“レブロン対カリー”だけではない激突 激闘必至のNBAファイナル展望
両カンファレンス第1シードが激突
レブロン(写真)を軸にイーストを制したキャブズが、ウォリアーズの2連覇を阻止できるか 【Getty Images】
2年連続MVPのステファン・カリーを中心に、群雄割拠のウェスタン・カンファレンスを勝ち抜いてきたゴールデンステイト・ウォリアーズ。一方、個人としては6年連続ファイナル進出という怪物レブロン・ジェームスを軸に、イーストを制したクリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブズ)。
両雄は昨季のファイナルでも対戦し、ウォリアーズが4勝2敗で40年ぶりの王座に就いている。どちらも去年よりも戦力が充実しており、現地6月2日から開幕する最終決戦は激しいシリーズになるに違いない。
「“NBAの顔”がどちらかとか、レブロンの王位を奪うためとか、そんな理由でプレーしているわけではない。僕が目指しているのは優勝リングだけなんだ」
開幕直前の1日、カリーはそう語って“レブロン対カリー”という見方を否定していた。ただ、ポジションは違うとはいえ、評価を二分する現役最高プレーヤー同士の激突も注目ポイントの1つではある。普段はスポーツに興味のない層まで惹きつけ、とてつもないテレビ視聴率を記録することになりそうだ。
大方の予想はウォリアーズが一歩リードか
カリー(写真)のコンディションも徐々に回復しており、昨季王者の好材料は少なくない 【Getty Images】
1勝3敗からの逆転でシリーズ勝利を飾ったのは、今回のウォリアーズがリーグの歴史上10チーム目(233度中10度のみ)だった。シーズン中は約半年で9敗のみだったウォリアーズが、短期間で3敗を喫したことを不安材料と捉えるべきか。身体能力抜群のサンダーを徐々に見極め、最終的に勝ち抜いたことを王者の強さの証明と見るか。
米国のメディア関係者の大半は後者だと考えているようで、『ESPN.com』の全28記者のうち22人がウォリアーズの勝利を予想している。シーズン中のキャブズとの対戦では2戦2勝だったこと、ビッグマン同士のマッチアップでは相性が良いこと、プレーオフ第1ラウンドで故障を経験したカリーのコンディションが徐々に回復していることなど、実際に昨季王者の好材料は少なくない。
シーズン最多勝記録を更新した上で、ファイナル2連覇も果たせば、ウォリアーズは文字通りの“歴史的チーム”として記憶されるはず。金字塔を成し遂げるまで、あと4勝――。短期間で“全米のダーリン”となったカリーとその仲間たちの行方に、今シリーズ中は世界中の熱い視線が注がれることになる。