川村亮のデビュー10周年は大流血&壮絶敗戦 師匠みのるがお祝いムードぶち壊す“愛の制裁”

長谷川亮

デビュー10周年試合は師匠・鈴木みのるとシングルマッチ

記念すべき川村のデビュー10周年記念興行は壮絶な流血戦に… 【長谷川亮】

 パンクラスでライトヘビー級とミドル級を制した川村亮のデビュー10周年記念興行「川村SOUL」が3日、愛知・天白スポーツセンターで開催された。

 メインイベントは大会の主役・川村亮と、11年前、デビュー前のエキシビションで相手を務めた鈴木みのるのシングルマッチ。大会は先輩でタッグパートナーでもある佐藤光留、長年のライバルKEI山宮と、川村ゆかりのレスラーが多く集まり、勝っても負けてもお祝いムードの大団円で締めくくられると思われたが、そうは鈴木が卸さなかった。

フルスイングでのイス攻撃で大流血

みのるの容赦ないイス攻撃で大流血 【長谷川亮】

 試合前には川村のテーマ曲である『闘魂』を歌うケツメイシの大蔵がリングに上がり、生歌で川村の10周年を祝いつつリングへと呼び込む。
 続いてみのるがいつものように『風になれ』で入場。贈呈された花束の受け取りを拒否し、プレゼンターに「帰れ」と促すなどのっけからみのるワールド全開のみのるは、序盤こそ蹴りとグラウンドレスリングで静かに展開したものの、タランチュラ式腕十字で川村を場外へ連れ出すと本領発揮。お祝いムードをぶち壊すように、まずは川村にフルスイングでのイス攻撃を背中へ5連発。さらに頭部へも2連打すると、これでパイプイス2脚が大破。川村は大流血へと追い込まれる。なおもみのるは止まらず、ゴング用の金づち・ボールペンでも川村を襲い、傷口を開かせる。

【長谷川亮】

 フラフラとした足取り・意識も朦朧(もうろう)とした様子ながら、まだ目に力をたたえた川村はかろうじてリングへ戻るも、ここでもみのるの激しい張り手と蹴りにさらされる。場内に鈍い音が響く頭突きでさらに傷口を広げられ、一方的になぶられる展開で万事休すの川村だったが、頭突きを受けた直後に跳びヒザで反撃。そして心酔するロッキーを思わせるフォームで渾身のボディブローを連発すると、みのるをダウンさせる。

ゴッチ式パイルドライバーでトドメ

【長谷川亮】

  しかし余力を感じさせ立ち上がったみのるは張り手で倍返しすると、まずはスリーパーで川村の意識を遠ざけ、続いてゴッチ式パイルドライバー。これで3カウントを奪うと、川村を踏みつけ自らを誇示して去っていった。

 佐藤光留と菊タローに両脇を支えられ何とか立ち上がった川村だが、目はうつろ。足ももつれる状態ながら、差し出されたマイクは拒否をし、地声で「今日はどうもありがとうございました」と観客に感謝を述べ、四方に礼をし抱えられながらの退場となった。

試合後は足ももつれる状態ながら、観客に感謝を述べ抱えられながら退場 【長谷川亮】

血まみれ敗戦の中でも闘魂は失わず

川村のテーマ曲を歌うケツメイシの大蔵さんが生歌で10周年を祝福 【長谷川亮】

 試合後、ダメージを残しながら会見に応じた川村は「(今の心境は)痛い、怖い、強い。プロレスのスゴさを改めて感じました。パンクラスに入門して改めてよかったし、自分は周りに恵まれていると思います。鈴木さんに育てられたこと、佐藤さんと長くいられて育てられたことは僕の誇りです。これからは何も言えないけど、一生懸命やっていきます」とコメント。記念大会の感慨が完全に吹き飛ぶ壮絶な敗戦となってしまった川村だが、血まみれの中でもその心は闘魂を失っていなかった。

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■川村亮デビュー10周年記念興行「川村SOUL」
7月2日(土) 愛知・天白スポーツセンター

<川村亮デビュー10周年記念試合シングルマッチ 60分1本勝負>
○鈴木みのる
(16分04秒 体固め)※ゴッチ式パイルドライバー
●川村亮

<タッグマッチ 45分1本勝負>
○田中稔、冨宅飛駈、岩本煌史
(20分48秒 片エビ固め)※トルネードカッキーカッター
佐藤光留、NOSAWA論外、●伊藤崇文

<エキシビションマッチ 10分>
−青木篤志、和田拓也
(勝敗なし)
−鈴木陽一、杉江“アマゾン”大輔

<バトルロイヤル 時間無制限一本勝負>
○田村和宏
(11分33秒 ストレートラングルホールド)
●菊タロー
※田村が優勝
※出場選手:菊タロー、○田村和宏、野村直矢、ディアブロ、米山香織、服部健太、三尾祥久、阿部史典

<ハードヒットルール 10分1本勝負>
○KEI山宮
(3分51秒 レフェリーストップ)※フロントチョーク
●太田駿平

<タッグマッチ20分1本勝負>
○中島洋平、青柳優馬
(11分58秒 片エビ固め)
奥田啓介、●石田慎也
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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