イチロー無安打…残り2本変わらず… オーナー来場で明日の監督の決断は!?
対戦相手は子供のころからイチローファン
日本時間31日、6回の守備から試合に出場したイチロー。セカンドゴロ、レフトフライに倒れて、3000安打まで残り2本のままに終わった 【写真は共同】
「おばさんがシアトルに住んでいたから、僕はサンディエゴにいたんだけど、遊びにいくたびにマリナーズの試合を見に行ったんだ」
かつてマリナーズは、2000年に爆破・解体されたキングドームを本拠地としていたが、そのころから試合に通ったというから、かなり幼いころからのマリナーズファンだといえる。イチローがマリナーズに加入した01年は、「15年前だから、まだ12、3歳かな」とリーク。「すぐにファンになったよ」。
イチローは今、これだけ世代の違う投手らと対戦している。リークにしてみれば、子供のころのアイドルと対戦したわけだが、内角のカットボールを有効に使いながら、3打席を無安打に抑えた。
「彼との対戦はクールだし、積極的に攻めることができた」
ただ、結果と内容は必ずしも一致していない。
1打席目から順に、7球、8球、9球と、イチローにファウルで粘られ球数を投げさせられた。
「あれで疲れて、5回に捕まったのかもしれない」
24球中ファウルが半分の12球。紙一重というファウルもあり、結果はどちらに転んでもおかしくなかったのではないか。イチローも言っている。
「まあ、そういう勝負ですから」
8回のレフトフライでファンは家路へ
そうなるとファンは、イチローの記録を期待。いつもよりも早いタイミングで出てくることが予想されたが、6回表、ジャンカルロ・スタントンに代わってイチローがライトの守備位置につき、キャッチボールする姿がセンターのモニターに映し出されると、それだけでファンは、歓喜の声を上げた。
その裏、1死二、三塁の好機で、早速イチローに打席が回ってくる。マウンドには、過去、23回対戦し、22打数6安打(打率2割7分3厘)のジェローム・ウィリアムス。勝手知ったる相手ではあったが、1ボール1ストライクからの3球目を打つと、前進守備を敷いていたセカンド正面のゴロに倒れる。ため息の大きさは、イチローが登場したときの歓声に比例した。
2回目の打席は8回。展開を考えれば、これがこの日最後の打席。
1死走者なし。ゆっくりとイチローがバッターボックスに向かう。客席はほぼ総立ちだ。
ストライク、ボール、ストライク、ファウル、ボール、ボールでフルカウント。
7球目はファウル。
8球目――外角低めいっぱいのチェンジアップ。おそらくこの打席ではウィリアムスのベストピッチだったのではないか。その球を打ったイチローの打球が高く上がると、残念ながら、レフトのほぼ定位置だった。スタンドのファンはそこまで見届けると家路についた。
マッティングリー監督は賢いのか!?
スタメンを外れるとしたらスタントン。ドン・マッティングリー監督も休ませたいよう。しかし彼は今日、6回の守備から休んでおり、それがカウントされるかどうか。
ただ、試合前にあるアメリカ人記者が、クラブハウスで言っていた。
「明日は出るんじゃないか。さっき、ジェフリー・ロリア(マーリンズオーナー)が、そこを歩いていた。マッティングリー監督もそれを見ているはずだ」
監督にイチローを出すように伝える?
「賢い監督なら、言わなくたって、彼が顔を見せた意味が分かっているはずだ」
マッティングリー監督が、果たして賢いのかどうか。
明日、それが分かるかもしれないが、この日のスタントンの半休は大きな意味を持ちそうだ。
ところでリークの話の続き――。
彼はこの春、オープン戦でもイチローと対戦している。
「ぶつけちゃったけどね」
彼にとって、イチローが来る前のアイドルは、マリナーズ時代のケン・グリフィーJr.だったという。
「彼ともオープン戦で対戦する機会があったんだ」
どうだった?
「ぶつけちゃったけどね」
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