【パンクラス】地上波放送初戦は北岡が秒殺勝利を飾る 改名のロッキー川村が王座戴冠で叫ぶ

長谷川亮

地上波放送最初の試合で圧倒的な勝利を飾った北岡悟 【スポーツナビ】

 パンクラス「PANCRASE281」が2日、東京・ディファ有明で開催された。

 今大会からTOKYO MXでの地上波生放送(19:00〜20:30)がスタート。王者・村山暁洋と挑戦者・三浦広光によるウェルター級タイトルマッチ、ロッキー川村と新村優貴によるミドル級王座決定戦、そして北岡悟が元UFCファイターを迎え撃ったライト級ワンマッチの3試合が放送となった。

怒りの北岡が電光石火のクロスヒールホールド

わずか65秒でクロスヒールホールドにとらえての勝利 【スポーツナビ】

 記念すべき生放送第1試合では北岡がブラジルのレオナルド・マフラと対戦。UFCで3戦を経験しているマフラだが、前日の計量で250グラムの体重超過を起こして失格。北岡が勝利した場合のみ公式記録となり、それ以外はノーコンテストという変則形式での試合実施となる。

 計量失格となりながら写真撮影に臨もうとしたマフラに「帰れ! ボケ!」と北岡は前日から怒りを露わにしていたが、この日もそれはおさまらない。開始早々にスライディングしてマフラの足に絡みつくと、そこから倒してグラウンドへ持ち込み、力を込めてクロスヒールホールド。これでわずか65秒にしてタップを奪い、秒殺での勝利を上げた。

試合後のマイクではMXの放送も気にせず「フジテレビに出たい」とRIZIN出場をアピール 【スポーツナビ】

 興奮さめやらずマイクを持った北岡は「僕はMMAがキング・オブ・スポーツだと思っています。これが一番面白いと信じて18年間やってきましたし、これしかできないです」とその思いを語り、さらに「MXだけじゃなくフジテレビも出たいです。オファー待ってます」と、ちょうど1週間前に同じくゴールデンタイムで中継のあったRIZIN参戦をアピール。北岡らしいギラつきを見せての生放送登場となった。

『ロッキーIV』を模して「メリークリスマス!」

改名したロッキー川村がベルトを奪取 【スポーツナビ】

 続いては北岡が代表を務めるパンクラスイズム横浜のロッキー川村が登場。当時ミドル級王者であった川村は14年6月に安西信昌を迎え防衛戦を行うも、逆転KOで敗れ王座陥落。しかし昨年12月にブラジルの強豪ジバゴ・フランシスコ(当時ランキング1位)を破り、安西の返上で空位となっていたミドル級王座決定戦へと再び駒を進めた。対する新村はキックボクサーとして活躍した後MMAへ転向し、キック、MMAを通じこれまでならなかったベルト戴冠をこの一戦で狙う。

 デビュー10周年を機に、今夏ロッキーに改名を果たした川村は映画『ロッキー』のテーマはもちろん、劇中の衣装を思わせる星条旗を模したコスチュームで入場。新村と対峙する。

 上背で勝る新村はジャブと右ストレートを駆使して川村の接近をけん制。川村が近づけずにいると右ローでもダメージを与え、さらに攻撃を散らして左右のフック・ストレートでボディも攻める。

勝利後は「エイドリアーン!」と絶叫 【スポーツナビ】

 打撃の交錯ではやはり元キックボクサー新村が優位と映ったが、2ラウンド、川村は新村が右ストレートに来たところで左フックから右フックを立て続けに打ち込み、これで打ち倒して新村をノックアウト。「エイドリアーン!」とこれも映画よろしく叫ぶと、長身の新村を戦前ドラゴに見立てていたことから、『ロッキーIV』のラストに掛けて「メリークリスマス!」とメッセージを送り自らの王座奪還を祝した。

元ボクシング王者・三浦が圧勝で王者に

元ボクシング王者の三浦がウェルター級王座を戴冠 【スポーツナビ】

 大会メインイベントは4連勝と強さを見せるウェルター級王者・村山の初防衛戦。MMAからボクシングへ転向し日本スーパーミドル級1位に上り詰め、OPBF東洋太平洋スーパーミドル級王座にも挑戦した三浦の挑戦を受けた。

 柔道出身でもある三浦は離れてはボクシング、組まれても村山が得意とする柔道を利してのテイクダウンをまったく許さず、1ラウンドから5ラウンドまでを通して圧倒。最終ラウンド、村山も三浦の投げで倒れたところを下から蹴り上げフラつかせて意地を見せたが、試合はジャッジ3者が50−45をつけるフルマークの判定で三浦が勝利。昨年パンクラスでMMA復帰する際「日本なら負けることはないと思う」と語った三浦だが、その言葉通りの強さを見せ、これまで獲得ならなかったベルトを腰にした。

KO勝利のブルックスが神部を挑発

ジャレッド・ブルックスが潤鎮魂歌に圧勝。試合後は王者・神部を挑発した 【スポーツナビ】

 また第7試合、最軽量ストロー級(52.2キロ以下)の一戦では初参戦のジャレッド・ブルックスが潤鎮魂歌(じゅん・れくいえむ)に2ラウンドTKO勝利。2月に修斗の実力者・猿丸ジュンジにも圧勝しているブルックスはパンクラスの王者・砂辺光久、そしてライトフライ級第2代王者である神部健斗にも牙を剥いており、試合後マイクで挑発を受けた神部がケージに入ってブルックスの胸を突き飛ばし、今後の対戦が望まれる形となった。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント