イチメーターが寄付募って追跡するも… イチロー三振で3000安打に近づけず

丹羽政善

「イチメーター」でお馴染みのエイミー・フランツさんは寄付を募って駆けつける 【丹羽政善】

 5年ほど前だろうか、二軒隣に住む小学校高学年の女の子が、お母さんと一緒に尋ねて来た。

 お母さんが言う。

「この子がこの夏、イギリスへ行くことになったの。現地の子供たちと意見交換するメンバーに選ばれて」

 目的に関しては微妙に違うかもしれないが、確かそんな理由だった。

 お母さんは続けていった。

「帰って来たら、イギリスで体験したことを発表する会をするので、寄付をお願いできますか?」

 その時、知らない子でもないので、多いのか少ないのかも分からないまま20ドル(約2100円)を寄付した。

 こういう形の寄付というのは、アメリカでは昔からあるという。

エイミーさん「何度も迷った」

 今回、「イチメーター」でお馴染みのエイミー・フランツさんが、イチローの記録を追いかけているのも、そうした慣習を利用して実現したものである。

 オールスターゲーム明けのカージナルス戦から球場に姿を見せたが、「3000安打を見届けるには、ちょっと早かったけどまさか見逃すわけにはいかないから」と笑顔で話した。

 ただ、打つまで追いかけるという決断は、容易ではなかったそう。

「どうしよう、行こうか、やっぱりやめようか……。何度も迷った」

 金銭的な理由が大きかった。

「(ペットショップの)仕事がなくなってしまったし、すべてを夫に頼らなければならなかったから」

 そもそも、いくらかかるのか、見当もつかない。

「残り5本で行ったとしても、イチローの場合、毎日スタメン出場するわけではないから。3試合ぐらいで打つかもしれないし、10試合ぐらいかかるかもしれないし……」

 そんな時、友人が「試してみたら」と紹介してくれたのが「GoFoundMe」だった。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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