【新日本プロレス】内藤、ドームの棚橋戦決まるも興味なし 再び「ファン投票」が行われるのか!?

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ドームでのIC王座戦が正式決定した内藤(左)と棚橋 【スポーツナビ】

 新日本プロレス新春恒例のビッグマッチ「WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム」(2017年1月4日)の追加対戦カードが7日に発表され、IWGPインターコンチネンタル選手権試合として王者・内藤哲也と挑戦者・棚橋弘至の試合など3試合が正式決定した。

 この日、新日本プロレス事務所で行われた記者会見には内藤と棚橋が参加。先に会見場に入った内藤は「今日はEVILの会見だっけ? EVIL、ちゃんと連れて来てるから」と自分ではなく、5日の大阪大会でNEVER無差別級王座に戴冠したEVILの会見を行うと話して招き入れた。EVILがコメントを残して退場しようとすると、自分も退席しようとしたが、ここはMCに止められ改めて着席した。

 一方、神妙な面持ちで会見場に登場した棚橋は「思い返せばちょうど1年ぐらい前、僕が(東京ドームでのIWGPヘビー級王座挑戦の)権利証を持っていて、内藤がそれに挑戦するという図式でした。それが1年経って、戦わずして世代交代をされたというか……」と、いつの間にか立場が逆転していることに戸惑いさえも見せていた。それでも、内藤がベルトを乱雑に扱うことを引き合いに出し、「“ベルトへの愛”という部分が、今回の大きな2人の図式になるんじゃないかな」とテーマを掲げた上で「もしインターコンチ、東京ドームで勝ったならば、2017年は棚橋の年になります」と意気込みを語った。

 このコメントを聞きながらも、内藤は棚橋に興味を示さず。東京ドームで戦う理想の相手ではなかったが「予想した相手」だったと語り、棚橋が7年連続でドームのメインに立つために挑戦してきたと勘ぐっていた。そして「まさにあの時と一緒ですよ。覚えてますか? ファン投票をしたあの時ですよ」と14年の東京ドーム大会の際、ファン投票でメインイベントが決めった時の話題を持ち出し、「新日本プロレスは棚橋が言った事がすべて。棚橋のいいなり」と皮肉り、自身は「ファン投票反対」の態度を示しつつも、その判断を棚橋と新日本プロレスの方針に任せるとした。

 棚橋は「とりあえず保留にさせて下さい」と困惑気味だったが、再びファン投票に踏み切るのか? 今後の展開に注目が集まる。

 以下、会見でのコメント。

内藤、“正論”を語り、棚橋を困らせる

14年東京ドーム大会の際に採用された「ファン投票」。内藤がまたやりたいのかどうかを棚橋に詰め寄る 【スポーツナビ】

棚橋「思い返せば、ちょうど1年ぐらい前、EVILが登場した10月の両国で、僕が権利証を持っていて、内藤がそれに挑戦するというような図式でした。それが1年経って、戦わずして、世代交代をされたというか……。例えばオカダ(・カズチカ)だったら、何べんも戦って、今年のドームで負けましたけれども、こんなケースは初めてかなと。戦ってもいないのに、いつの間にか立場が逆転している。昔、まだ内藤がヤングライオンだった時に『早く俺のところまで上がって来いよ』と控え室で言ったことがあったんですね。
『棚橋vs.内藤』が東京ドームで実現する。来たか、と。今回は内藤の力、勢いを借りての実現ということではあるのですが、もう1個言いたいことが。ベルトを投げたり踏んだりするのだけは、ちょっと俺的には無理ですね。プロレス界の先人たちが、紡いできた象徴がベルトなので。うちのばあちゃんも物を投げるという行為は運気を下げると言っているので、僕は物を投げないようにしている。そういうプロレスに対するリスペクト。ベルトへの愛という部分が今回の大きな2人の図式になるんじゃないかなと。

