W杯に懸ける松山英樹と石川遼の熱意 同学年コンビが目指す日本勢3度目の快挙

北村収

ホスト大会を辞退しての参加

24日に開幕するゴルフW杯に懸ける石川遼(左)と松山英樹の決意とは!? 【北村収】

「優勝を目指す」。松山英樹は2週前に開催された「三井住友VISA太平洋マスターズ」の優勝会見で、24日に開幕する国・地域別対抗戦「ISPSハンダ ワールドカップ(W杯)」への思いを語った。

 直近4戦で3勝と2位が1回。しかもその中には日本人として初の優勝となる「世界ゴルフ選手権(WGC)」制覇の快挙も含まれている。それでも松山は、「今の調子では絶対に足を引っ張ると思う」と残り1週間でさらなるレベルアップを図り、「優勝争いをできるように頑張りたい」と語った。

 今回の2人の出場には、スケジュール的に大きなしがらみがあった。石川遼はW杯出場のために、所属するカシオ計算機が同じ週に主催する「カシオワールドオープン」を欠場。そして松山も「本当はダンロップフェニックスには出たかったが、スケジュール的に厳しかった。遼も僕に合わせてくれているので良い結果のためにも欠場を決めた」とホストプロとして出場予定だった前週の「ダンロップフェニックストーナメント」を欠場した。そこまでして出場しようとする2人の決意とは!? チームジャパン結成とその後のW杯開幕までの2人の道のりをたどってみよう。

不安を払拭(ふっしょく)する石川の復調

7月にツアー復帰したばかりの石川だったが、松山にW杯出場を指名されてから復調の気配を見せた 【北村収】

 W杯の出場者は、今回でいうと今年の8月1日時点の各国世界ランキング最上位選手が、パートナーを指名する仕組み。日本勢最上位の松山が指名したのが同学年の石川だった。松山は8月にオフで帰国した際、直接石川にオファーをしたという。石川も、多忙な松山がそのためだけに直接会いにきた熱意に心を動かされ出場を決意した。

 松山&石川コンビが決まった直後、メディアなどでは石川の状態を少し不安視する報道もされていた。今年2月に腰痛で米ツアーから長期離脱。7月に国内ツアーで復帰したものの、2日間で12オーバーの127位タイで予選落ち。松山から声がかかった段階では復調の気配は見えていなかった。

 しかし指名された直後の8月下旬に開催された国内ツアーの「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」で石川は勝利。その後も国内ツアー「フジサンケイクラシック」、「ANAオープン」で優勝争いに絡む活躍を続けた。指名直後、石川の状態に関する質問に「大丈夫だと思う」と答えていた松山。松山の見込みが良かったのか? それとも石川が松山の思いに応えた形なのか? いずれにしてもW杯に向けてゴルフファンの期待を高める結果を石川が早速出してくれた。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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