連覇を狙う王者KUSHIDAが開幕黒星スタート 新日ジュニアの祭典「BOSJ」は波乱の開幕

高木裕美

2連覇を狙う現IWGP王者KUSHIDAはまさかの黒星スタート 【横田修平】

 新日本プロレスの「BEST OF THE SUPER Jr.XXIII」(BOSJ)開幕戦となる21日の東京・後楽園ホール大会では、Aブロック公式戦4試合などが行われ、超満員札止めとなる1736人を動員した。
 メインイベントでは、KUSHIDAvs.カイル・オライリーという、昨年の優勝決定戦のカードがいきなり実現。昨年のBOSJを制し、現在もIWGPジュニアヘビー級王者に君臨するKUSHIDAが、黒星スタートを喫する波乱の幕開けとなった。

昨年決勝のリマッチはオライリーがリベンジ

KUSHIDAからギブアップを奪い昨年決勝のリベンジを果たしたオライリー 【横田修平】

 実力者同士ならではの息詰まる攻防は、20分超えの熱戦に。オライリーはアンクルホールド、イスを使ったニークラッシャーなど、硬軟織り交ぜた攻撃を繰り出すと、KUSHIDAもドラゴンスープレックス、シェルショックなどで対抗。オライリーの雪崩式バックドロップはKUSHIDAが体を浴びせて切り返したものの、オライリーはひるむことなくヒザ蹴り、垂直落下式ブレーンバスターとたたみかけると、KUSHIDAの顔面を容赦なくストンピングで踏みつけ、腕ひしぎ十字固めでギブアップ勝ち。その実力を知らしめた観客に向かって「新日本プロレスが大好きです。BOSJガンバリマス!」と日本語でアピールして拍手喝采を浴びた。

“シリアス”田口が優勝候補サイダル撃破

どどんの怒涛の3連弾でサイダルから3カウントを奪取 【横田修平】

 セミファイナルでは、ベテランの田口隆祐が現IWGPジュニアタッグ王者のマット・サイダルに勝利。頭に巨大な風船を載せ、蝶ネクタイをつけて笛を吹くという、理解不能な姿で登場した田口だが、試合はいたってシリアス。
 試合中に右目尻が切れて流血するアクシデントに見舞われながらも、サイダルのローキックを尻で、さらにエアーサイダルを尻でブロックしてピンチをしのぐと、どどん、どどんスズスロウン、どどんの怒涛の3連弾で3カウントを奪取。地元・宮城での優勝に一歩前進した。

レインメーカー式パンチで逆転勝ち

“レインメーカー”式パンチで大逆転 【横田修平】

 外道vs.BUSHIによる、IWGPヘビー級王座戦の“代理戦争”は、外道がまさかの劇的勝利。だが、最後には思いもよらぬ結末が待っていた。
“レインメーカー”オカダ・カズチカが放送席から声援を送る前で、外道はWARスペシャル、クロスフェースオブJADOという、ゆかりの深いレスラーの必殺技を炸裂。苦しい展開が続く中、それでもエムエックス、コードブレーカーを阻止してみせると、急所攻撃から腕をつかんでのレインメーカーばりのナックルパート。ひるんだスキに外道クラッチで丸め込み、3カウントを奪ってみせた。

外道の逆転勝利にオカダが大喜び

外道の逆転勝利にオカダは大喜び 【横田修平】

 これにはオカダもスタンディングオベーションで祝福。会場も喜びに沸くが、BUSHIが悔し紛れの毒霧を噴射。あわれ、顔面を真っ黒に染められた外道は、勝者とは思えない姿でリング上をのたうちまわった。

代理出場フィンレーはロメロの前に撃沈

【横田修平】

 ヤングバックス欠場を受け、急きょ代理で参加が決定したデビッド・フィンレーは、ロッキー・ロメロと対戦。ゴングを待たずに奇襲を仕掛け、ロメロの痛めている左腕を看板や鉄柱に打ち付けるなど、勝利に向け並々ならぬ執念を見せつけるも、経験豊富なロメロがスライスブレッド、ランニングニーでフィニッシュを決めた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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