【DDT】石川が遠藤を下しKODトーナメント優勝 KO-D王者・竹下が宮本と前哨戦

高木裕美

石川がことしのKING OF DDTを制し、両国のメインを勝ち取った 【前島康人】

 26日のDDTプロレスリング「KING OF DDT 2016 TOKYO」東京・後楽園ホール大会では、超満員となる1691人を動員した。

 16選手によって争われたKODトーナメント決勝戦では、石川修司と遠藤哲哉が激突。20分を超える激闘の末、石川が優勝し、8.28東京・両国国技館大会のメインイベントでKO-D無差別級王座に挑戦できる権利を得た。

石川がジャイアントスラムで勝利

粘る遠藤を振り切った 【前島康人】

 石川は準決勝戦で入江茂弘と対戦。パワーファイター同士による肉弾戦の末、入江のタズミッション、ビーストボンバーを耐えた石川が、ランニング・ニーリフトで決勝に勝ち進んだ。

 一方、遠藤は準決勝でDDTの看板エースであるHARASHIMAと対戦。非情な攻めを見せるHARASHIMAに対し、遠藤は気合でピンチを切り抜けると、フランケンシュタイナーからの丸め込みの応酬を制し、辛くも3カウントをもぎ取った。

 互いにこの日2試合目となる決勝戦では、序盤こそ静かな立ち上がりとなるも、石川がパワーを生かした客席へのジャイアントスイング、豪快なニーリフトを炸裂。しかし、遠藤も断崖式のチョークスラムを1回転して切り返すひらめきを見せると、スリーパースープレックスも着地。機動力で対抗してみせる。

 15分過ぎ、遠藤が雪崩式フランケンシュタイナー、スライディング式ラリアット、トーチャーラックボムからスカイツイスタープレスを繰り出すも、決定打とはならず。石川も決め技のスプラッシュマウンテンをカウント2で返されるが、場内の大「遠藤」コールを静まらせる破壊力のジャイアントスラムで振り切った。

遠藤、ライバルの背中は遠く準優勝に涙

今回大躍進を見せた遠藤だったが、後一歩及ばず。試合後は涙を見せた 【前島康人】

 王者時代の11年以来、5年ぶりに両国メインの切符を手に入れた石川は、“飼い主”佐々木大輔に抱きついて歓喜にむせぶと、「遠藤、入江、すげえ強かった。若いヤツとやりたいと言ってたけど、いろんな選手と戦えてすごい良かった」と、満足げな表情。「試合前のコメントでも言った通り、このトーナメントの目標は、最低でも優勝。クリアできて良かった。でも、予想以上にキツかった」と、振り返ると、賞金100万円の使い道については「100万円相当の石川マスクを作って、それを元手にわらしべ長者を目指したい」と熱く語るも、佐々木に聞き流されたため、しょんぼりしながらも、「自分の強さを両国の舞台で証明するだけ」と持ち直した。

 一方、敗れた遠藤は、涙を流しながらも、振り絞るように「両国で竹下と2人でメインに立つ夢は叶わなかった。でも、オレはあきらめてないから。絶対、竹下を超えてみせます!」と宣言。先を行くライバルの背中がまた遠くなったことに悔しさをむき出しにした。

竹下、宮本戦で王座死守へ「ベルトの価値高める」

宮本と竹下は前哨戦で激しい戦いを見せた 【前島康人】

 現KO-D無差別級王者の竹下幸之介は、アントーニオ本多と組んで、宮本裕向&ヤス・ウラノ組と対戦。7.3博多大会での王座挑戦を表明している宮本と前哨戦で激しくやり合った。

 わずか21歳の王者に噛み付いてきたのは、大日本プロレスのデスマッチヘビー級やDDTのKO-Dタッグ王座など、数々の団体で様々なタイトルを獲得してきた宮本。「いつでもどこでも挑戦権」を持つ宮本は、竹下への王座挑戦を表明すると、6.19松山大会でタッグ対決。卍コブラで王者から屈辱のギブアップを奪っている。

 この日も宮本は得意のラフファイトでイス攻撃を放つと、ウラノと共に徹底した左腕攻めへ、竹下は右腕1本でボディースラム、エルボー、チョップを繰り出していく。10分過ぎには宮本が竹下をコブラツイストで捕獲。ウラノも本多を羽根折り固めでとらえ、救出に入れない状況にして、宮本が卍コブラを狙うが、竹下は自力で脱出。合体ブレーンバスターも本多がつかまえて阻止する。竹下は宮本のハンドスプリングエルボーをキャッチしてジャーマンで投げると、すかさずウラノにもジャーマンを決めて3カウントを奪取。王者の意地を見せつけた。

 両国まで王座死守を誓う竹下は、宮本に向かって「博多まであと1週間。絶対アンタからベルトを防衛して、このベルトの価値を高める」と宣言。宮本以外にも、大鷲透、岩崎孝樹もまだ「いつでもどこでも挑戦権」を保持していることから、「両国までまだ長い。1つ1つ大事に戦っていきたい」と、必ずや両国のメインにたどり着くと誓った。

 一方、挑戦者の宮本は「竹下は成長株。素晴らしい。何よりDDTと言う団体、DDTにしかない雰囲気を楽しみたい」と、この団体特有の空気感の中で、未来のエースを倒し、両国のメインの座を奪い取ると予告した。

アイドルユニット「NωA」がデビュー曲披露

大石真翔&勝俣瞬馬&MAOによるDDT初の男性アイドルユニット「NωA」が、デビュー曲を披露 【前島康人】

 大石真翔&勝俣瞬馬&MAOによるDDT初の男性アイドルユニット「NωA」が、デビュー曲「ネバギバ I LOVE YOU」を披露。この日の第1試合では「T2ひー」の高木三四郎&大鷲透&平田一喜組と対戦するも敗れてしまい、白星デビューは果たせず。さらに、11月6日開催の音楽フェス「DDTフェス」への参加についても、高木大社長から「思った以上にいろんなアーティストが参加してくれそうなんで、君たちの立場は危ない」と、まさかのダメ出しをされてしまった。当初、フェス開催が決定したものの、参加アーティストがいないため、社長命令でユニット結成をしたにも関わらず、清水アキラさんらの参加が決定したとたんの手の平返しに大石らも呆然。それでも、アイドルらしく、ファンサービスは忘れなかった。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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