【DDT】大巨人・石川が樋口を倒し初防衛に成功 LiLiCo争奪戦は全員結婚拒否で新展開へ

高木裕美

石川がKO−D無差別級王座を防衛 【前島康人】

 25日のDDTプロレスリング「Who’s Gonna Top?〜DDTドラマティック総選挙2016〜最後のお願いスペシャル」東京・後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、超満員となる1695人を動員した。

 この日は、今年の「DDTドラマティック総選挙2016」の投票最終日ということで、休憩時間中には選手たちが必死の選挙活動を展開。今年は40選手、9ユニットがエントリーされ、29日に東京・新宿バルト9で最終結果を発表。上位選手が10.23後楽園「DDT Special 2016」の本戦に出場できるほか、2位の選手が同大会で、1位の選手が12.4エディオンアリーナ大阪第一競技場大会でKO-D無差別級選手権試合の挑戦権を獲得。また、ユニット部門の1位には、興行プロモート権が与えられる。

初防衛に成功した石川に佐々木がサプライズ

この日41歳の誕生日を迎えた石川が防衛 【前島康人】

 メインイベントのKO-D無差別級選手権試合では、王者・石川修司がデビュー2年の樋口和貞を破り初防衛に成功。試合後はDAMNATIONのメンバーがイキなサプライズで王者を祝福した。

 8.28両国国技館大会で新王者となった石川は、9.3新宿FACE大会で次期挑戦者を決めるべく来場するも、自分では決められず。結局、24人参加のバトルロイヤルで優勝した樋口が挑戦権を獲得した。

 195センチ、130キロの大巨人・石川に対し、大相撲出身の樋口も185センチ、113キロとほぼ互角。ゴングと同時にタックルで激しくぶつかり合うと、樋口がプランチャ。石川も場外で鉄製フェンスめがけてホイップする。なおも石川は雪崩式かんぬきスープレックス、串刺しラリアット、DDTを繰り出すと、樋口もカナディアンバックブリーカーで対抗。石川はランニング式のヒザ蹴りから張り手を打ち合い、頭突き、スライディングエルボー、ヒザ蹴り2連発からのジャイアントスラムで3カウントを奪った。

 試合後、石川は「樋口、鼓膜が痛いよ。おまえがDDTの横綱になりたくてプロレスやってるなら、もっとメシ食って、もっと練習してオレの前に来い。何回でもやろうぜ」と呼びかけるも、ベビーフェース気取りのマイクアピールにDAMNATIONのボス・佐々木大輔がダメ出し。「オレたちは、群れない、媚びない……誕生日おめでとう」と、いつもの決めセリフになぞらえ、この日41歳の誕生日を迎えた石川にまさかのサプライズ。石川は、ビショビショの体のままメンバーたちとハグし、大喜びした。

 王座防衛と誕生日、2つの祝福を受けた石川は「次に誰が来ても負けない」と、総選挙で誰が選ばれようと、王座を死守すると宣言。だが、横にいる佐々木の鋭い視線に「勝てる気がしない……。カリスマが来たら王座を返上するかもしれない」と、同門対決を恐れ、途端に弱気になっていた。

スマイルヤンキーが防衛に成功

スマイルヤンキーがKO−Dタッグ選手権王座を防衛した 【前島康人】

 KO−Dタッグ選手権試合では、スマイルヤンキーことHARASHIMA&宮本裕向組が、DAMNATIONの佐々木大輔&遠藤哲哉組を退け初防衛に成功した。

 おそろいの特攻服姿で登場したスマイルヤンキーだが、序盤からHARASHIMAが足攻めにあう苦しい展開に。遠藤がインディアンデスロック、鎌固め。佐々木がローキック、エルボードロップ、足4の字固めで痛めつける。宮本もハンドスプリングエルボーを佐々木にクロスフェースで切り返され、なかなかペースをつかめず。だが、10分過ぎ、HARASHIMAが遠藤にライダーキック、雪崩式ブレーンバスター、ファルコンアローとたたみかけると、遠藤もノータッチトペで反撃。HARASHIMAは佐々木のミスティカ式クロスフェースで捕獲されるも、宮本がカットに入ると、コーナーから飛んできた遠藤をドロップキックで迎撃して分断。孤立した佐々木に宮本がファイヤーサンダー、HARASHIMAが蒼魔刀とたたみかけてフィニッシュを決めた。

