レースだけではないル・マンの楽しみ方 多種多様なアトラクションを実際に体験

田口浩次
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提供:トヨタ自動車

トヨタのテントはかなりの大型 【田口浩次】

 昨年、初めて「ル・マン24時間レース」を訪れ、何よりも心に残ったのは「観客がとにかく楽しそうで、レースというより雰囲気を含めた24時間全体を楽しんでいる!」というものだった。どんなスポーツ観戦にも、席の上下というか、やはり値段等に応じたランク付けがあるもので、ことモータースポーツにおいては、F1などではハッキリとした違いを実感していただけに、ル・マン24時間レースを運営するACO(フランス西部自動車クラブ)の運営方針には感動さえ覚えた。

 もちろん、チーム関係者やスポンサー関係者、さらにはメディアは、あらゆる分野において優遇されている。チームやスポンサーが建てた立派なホスピタリティに出入りできたり、パドックを自由に歩けたりすることは、レースファンにとっては垂涎の的だろう。だが、ル・マン24時間レースの場合は、ホスピタリティでまったりしている場合ではない。サーキットを訪れた老若男女の観客の誰もが楽しめるような施設やサービスが、まるで東京ディズニーランドのごとくそろっているのである。正直、レースを観ないで過ごしたとしても、満足できる空間がここにはある。

 せっかく現地まで来たのだから、観客の立場でどこまで遊べるものなのか、実際に体験してみた。

このようにル・マンの走行コースすべてとその周辺を含んだマップデータがダウンロードされる 【ル・マン公式アプリ「24 On Site English Version」】

 サーキットへのアクセスはトラムを利用して向かうのが便利なのだが、やはりせっかくのサルトサーキットまで来たら正面入口から入ってみたい、と言う人もいるはず。じつは、トラム終着駅のひとつ手前の『Guetteloup - Pôle Santé Sud駅』で降りると、サーキット正面入口まで約1.5キロで行くことができる。多くのファンが同じように歩いているので、道順を間違えることはないが、ル・マン24時間レースが提供している公式アプリ、『24 On Site English Version』をダウンロードすれば、サルテサーキット周辺までのマップが入っているので、迷うことなく正面入口にいけるし、拡大縮小も自在なので、広いサーキット内を探索するときの心強い相棒となる。
 しかも、このアプリ、個人情報と引き換えに抽選会に参加できる仕組みで、24個ある(ここも24時間レースにかけてある!)賞品は、最高プライズが2017年ル・マン24時間レースのピットウォークパス(550ユーロ相当=約5万5000円)だ。もちろん応募した。当たるとは思えなくとも、友人同士や家族で来ている人にとっては、きっと「来年はこのチケットを当ててレース観戦に来よう!」なんて、盛り上がれることは間違いない。

【動画】正面ゲートへの行き方

(撮影:田口浩次)
 メインゲート入口横の料金表を確認すると、水曜から日曜のレースまでの通し入場券が大人78ユーロ(約9200円)、水曜、木曜、日曜の一日券はそれぞれ32ユーロ(約3800円)、37ユーロ(約4400円)、そして48ユーロ(約5700円)とあった。ただし、土曜から決勝レースを観たい場合は78ユーロ支払わなければならない。そして、16歳以下の子供は無料。つまり、家族で観戦に来ても、大人の分の支払いだけですむ。スタンドなどでレースを観るためには、別途スタンド券等を購入する必要があるが(子供もスタンド席は有料)、単純にル・マン24時間レースを満喫するなら、この入場券だけで十分楽しめる。遊園地やテーマパークの入場券と比較すれば、子供料金が無料な分、お値打ちなほどだ。

入場券だけで十分楽しめる

ブースが集まる広場。この広いスペースが土日はいっぱいになる 【田口浩次】

 では、本当に入場券だけで無料で楽しめる施設が充実しているのか? 実際の観客と同じように行列に並んでそれぞれの施設を楽しんでみた。それぞれの簡単な説明は3ページ目以降のフォトギャラリーで行うとして、とくに楽しめたブースをピックアップしてみた。

 まずコース下のトンネルを抜けて最初に訪れたのが、ビレッジと呼ばれ、さまざまなブースが出展しているエリア。まず、最初に訪れたのはフォードのブース。1966年にル・マンで総合優勝しただけでなく、表彰台を独占したGT40のメモリアルイヤーから50年という節目に、再びGT40でGTEクラスに殴りこんできた。そうしたフォードのレースの歴史や、GT40の魅力などをプラネタリウムのような円形状劇場内で360度の映像で楽しむというもの。一度に100人単位で楽しめるし、コクピット内に360度カメラを設置して収録した映像が流れると、ドライバーの横で一緒に走っているように感じる。子供にも人気だったようで、リピーターが多かった。

フォードブースは、まるでプラネタリウムが用意されているのか? と思うようなドーム状の建物が目立っていて、あまり力が入っているとは感じられないが…… 【田口浩次】

 次に気になったのがフランス陸軍のブースだ。ここでは隊員募集の宣伝をしていて、本物の装甲兵員輸送車を展示。実際に車両内にも入ることができる。さらに、各種銃器も展示し、隊員が直接説明してくれる。日本のレースでも兵装車両の展示はあるが、隊員が使用する各種銃器を展示しているのを見たことはない。サバイバルゲーム好きなら、きっと大喜びのブースだ。

 さらに陸軍のブース近くにはフランス空軍のブースもある。ここではフランスが開発した世界初のジェット練習機フーガCM.170マジスティールのコクピット部分を展示。やはり飛行機は年齢を問わず男性に人気だ。一緒に、ジェットエンジンのカットモデルと、射出用コクピット座席も展示していた。

ゲームセンターのアーケードでも、これほど豪華なシミュレーターはなかなかない。もしゲームセンターにあれば、1ゲーム500円以上は確実だろう。さすがに目立つだけあって、常に人だかりだった 【田口浩次】

 大掛かりなシミュレーターを全面に出して大いに人を呼び込んでいたのはミシュランのブース。もはやテーマパークレベルの巨大なシミュレーターは人目を引くには十分過ぎるほどで、長時間待たされること間違いなしの長蛇の列であっても、好きな人はずっと並んでいた。同時に昨年のチャンピオンカーであるポルシェ919ハイブリッドを展示していた。

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