【スターダム】宝城カイリ、目指すは紅白二冠王者!? 白いベルトを「自分の色に染めたい」

スポーツナビ

30日の後楽園大会で白いベルト3度目の防衛戦に臨む宝城カイリ 【スポーツナビ】

 女子プロレス団体スターダムの「OCTOBRE SHOWDOWN 2016」が30日、東京・後楽園ホールで開催。同大会ではメインイベントのワールド・オブ・スターダム選手権試合ほか、3大タイトルマッチなどが行われる。

 赤いベルトの王者・紫雷イオと、今年の5スターGP覇者・美闘陽子による頂上決戦の前となるセミファイナルでは、ワンダー・オブ・スターダム選手権として王者・宝城カイリが、挑戦者チェルシー・グリーンを相手に3度目の防衛戦を行う。宝城としては、悲願だった白いベルト戴冠から、3試合連続での外国勢とのタイトル戦。初代ワンダー・オブ・スターダム王者の愛川ゆず季が重ねた8度の防衛に追いつくべく(ワンダー王者の最多防衛回数はサンタナ・ギャレットの9回)、そしてスターダムの“大黒柱”として存在感を示すためには、絶対に負けられない一戦だ。

 今回はタイトルマッチを控える宝城にインタビュー。スポーツナビとしてはデビュー直前の11年12月以来の単独取材。この5年で大きく成長した宝城に、試合に向けての意気込み、そしてこれからの野望などを聞いた。

3度目の防衛戦は油断せず試合内容にもこだわる

悲願のワンダー王座戴冠から3連続での外国勢とのタイトルマッチとなる 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――30日の後楽園大会が近づいてきました。ワンダー・オブ・スターダムは3連続で外国勢との争い。対戦相手のチェルシー・グリーン選手とは23日の新木場大会でタッグマッチとして激突しましたが、いかがでしたか?

 チェルシー・グリーンという選手は、前も一度スターダムに来たことがあるのですが、その時の印象はあまりなくて(苦笑)。きれいで背が高くてスタイルが良かったなというイメージだけで、強かったという印象はなかったというか。でも、帰国している間にTNAと契約したみたいで、そこで試合を重ねることで、思ったよりも強くなっていた印象です。
 ただ試合に負けてしまったのですが、最後は美闘さんの蹴りを誤爆してしまい、そこをたたみ掛けられたので。ちょっとまだ、シングルだったらどうなるかは分からないです。

――ということは前哨戦で直接フォールを取られたからといって不安はないと?

 焦ってないし、怖くはないですね。
 昔は外国人選手と戦うことに苦手意識というか、何を考えているか分からないし、自分がどう戦っていいかも分からなくて嫌だったのですが、今は誰とでもそうですけど、外国人で初めて戦う選手とでも、どんな試合ができるか楽しみです。

――それこそワンダー最初の防衛戦がバイパー選手で、日本人選手ではありえない体格を持った選手でした。そういう選手に勝てたことも自信になっている?

 もう最強だったと思いますよ、バイパーは。体格も大きいし、プロレスもうまいし、強いし。

――それを考えると今回の相手は少し実力が落ちるかと……。

 でもそれを考えて油断してしまうのは危ないし、チェルシー側も私のことを「チビだから」と見下してきているので、油断はしないです。
 それとすんなり勝っても自分的に面白くないし、相手がどれだけできるか分からないですけど、内容も自分にとっては課題なので。セミファイナルですし、防衛戦ということで、(試合内容も)問われてくるので、そこは意識したいと思います。

ワンダー王者として年末に赤いベルトに挑戦!?

美闘の復帰戦の相手を務め、その本気度を確認。タッグリーグではともに優勝を目指す 【スポーツナビ】

――さて、現状シングルのベルトは“スリーダム”(宝城、イオ、岩谷麻優)がそれぞれ保持し、バランスを保っていた感じですが、今回の大会では美闘選手がイオ選手に挑戦します。宝城選手としては、このバランスが崩れそうな雰囲気をどう感じていますか?

