開き直りが勝負強さにつながる!? 立浪和義氏が語る短期決戦の重要点

週刊ベースボールONLINE

セ・リーグ3位で初のCS出場を決めたDeNA 【写真:BBM】

 10月8日からクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが始まります。9月28日に上位3チームすべての順位が確定し、まずパ・リーグが福岡ソフトバンクと千葉ロッテ、セ・リーグが巨人と横浜DeNAの対戦になりました。

“勝てばもうけもの”の2位、3位チーム

 プロ野球選手は当然リーグ優勝を目指して戦っていますが、このCS制度ができてからは、戦い方が少し難しくなりました。優勝チームはファイナルステージで1勝のアドバンテージが与えられるので、有利は有利なのですが、ペナントレースが終わってから時間が空くことに加え、ファーストステージを勝ち上がったチームの方が、どうしても勢いがあります。精神面でも、優勝チームは勝たなければリーグ制覇の価値が下がるという思いもあるでしょうが、2位、3位のチームは“勝てばもうけもの”くらいの気持ちで戦えます。

 ロッテが過去2度、2位以下から日本一に駆け上がった“下克上”がありました。今年もセ・リーグであれば広島が独走で優勝を決めましたが、DeNAが終盤にきて元気ですし、ひと波乱、ふた波乱あるかもしれません。

短期決戦はコンディションが重要

 私も現役時代、日本シリーズ、CSと何度も短期決戦を経験した中で、精神面に加え、コンディションが非常に大きいなといつも感じました。要はその時点で状態の良い選手がどれだけいるかの勝負でもあります。

 よく“逆シリーズ男”という言い方がありますよね。特に打者に多いのですが、シーズン中調子の良かった選手ほど相手チームにも徹底的に研究され、出だしでつまずくとそのまま終わってしまいます。結果を残せたことで無意識のうちに油断することもあると思うのですが、「俺は打てるはず。こんなはずはない」と思って焦り始め、自分で自分を追い込んでしまうのでしょうね。逆にシーズンの調子が悪い選手の方がなんとか取り返そうと、良い結果を出すのも珍しくありません。

 自分で自分を追い込まないために重要なのは、シリーズ本番までの準備期間の使い方だと思います。

 体のキレを作るために走り込みをするのか、シーズン中に感じた技術的課題を修正するのか、あるいは相手投手の研究をするのか。やるべきことはその選手で違ってくると思いますが、限られた時間をしっかり使うことで精神面の余裕も出てきます。そうなると、ここぞという場面で「やるべきことはやったのだから」と、良い意味での開き直りもできるのです。短期決戦ではこの開き直りこそ、勝負強さにつながるのです。

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