 苦しい試合展開にも「必勝パターンに持ち込めばOK」と笑顔を見せたHARASHIMAは、「痛めた足も、鍛えてるから大丈夫! 次、誰が来てもOK」と、まだまだ防衛記録を伸ばすとアピールした。

全員が結婚拒否 春日部で新恋人紹介へ

結婚の権利を得た宮武は結婚を拒否。結局全員が拒否する結果となった 【前島康人】

「ゲット・ザ・知名度! 新郎決定スペシャル5WAYマッチ」では、新婦LiLiCo(知名度)をめぐり、渡瀬瑞基vs.大石真翔vs.スーパー・ササダンゴ・マシンvs.ベルナール・アッカvs.男色ディーノ(宮武俊の代理)の5選手が激突。ウェディングドレス姿で登場し、愛する渡瀬との結婚を心待ちにしていたLiLiCoに、残酷な結末が訪れた。

 LiLiCoと渡瀬はプロレスでのタッグ結成をきっかけに、事実上の恋人関係にあったが、8.28両国国技館大会で渡瀬がディーノに敗北。試合ルールにより、2人は絶縁せざるを得ない状況となった。だが、渡瀬はその禁を破り、その場でLiLiCoに公開プロポーズ。プロレスを超えた純愛誕生かと思われた。しかし、すぐさま元パートナーであった宮武、LiLiCoのボディーガードを務めていたアッカ、LiLiCoに「王様のブランチ」で新作映画の紹介をしてほしいササダンゴ、アイドルグループNωAの人気アップを狙う大石が、次々とLiLiCoの「知名度」欲しさに求婚。5人の男たちが、LiLiCoというか、その知名度を得るべく、今大会で結婚を賭けて戦うことになった。

 今回のルールは、天井に吊るされた婚姻届を手に入れた者がLiLiCoと結婚できる「ブライダル・ラダーマッチ」。暗黒フェースを純白のウェディングドレスで包み、リングを見守るLiLiCoの前で、5人の男たちが入れ替わり立ち替わり、ラダーを上ろうと悪戦苦闘。だが、最初にラダーに登頂したアッカは、手にはめたグローブがジャマで婚姻届をつかめず。婚姻届よりも男が欲しいディーノが次々と選手たちの尻を出し始めるが、LiLiCoを愛する渡瀬は、半ケツを出したまま奮闘。ラダーに上り始めたアッカをドロップキックで撃墜し、ディーノのリップロックを一度は振り切るも、ディーノが追いすがって再びリップロック。力尽きた渡瀬の唇をむさぼり続けながら、ディーノが婚姻届をつかみ取ると、渡瀬との結婚を夢見ていたLiLiCoが悲鳴を上げた。

 LiLiCoを愛する渡瀬は「プロレスなんかで結婚を決めていいと思ってるのか。ふざけんな。こんなの無しだ」と訴えるも、大石のミラクルエクスタシー、ササダンゴの垂直落下式リーマンショック、アッカのパンチ、ディーノの男色ドライバーのエジキとなり、あえなく退場。邪魔者がいなくなったところで、ディーノが「アンタもプロレスの世界に片足突っ込んだなら、プロレスのルールに従ってもらうわよ」とLiLiCoに迫るも、結婚の権利を得た宮武が「結婚は知名度とかじゃなく、愛がないとできない。オレはLiLiCoさんを愛してないんだ!」と衝撃告白をして脱走。ほかの出場メンバーも「知名度は欲しいが、LiLiCoは欲しくない」とおじけづき、婚姻届の押し付け合いに発展。困り果てた鶴見亜門GMが、「10月8日、王様のブランチが終わったら春日部に来てください。春日部でLiLiCoさんの新しい彼氏を見つけましょう」と、10.8春日部大会で、LiLiCoの新恋人を決めると勝手に決定。振り回されっぱなしのLiLiCoは「何なのこれ。訳分からない」と、怒りを通り越してあきれ果てていた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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