【新日本プロレス】絞め落とし激戦を制す 3連勝の永田はノア中嶋に初黒星喫する

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柴田が内藤を絞め落とし、注目の一戦に勝利した 【横田修平】

 新日本プロレスの真夏の祭典「G1 CLIMAX26」第8日が30日、愛知・愛知県体育館で開催された。

 この日はBブロック公式戦5試合が行われ、メインイベントではNEVER無差別級王者の柴田勝頼と、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也が激突。
 右肩と左ひざにテーピングを巻いて満身創痍の柴田に対し、内藤は執拗にその箇所を攻めていく。内藤のひざ固めには柴田が苦悶の表情となったが、なんとか耐えた柴田がスリーパーで捕らえると、一度外してPKを振りぬき、再び胴締めスリーパーに移行すると、内藤は意識が飛んでしまいレフェリーストップ。柴田が注目の一戦に勝利し2勝目を挙げた。

 ここまで3連勝で来ていた永田裕志は、プロレスリング・ノアの中嶋勝彦と対戦。年齢差20歳のストライカー同士の激突は、蹴りあいを制して、必殺のバーティカル・スパイクを決めた中嶋が永田から3カウントを奪い、連勝をストップさせた。

 大坂城ホールでIWGPインターコンチネンタル王座のベルトを懸けて争ったマイケル・エルガンとケニー・オメガの再戦は、ともに掟破りのエルガンボム(オメガ)、片翼の天使(エルガン)を繰り出す一進一退の攻防となったが、最後はエルガンがエルガンボムを決めて、オメガから勝利。今回はラダーなしの戦いとなったが、会場を熱狂させる激戦となった。

 そのほかG1初出場同士のYOSHI-HASHIとEVILの試合は、YOSHI-HASHIが新技「カルマ」を決めて2勝目。開幕2連勝で勢いに乗りたかった本間朋晃は、矢野通の頭脳プレーの前に屈し、2連敗となった。

 この結果、全勝、全敗の選手が誰一人いなくなり混戦模様に。トップは永田と中嶋の3勝。それを内藤、柴田、エルガン、オメガ、YOSHI-HASHI、本間が追う展開となっている。

内藤の執拗な攻めに耐え柴田が逆転勝利

左ひざが使えないなら右脚で。渾身のPKで内藤を蹴り倒した 【横田修平】

 この日は白いスーツで先に入場した内藤。ゆっくりと時間をかけてリングに上がった内藤に対し、柴田は一直線にリングへと向かう。柴田は右肩、左ひざにしっかりとテーピングを巻き、すでに満身創痍の状態。

 内藤は序盤からのらりくらりと動き柴田を挑発。柴田は内藤を場外に落とすと鉄柵に全力で3方向にぶつけるなど激しさを見せていく。しかし、内藤が形勢逆転して、場外鉄柵を使って柴田のひざを壊しにいくと、柴田は悶絶の表情を浮かべる。

 リングに戻ってからもひざ固めやわき固めで負傷箇所を執拗に攻めていくが、柴田は右脚でのフロントキック、滞空ドロップキック、スリーパーなどで返していく。内藤は裏ひざ十字固めで柴田を捕らえたが、これを返されると、スリーパーに捉えられる。柴田は内藤の意識が飛びかけたと見ると、座らせてPKを胸板に入れ、さらに胴締めスリーパーで落としにかかると、内藤の意識が飛んだとジャッジしレフェリーストップ。大きな勝ち星をつかんだ。

 試合後、柴田は「肩のケガ、ひざのケガ? 関係ねえよ。オレには、見ての通り、右腕と左足が残っている。以上!」と満身創痍ながら、使える箇所で戦い抜くことを誓った。

お互いの技を繰り出し合う展開に

エルガンが掟破りの片翼の天使。再戦でもオメガに勝利した 【横田修平】

 セミファイナルでは、6.19大坂城ホールでIWGPインターコンチネンタルのベルトを懸けて戦ったエルガンvs.オメガの再戦。オメガが先にリングへ上がると、エルガンの入場を待ち伏せる。エルガンがオメガを見て立ち止まると、後方から高橋裕二郎が襲撃。これをエルガンはすぐに蹴散らすが、オメガはノータッチトペで跳び、先制攻撃を仕掛けた。

 場外戦では、オメガがエルガンの傷めた左肩を攻撃し、苦痛の悲鳴を上げさせる。それでもリングに戻ると、エルガンのパワーが爆発し、オメガをコーナーにジャーマンで投げたり、パワーボムで叩きつけたりと、大坂城ホールと同様な激しい戦いとなる。試合時間が10分を越えてくると、フィニッシュ狙いの技をお互いに繰り出し、オメガは掟破りのエルガンボムを炸裂。さらにVトリガーを後頭部に入れて片翼の天使を狙いに行くが、これを回避したエルガンが、逆に片翼の天使でオメガをマットにたたきつける。このあとショートレンジのラリアットを決めると、最後は自身の必殺技・エルガンボムを決め、オメガの息の根を止めた。

 エルガンは2連敗からの2連勝。一方のオメガも2勝のままで、上位に立つ選手を追う。

中嶋が永田の連勝を3で止める

ノアの中嶋が永田の連勝を止めた 【横田修平】

 ここまで3連勝を飾っていた永田は、プロレスリング・ノアの中嶋と対決。中嶋はゴングを待つ前に永田を強襲。場外戦へと持ち込み、鉄柵攻撃から、エプロンを走ってのランニングキックを食らわす。これに対し永田も徐々に息を吹き返し、サッカーボールキック、ナガタロックII、胸板への強烈なミドルキックを入れる。

 お互い蹴りを得意としているだけに、中嶋のフロントキックが永田の顔面を捉えると、これに怒りを示し、蹴り返す。これには中嶋も不意をついたローキックから三角蹴り、バックドロップとつなぐ。さらにPKを狙いに行くが永田がよけて、エクスプロイダーの態勢に入るが、投げれないと見るや、白目式腕固めで白目降臨。さらにバックドロップも決めていく。

 永田がフィニッシュを狙いに行くが、中嶋はドラゴンスクリュー2連発で返し、3発目を狙ったところを永田が返して、エクスプロイダー。その後、蹴りあいから一瞬動きが止まった永田を中嶋が持ち上げると、バーティカル・スパイクを決めて、永田から3カウントを奪った。この結果、全勝の選手はゼロとなった。

YOSHI-HASHIはスワントーンボムからカルマへとつなぎEVILから勝利した 【横田修平】

 この日の公式戦最初の試合となった本間朋晃と矢野通の試合は、開幕2連勝で世間を驚かせた本間が、こけし殺法を繰り出し、小こけし、こけしロケットを決めていくが、フィニッシュ狙いのこけしはお約束のように失敗。逆に矢野が急所蹴りから逆さ押さえ込みで丸め込み、初勝利を飾った。

矢野の急所攻撃が炸裂。本間の勢いは途切れたのか!? 【横田修平】

 またG1初出場同士のYOSHI-HASHIとEVILの試合は、一進一退の攻防となるが、最後はEVILの必殺技「EVIL」を避けたYOSHI-HASHIが、スワントーンボムから、新技「カルマ」へつなぎフォール。3カウントを奪い、2勝目を挙げた。
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