 今年オカダに負けて、来年内藤に負けるわけにはいかない。もしインターコンチ、東京ドームで勝ったならば、2017年は棚橋の年になります」

内藤「今さら隠す必要もないけど、それは俺が棚橋弘至を目標にしていたこと。まぁファン時代ですけどね。棚橋選手の姿を見て、俺も新日本のリングに立ちたいんだと。絶対に入ってやるんだと思っていましたよ。新日本に入って、棚橋選手の背中を、俺はしっかり見てきました。デビュー当時から、『棚橋弘至を引きずり落とすのは俺の役目』と言い続けてきました。でも今年の1月4日、東京ドームでオカダに敗れ、もうトップ選手ではなくなってしまったのかなという印象を持っています。棚橋弘至をトップから引きずり落としたのは、オカダだったのかなと。

 そんな棚橋がなぜ大阪大会の後、俺の目の前に来たのか? 俺が(東京ドームで戦うのに)理想とする相手、予想する相手がいた。理想の相手は棚橋弘至ではなかったけど、おそらく棚橋が来るんじゃないかという予想はしていた。予想という意味では当たりました。
 なんで棚橋が来たか? その答えは、俺と絡めば7年連続東京ドーム大会のメインイベントが見えてくるから。そんな棚橋ファンと、棚橋本人しかこだわっていない、非常にくだらない記録のために、俺の前に出てきたんだなと俺は思いました。

 まさにあの時と一緒ですよ。覚えてますか? ファン投票をしたあの時ですよ。あの時も彼はIC王座戦だったはずなのに、彼の意思か、新日本プロレスの意思だったのかもしれないですけど、ファン投票という意味の分からない制度を持ち出して、IC王座戦をメインイベントにした。

 僕はあの時思いましたよ。『なんで新日本プロレスはIWGPヘビー級王座に誇りを持たないんだ?』と。確かに、棚橋を連続でメインイベントに出したいというのがあったのかもしれない。内藤をメインイベントにしたら不安だった、それもあったのかもしれない。でもIWGPヘビー級王座戦だよ? 例えどんなカードでも、IWGPヘビー級王座戦をメインにするべきだったと、俺は思っていますよ。

 俺のIWGPへのこだわり。IWGPを目指してきましたから。今となってはIWGPヘビー級王座も、ここにあるIC王座をも超えてしまったのが、内藤哲也という存在ではあるのですが。でも東京ドームのメインイベントはIWGPヘビー級王座戦であるべきだと、この考えは変わらない。なので、皆様、僕はここでファン投票しましょうと言うと思うでしょ? 俺の答えは、逆です。ファン投票を俺は望みません。メインイベントはIWGPヘビー級選手権試合。セミファイナルでIC戦をやるべきだと。

 ダブルメインイベント? そんな名前もいらない。セミファイナル、もしくは第1試合、第2試合と、ちゃんとその場所で試合をさせてくれと。ダブルメインイベントなんてお飾りはいらないから。

 でもですよ、思い出して下さい。1年前の僕のコメント。覚えてますか? この新日本プロレスは、棚橋が言った事がすべて。棚橋のいいなりである。ということはね、今、棚橋がファン投票をやりたいと言えば、きっとこの会社は動きますよ。『IC戦をメインでやらせてくれ』と棚橋が言ったら、この会社はすぐに変わりますから。

 あの時の発言が正しかったのかどうか。今はっきり分かります。(棚橋に向かって)7年連続メインイベント、出たいんだろ? じゃあお前の口から『ファン投票やろう』と言ってみろよ。まあ俺が言いたいのは、これだけです。

 メインイベントに立ちたくて俺の前に立ったんだろ? 俺はしっかり聞いたぜ。(10.8の)魚沼大会のお客さんの前で『メインに立つ』と言っていたのを、俺はしっかり聞いたぜ。魚沼のお客さんを裏切るんですか? さあどうなんですか?」

棚橋「うーん……、あの……、言っていることがすべて正しい場合、返す言葉がないと思うよりも先に、(内藤の発言が)『ベビーフェイスだな』という気持ちになりました。うーん……、そのファン投票というアイデアでエゴを振りかざしてもいいんですけど、それはまだ保留にしておきましょう。
 6年続けてきたドームのメインイベント、出たいです。が、こういう考えもあります。来年はセミファイナルで我慢して、再来年からまた頑張る。あまり響いてない……。とりあえず保留にさせて下さい」

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