ストレイトガールもまた異能の女傑だ 引退撤回からの史上初7歳牝馬GI勝利

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史上2頭目のヴィクトリアマイル連覇

ストレイトガールがヴィクトリアマイルを連覇、7歳牝馬のJRA・GI勝利は史上初の快挙だ 【スポーツナビ】

 JRA春のマイル女王決定戦、第11回GIヴィクトリアマイルが15日に東京競馬場1600メートル芝で行われ、戸崎圭太騎乗の7番人気ストレイトガール(牝7=栗東・藤原英厩舎、父フジキセキ)が優勝。中団イン追走から馬群の中を鋭く突き抜け、史上2頭目の同レース連覇を達成するとともに、7歳牝馬初のJRA・GI勝利を飾った。良馬場の勝ちタイムは1分31秒5。

 ストレイトガールは今回の勝利でJRA通算31戦11勝(うち海外2戦0勝)、重賞は2014年GIIIシルクロードステークス、15年GIヴィクトリアマイル、同年G1スプリンターズステークスに続き4勝目(G1は3勝目)。騎乗した戸崎は昨年に続くヴィクトリアマイル2勝目、同馬を管理する藤原英昭調教師は08年エイジアンウインズ、15年ストレイトガールに続き同レース3勝目となった。

 一方、1番人気に支持された浜中俊騎乗のミッキークイーン(牝4=栗東・池江厩舎)は2馬身半差の2着、さらにハナ差の3着に池添謙一騎乗の2番人気ショウナンパンドラ(牝5=栗東・高野厩舎)が入った。

現役続行を決断した理由

昨年いっぱいでの現役引退を撤回、その決断が最高の形で実を結んだ 【スポーツナビ】

 驚くべき勝利、と言ったら昨年の短距離女王には失礼な話だが、それでも驚かずにはいられなかった。鮮やかで、強烈すぎる勝ちっぷり。昨年のJC馬と二冠牝馬がついていけないほどの、ホームストレッチでの加速力。単に距離適性の差というひと言では片付けられないパフォーマンスだ。それにしても、7歳牝馬のどこにまだこんな力が残されていたのか?

「ええ、それにしても……ですよね(笑)。本当にすごいと思います」

 藤原英調教師ですらここまでの快勝劇を予測できていなかったのだろう。「状態はいいと思っていたんですが、馬券買ってくださいよと自信を持っては言えなかった。やはり年齢が年齢ですし、牝馬では前例がないことですから」と、偽らぬ思いを口にしている。

 もともと、ストレイトガールは昨年暮れの香港スプリントを最後に引退する予定でいた。ところが「香港での競馬が不本意な負け方だったので、オーナーも思うところがあったんでしょう」(藤原英調教師)と、馬主サイドから現役続行の申し入れ。これが4歳、5歳ならいざ知らず、年が明ければ7歳、しかも牝馬である。「迷いましたね、7歳の牝馬で勝負するというのはそう甘くはないだろう、と」。トレーナーも即断はできなかった。

 そうは言っても、引退するなら春の繁殖シーズンに間に合わせなければいけないから、いつまでも迷ってばかりもいられない。そんな中、年が明けて指揮官にも現役続行を決断させた理由は、他ならぬストレイトガール自身の若々しい肉体だったという。

「体に張りもあったし、雰囲気も良かった。それに馬も人間と同じで年を取ってくるとそれが皮膚に表れるものですが、ストレイトガールの皮膚は張り裂けそうなくらいで、光沢も維持していた。これなら!と思ったわけです」

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