 赤いベルトはスターダムの最高峰で、強い人が巻くというベルトなので、正直、複雑かな。イオさんは今年1年ずっと遠征もしていて、これまでデビューしてからずっと一緒にやってきた先輩で、本当に尊敬しているし、本当に世界一だと思うし。すべてにおいて強い選手だと思います。
 でも今、私は陽子さんと組んでいるし、陽子さんも今年の5スターGPに優勝して、乗りに乗っている時だと思うので、正直今はどっちが勝つか分からないですね。

 いやでも、本音は……、どうだろうな? 本音はイオさんに厳しさを見せて欲しいというのはありますけど……。

――それこそ風香GMが以前話していたのは、美闘選手が復帰したことでスターダム内のバランスが崩れたという話もありました。その時、宝城選手としてはどう受け止めたのでしょうか?

 自分が復帰戦の相手をしたというのもありますけど、今は全然、整理はできています。けれど、戦うまではやっぱり、「どうなんだろう?」というか。もちろんうれしい気持ちが一番なんですけど、でも復帰戦のポスターで真ん中にバーンと載ったり、その扱いの大きさを見て、(団体に)プッシュしてもらっているからには、それなりの見合った努力をしないと、私も周りもみんなが納得しないと思ったので。
 昨年、本当に激動の1年を乗り越えて(スターダムを)守ってきたと思っているので、その点はどうなのかなというのは思っていました。

――やはりやるからには、昔の美闘選手に戻っていて欲しかったと?

 本気度を確認したいと思っていました。1度抜けて、そこから戻ってくるというのは、どういう心境なのかなと。

――その中で復帰戦の相手を務め、今回のタッグリーグ戦では自らタッグパートナーに選びました。それはやはり、本気度が伝わってきたから?

 そうですね。復帰してからの陽子さんの方が本当に伸び伸び、活き活き、楽しそうにやっていますよね。多分、陽子さんって「一番になりたい」って思考を心の中に持っていて、前よりも勝ちにこだわっている感じがするんです。
 それと私ももう一度タッグのベルトを巻きたいという気持ちがあって、タッグの楽しさというか、もう一度タッグでも上にいきたいなと思って。

――宝城選手としては最初に獲ったベルトがゴッデス・オブ・スターダム(13年4月に翔月なつみとのタッグで戴冠)。その後は高橋奈七永選手との“七海里”でもベルトを巻いています。ですので、どちらかというとタッグ屋でもあった。

 タッグ屋ですよね。どっちかというと、シングルプレーヤーより。

――タッグの楽しみを以前から感じていた?

 そうですね。連携があるのがタッグの醍醐味だと思うんですけど、相手によってどんな連携ができるだろうかとか、1人ではできない新しいことを生み出せるのが楽しいし、やっぱりカットとか、セーブとか、ゲーム性がタッグマッチの方が高いので。昔から団体競技はバレーボールやったり、ヨットもチームプレーですし、チームプレーが好きなので。

――なるほど。ただ昨年はシングルプレーヤーとしても成長し、プロレス大賞の女子プロレス部門、週刊プロレスの女子部門でも2位になったというのもありました。その中でもやはりタッグというのは気になっていた?

 パートナーがいればタッグもやりたいなとは思っていました。

――宝城選手としては、やはりタッグリーグを制覇し、16年の残りもベルトを防衛し、プロレス大賞や週刊プロレスの賞の受賞を目指したいというところですかね?

 やっぱり年末ぐらいが一番大事ですよね。だから12月最後の後楽園ホール大会が22日にあるので、防衛戦か赤いベルトへの挑戦とか……。

――あれ、赤いベルトと白いベルトの二冠はスターダムとして認められている?

 ダメという規定はないですよね。一応、私は今年の5スターGPでイオさんに勝利していますし、陽子さんにも復帰戦で勝っていますし、挑戦する資格はあると思いますけど(笑)。

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