【WRESTLE-1】 稲葉がKAIを返り討ちにし初防衛 カズ&鼓太郎がタッグ王座を初戴冠

高木裕美

稲葉がKAIから3カウントを奪う

【横田修平】

 18日のWRESTLE-1「WRESTLE-1 TOUR 2016 3rd ANNIVERSARY」東京・後楽園ホール大会では、旗揚げ3周年記念大会にふさわしく、3大タイトルマッチが開催され、811人を動員した。

 メインイベントWRESTLE-1チャンピオンシップでは、新王者となった稲葉大樹が前王者のKAIを返り討ちにし、初防衛に成功。試合後は若手vs.ベテラン軍による世代闘争が勃発した。

 両者は8.11横浜文化体育館大会で対戦し、稲葉が王座を奪取。リベンジを狙うKAIは、序盤から場外戦へ連れ出し、鉄製看板に顔面からぶつけたり、場外マット上でのDDT、トペスイシーダなどの荒っぽい攻撃を繰り出す。さらに15分過ぎには頭突きで額から流血しながらも、ラリアット、垂直落下式ブレーンバスター、雪崩式のLAT、ファイヤーサンダー、スプラッシュプランチャと一気呵成に攻め立てるが、稲葉はヒザ剣山でブロックすると、横浜でギブアップを奪った卍固めへ。さらにスペル・ラナ、ジャーマンスープレックス、タイガースープレックスとたたみかけ、3カウントを奪った。

 初防衛に涙を見せた稲葉は、「卍でギブアップ取って、フォールで3カウント取って、もうまぐれじゃないと証明できたので、これからは僕が引っ張っていく」と、エース宣言。若手勢をリングに上げ、決起を呼びかけるも、これに噛み付いたのがベテラン勢。リング上で舌戦を繰り広げた結果、次回10.9後楽園大会で、葛西純、火野裕士、河野真幸、NOSAWA論外、近藤修司組vs.稲葉、熊ゴロー、土肥幸司、黒潮”イケメン”二郎、藤村康平組による5対5イリミネーションマッチが行われることが決定した。

 すでにこの日は若手vs.ベテランによるシングルマッチ3試合が組まれており、火野は逆水平チョップで熊ゴローを圧倒した上でファッ○ンボムで完勝。黒潮は河野のチョークスラムをウラカンラナで切り返してのイケメン固めで大逆転勝利。葛西vs.熊ゴローは場外戦で両者リングアウトと、1勝1敗1分となっている。

 旗揚げメンバーの相次ぐ離脱と、プロレス総合学院で育った新人たちのデビューで新陳代謝を続けるWRESTLE-1。旗揚げ4年目の景色は、どのように変わっていくのか。

カズ&鼓太郎、急造タッグに自信

【横田修平】

 セミファイナルで行われた第7代WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ王者決定戦では、カズ・ハヤシ&鈴木鼓太郎組が、近藤修司&broter“YASSHI”の近ブラを倒し、王座初戴冠を果たした。

 征矢学&葛西純組の王座返上に伴い開催された王座決定戦。過去に全日本プロレスのアジアタッグ王座を巻くなど、固い絆で結ばれた近ブラに対し、カズ&鼓太郎は即席の急造タッグ。だが、近ブラに匹敵する息の合った連係を見せる。初代タッグ王者コンビでもあるカズと近藤が、互いを知り尽くした攻防を展開する中、近ブラがカズに合体技のバビロンを敢行。しかし、YASSHIがカズを肩車すると、カズが体勢を入れ替えてブレーンバスター。鼓太郎も近藤の雪崩式パワーボムをフランケンシュタイナーで切り返す。YASSHIをとらえた鼓太郎がファンネル、ブルーディスティニーを放つと、カズがパワープラントでフィニッシュ。見事、新チャンピオンに輝いた。

 ベルトを肩にかけ、「オレら2人を超える自信のあるヤツらはいるか」と勝ち誇るカズに、鼓太郎も「急造タッグでも、そこらへんのチームより3倍は強い」と自信満々で長期防衛を訴えた。

来月復帰の征矢、大森指名で全日本に直訴へ

【横田修平】

 WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップでは、新王者の児玉裕輔が吉岡世起を退け初防衛に成功した。

 吉岡は首から背中にかけてテーピングでガチガチに固めながらも、得意のキックや鉄柱越えのトペコンヒーロ、ファルコンアローなどで意気込みを見せ付けるも、児玉は顔面蹴り、飛びつき式DDTから張り手を連打し、変形サイドバスターからのサーヴィカルブレイクでフィニッシュを決めた。
「同世代の戦い。これで終わりじゃない。何回もやっていきたい」と意気込んだ児玉は、「ベルトをすごいものにしたい。どんどんチャレンジしていきたい」と、これからも貪欲に防衛を積み重ねていくと語った。

 8月から負傷欠場中だった征矢学がリング上から復帰戦現。10.9後楽園で行われる復帰戦の相手として、かつての「GET WILD」の相方であった“ワイルドハート”大森隆男を指名した。

 征矢は7.1後楽園での「WRESTLE-1 GRAND PRIX 2016」決勝戦で2連覇を達成。8.11横浜のメインでKAIのWRESTLE-1チャンピオンシップ王座に挑戦予定だったが、直前の8.4王道プロレス・弘前大会の試合中に右肩を負傷。右肩鎖関節脱臼及び靭帯損傷で全治2カ月と診断された。

 この日、次回後楽園大会での復帰を宣言した征矢は、「どうしても復帰戦でやりたい相手が1人おります。もう一度ワイルドの気持ちを取り戻すために、ワイルドハート・大森隆男とシングルマッチをやりたいと思っております」と決意表明。この禁断のカードを実現させるべく、明日19日の全日本プロレス・後楽園大会に赴き、会場で大森に直訴すると予告した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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