「中盤のモーター」と称される小林祐希 攻守に奮闘、代表復帰にも意欲をみせる

中田徹

代表ウイークはゆっくり休養

磐田在籍時から試合に出続けている小林。代表ウイークは休養に当てた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 今から2週間前、PSV戦を終えてヘーレンフェーンがインターナショナルマッチウイークによる2週間のブレークに入る時だった。「選手たちが代表チームに行ってしまうけれど、練習試合も組まれているので俺とスタインがチームを締めていく」と小林は力説していた。しかし、日本のスポーツ新聞は、小林が古巣ジュビロ磐田の試合に駆けつけたことを報じていた。

「このチーム、すげえ良いチームだなと思って……。俺もう今日の試合で、ジュビロのプレシーズンも入れて今年38試合目なんですよ。ヘーレンフェーンが『お前はもう俺たちの倍以上試合をやっていて、年内だけで50試合以上やる計算になっちゃう。1週間休みをやるから日本に行ってリフレッシュしてこい』と配慮してくれて、休む時間をくれたんです。すごい良いチームですよね。

 でも俺は練習試合に出たかった。俺は『チャンピオンズリーグに出て、試合数が増えたときにも対応できるようにトレーニングしてきているから、体は大丈夫だ』と言ったんですが、監督に『休むのも大事なトレーニングだ。それを忘れちゃいけない』と言われたので、ゆっくり休ませていただきました」

「代表に必要なのは異端児的なキャラクター」

 その間、日本代表はホームでイラク(2−1)、アウェーでオーストラリア(1−1)と戦った。

「(イラク戦は山口蛍の)劇的なゴール、(オーストラリア戦は)苦しい試合だったけれど勝ち点1を拾った。プレッシャーの掛かる状態だし、難しい試合で勝ち点を重ねていくのは難しいから、俺は感動したというか、戦っているなと思った」

 代表へのほとばしる思いが小林の口からついて出る。

「あまり言うと恥ずかしいんですが、昨日、(日本対イラク、オーストラリア対日本の映像を)2試合見ました。オーストラリア戦は2回見ました。純粋に面白かったですよ。1回目は普通に見て、2回目は選手の顔とか表情とか、どういう話をしているのかを見て、『こういう時に顔が下がっている選手がいるな』とか、『こういう時にでも強気な選手がいるな』というのを感じるために2回見ちゃった。代表にはめちゃくちゃ興味があるので、呼んでもらえれば頑張ります。今の代表に必要なのは異端児的なキャラクターだと思う」

2/2ページ

著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント