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。

サンスポのコラムタイトルを分類

 板東さんのコラムタイトルをご紹介する前に、まずは板東さん以外のサンスポコラムのタイトルをざっとご紹介しましょう。その名付け方で分類しています。

【1】名前やニックネームに由来

『金本監督アニトーク』
『八木裕 神眼スコープ』
『虎・和田SA 豊かなコラム』

「アニキ」の愛称で知られる金本監督、「代打の神様」と呼ばれた八木裕氏、前阪神監督で現在は球団のオーナー付シニアアドバイザーを務める和田豊氏らのコラム名がこれに該当します。

 それにしても「豊かなコラム」って、いったい何が豊かなんでしょうか。たぶん答えはでないので先を急ぎましょう。

【2】往年のプレースタイルに由来

『土井正博の豪傑球論』
『上田二朗のサブマリン斬り』 
『田尾安志 タイムリーCheck!』
『若松勉 芯打ち登場』

 来季から中日打撃コーチに就任する土井正博氏のコラムは『豪傑球論』。選手時代は通算465本塁打を誇る強打者だったことに由来します。また元阪神コーチ・上田二朗氏の「サブマリン」はアンダースロー投手だったことに、田尾安志氏の「タイムリー」や若松勉氏の「芯打ち」は好打者だったことに由来しています。


【3】本人のキャラクターに由来

『エモやんの舌好調』
『広岡達朗 檄る!』
『佐野慈紀のピッカリ診断』

 毒舌キャラで知られる江本孟紀氏のコラムは「舌好調」。そしてエモやん以上にいつも誰かに怒っているイメージの広岡達朗氏には「檄(げき)る」という造語が使われています。これは『張本勲 喝る!』と同じ用法ですね。そんなコラムないですけど。

 ちなみに佐野慈紀氏の「ピッカリ」を、キャラクターと分類すべきかプレースタイルと分類すべきかは迷うところ。たぶんヘアスタイルとするのが正解なんでしょうが、とりあえずここに入れておきます。

【4】副業に由来

『デーブ解析料理』

「デーブ」の愛称で知られる楽天前監督・大久保博元氏が、新橋で「肉蔵でーぶ」という居酒屋を経営していることは有名です。ちなみにそのお店、楽天のユニフォームを着て行くと「ごめんな、悪かったな」とデーブさんが謝ってくるという噂も…(大久保監督時代の楽天は最下位)。

【5】それっぽいけど実は適当?

『小早川毅彦の打診球診』
『荒木大輔 ピッチbyPitch』
『野村弘樹 ウイニングショット』

 これらを適当と言ってしまう根拠、それは各タイトルがご本人じゃなくても成り立つという点にあります。「打診球診」は元打者なら、「ピッチbyPitch」は元投手なら誰にでも使えます。また「ウイニングショット」も、元横浜投手・野村弘樹氏にこれといった決め球がなかったことから“適当に名付けた疑惑”が浮上します。

板東英二氏のコラムタイトルは……?

 さて、ここまでサンスポのコラムタイトルをざっとご紹介しましたが、これらはすべて前置きです。僕が今回言いたいのは「板東さんのコラムタイトルが適当にもほどがある」という、その一点です。

 ご存じない方のために、そのわれらが板東英二氏のコラムタイトルをご紹介したいと思います。

『板東英二の観戦記』

 衝撃的なほどにフツー! 通算77勝を誇る中日のレジェンドであり、プロ野球OBとして芸能界で最も成功した板東さん、個性のかたまり板東さん、そんな板東さんのコラムが『板東英二の観戦記』って……コレどないなってんの? 訳わからんわ、ほんばにぼぉー。

 あまりにシンプルなため、隠された意味でもあるのかと頭脳パワーを駆使しましたが、僕にはマジカルバナナでした。とにかく、あの天下の板東英二のコラムタイトルが、こんなあっさり風味でいいわけがない!
 そこで僕が新タイトルをいくつか考えてみました。

『板東英二のここがエエジ!』
「名前やニックネームに由来」の王道パターンで作ってみました。

『板東英二のエッグい視点』
ゆで卵好きで知られる板東さんにちなんでエッグ(Egg)をあしらいました。

『♪ひとかけ、みこすり、サンスポール』
 80年代に板東さんが出演していたトイレ用洗剤・サンポールのCM。「♪ひとかけ、みこすり、サンポール」の歌詞に「サンスポ」をかけてみました。さらに「みこすり」を『みこすり半劇場』に引っ掛けて……と思いましたが、あれは東スポの連載でした。

『板東英二のセ界・ふしぎ発見!』
 レギュラー出演していた番組名から、こんなタイトルを考えてみました。セ・リーグのさまざまなミステリーに切り込むイメージです。でも一番ミステリーなのは、板東さん自身がいつの間にか番組からボッシュートされていたことですが……。まあ、ここでは触れないでおきましょう(触れてるけど)。

 サンスポさん、よかったらマジカルチェンジしてくださいね。
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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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