外野の状況を見れば当然なのだが… イチロー、スタメン外はチームの思惑??

丹羽政善

代打の準備をするイチローだが、この日は出番がなかった 【Getty Images】

 約2週間ぶりのマイアミ。前回とは暑さの質が違う。いっそうきつい日差し。肌にまとわりつくような湿気。アトランタ、ニューヨークで、暑さに体を慣らしてきたとはいえ、この熱波とは比較にならない。

 その2都市を含む4都市、9試合の長い遠征から戻ったマーリンズ。この日(現地時間8日)のレッズ戦から、ジャンカルロ・スタントンが4番に戻った。クリスチャン・イエリッチ、マルセル・オズーナがともにスタメンに名を連ねたケースで4番を打つのは、6月7日以来のこと。その間はオズーナに譲ってきた。

 スタントンはメッツ戦で4打数連続本塁打を記録。なんとか復調がなったという判断か。この日も3打席目に痛烈な当たりをレフトポール際に放ち、二塁打にしている。

 スタントンの不振は、休養に繋がり、結果的にイチローが代わってスタメン出場する一つのパターンになっていたが、スタントンの復調でその可能性はしばらく想定できない。次の9日、10日の試合は左投手が先発するので、このまま前半はイチローがスタメンに名を連ねることはないかもしれない。ただ、これが本来のチームの形といえば、チームの形だ。今までがむしろ特殊だった。

代打でも出番はなく

 さてこの日のイチロー。7回表1死でアデイニー・ヘチャバリアが打席に入ると、ネクストバッターズサークルに向かった。先発ホセ・フェルナンデスの打順で代打か、というところだったが、ヘチャバリアがセンターフライに倒れるとイチローはベンチに戻り、代わってトマス・テリスが打席に向かっている。ランナーが出ればイチロー、ということだったようだ。

 結局その後、投手に打席が回ることはなく、イチローにも出場機会がなかった。

 これで仮に9日、10日とスタメン出場しても前半での大リーグ3000安打達成は極めて可能性が低くなった。

 オールスター明けの遠征7連戦でもスタメン出場が限られるなら、達成は7月22日からのホーム10連戦で、という流れが現実的だが、となるとこれは、ひょっとしてコントロールされているのか?

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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