広島・田中広輔が語るショート守備の極意 「打球への一歩目が最も大事」
「1番・ショート」として広島の快進撃を支える田中。今回はショート守備の極意について話を聞いた 【写真=BBM】
打球を待つのは一番動きやすい体勢
一番大切にしているところは打球に対する一歩目ですね。それはショートだけでなく、どのポジションでも同じだと思います。一歩目を早く、正確にするためには準備しかありません。打者の特徴や投手のボールへのタイミングなどを予測するようにしています。プロだとこれまでのデータから打球の傾向が出ていますし、ファーストスイングの仕方でもある程度は分かるところもあります。
僕はそれほど低く構えず、自然体で立つようにしています。どちらの足に体重をかけるか、などもあまり気にせず、その日の体の状態に合わせて一番動きやすい体勢を探るようにしています。前後の重心も、つま先のほうに置き過ぎると頭が前に出てしまうので、あくまでも自然体です。
捕球の際には右足から入り、送球に移りやすいように左足のつま先は上げています。投手が投球動作に入ったときには捕球の準備をしていますね。テニスの選手がサーブを待つような感じで、少し体を前後に揺らしながら打球を待ちます。静→動は難しい。動→動を心掛けています。
股関節を使って低い姿勢で捕球→送球
ノックの際には足を使って、股を割って低い姿勢で捕ることを常に意識しています。僕は正面の打球を少し多めに打ってもらい、足を使ってリズム良く投げる練習を行うようにしています。やっぱり正面の打球が一番難しい。どうしても足が止まってしまうので、足を動かして半歩でもいいので右に回り、次の動作に移りやすいようにしています。右足で捕まえる、ではないですが、股関節を使って低い姿勢で捕球→送球の動作を行います。
ゲッツーの際には二塁手が次の塁(ファースト)に投げやすい位置にスローイングするように心がけています。目標としては二塁手の胸から一塁寄りですね。ボールの見せ方も大事です。相手から見てボールがどこにあるのかが分かりやすいように、送球するようにしています。僕の場合だとキク(菊池涼介)はどこに投げてもパパッとプレーしてくれるので、すごくやりやすいですね。
ワンポイントアドバイス
【写真=BBM】
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グラブチェック
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理想はどんな動きをしていても安心感のあるグラブ。言葉にするのは難しいですが、はめたときにフィーリングでピタッとくるものがあるんですよね。大きさやウエブの形、革の厚さなどは具体的にリクエストできますが、「ああ違うな」とか「この感じだ」など、実際にはめてみないと分からない感覚が、一番大事なところでもありますね。
(取材・構成=吉見淳司)
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