「変わらない和田、変わった松坂」 斉藤和巳氏が鷹の昭和55年組を語る
5年ぶりに日本復帰を果たした和田。ここまで6勝1敗とチームを支えている 【写真は共同】
和田とともに00年代のホークス投手陣を支え、西武のエースだった松坂とは何度も投げ合った斉藤和巳氏はこの同学年の2人をどのように見ているのか。
常に先を見据えていた和田
31歳からの5年間で、日本から米国、2012年の左肘のトミー・ジョン手術、その後もメジャーとマイナーの往復、米国から日本という環境の変化を経ている。なぜ、和田は変わらずに日本復帰後も好投を続けられるのか?
「和田は常に先のことを見据えてやっている選手です。何が投手にとって大事なのか、長く現役を続けるために何が必要なのかを、高い質で考えています。トミー・ジョン手術も受けていますが、彼はそういったことも自分のプラスにすることしか考えていません。その性格どおりに考えて、練習を積み重ねてきた結果が現在の好成績だと思います」
強靭な下半身が生む独特のフォーム
「彼のフォームは下半身主導になっています。練習中も暇さえあれば下半身の動きをシャドーピッチングで確認しています。これが打ちにくいフォームを生み、今も変わらない最大の要因でしょう。あとランニング量も多いですね。本人は『減った』と言っていますが、工藤(公康)監督に聞いたところ、『チームで一番走っている』と言っていました」
しっかりと練習を行いここまで順調に来ている和田だが、今後、不安なポイントはあるのか? これについて1点、斉藤氏は米国時代に1年間先発ローテーションで投げ切っていないことを懸念する。
「ここから先の乗り切り方は(頭では)わかっていると思いますが、ここ数年実現できていません。36歳という年齢を考えてもこれからの梅雨、夏場を迎えると今までとは違う課題が見えてきます。頭では対処方法をわかっていても、体がついていかないこともあるかもしれません」