いよいよ近づく“9秒台”突入のとき 桐生と山縣、共通する進化のカギとは?

高野祐太
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桐生、山縣、ガトリンらが集結 勝ったのは……

ゴールデングランプリ陸上の男子100メートルには、国内外の豪華面々がそろい大きな注目を集めた 【写真は共同】

 男子100メートルの“10秒00の壁”が破られる日は近いのか――。

 2012年のロンドン五輪で山縣亮太(セイコーホールディングス、当時慶應義塾大2年)が五輪日本人最高の10秒07を記録し、翌13年春に桐生祥秀(東洋大3年、当時洛南高3年)が10秒01を出してからは、カウントダウンが始まったかのような空気の中で、待望論がくすぶり続けている。

 そしていま、「今年こそは」という状況にあることが、8日に行われたゴールデングランプリ陸上(川崎市等々力競技場)までのシーズン序盤戦で見えてきた。

 川崎には、昨年の世界選手権銀メダルのジャスティン・ガトリン(米国)、同大会の男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した中国のアンカーで10秒00の記録を持つ張培萌が参戦。国内に居ながらにして日本の男子100メートル陣の世界における趨勢(すうせい)を垣間見る絶好の機会となった。

 迎え撃つ日本勢は、桐生と山縣、加えて昨年の世界ユース選手権でウサイン・ボルト(ジャマイカ)の大会記録を上回って短距離2冠を手にしたサニブラウン・アブデル・ハキーム(城西高3年)まで顔をそろえた。

 結果は、あいにくの向かい風0・4メートルの条件の下、ガトリンが10秒02で貫録の優勝。5人が走った日本勢の争いは、ガトリンを追いかけた山縣が中盤に伸びて10秒21の2位でゴールに飛び込んだ。桐生は10秒27の4位、サニブラウンは10秒34の5位となり、山縣に軍配が上がった。
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著者プロフィール

1969年北海道生まれ。業界紙記者などを経てフリーライター。ノンジャンルのテーマに当たっている。スポーツでは陸上競技やテニスなど一般スポーツを中心に取材し、五輪は北京大会から。著書に、『カーリングガールズ―2010年バンクーバーへ、新生チーム青森の第一歩―』(エムジーコーポレーション)、『〈10秒00の壁〉を破れ!陸上男子100m 若きアスリートたちの挑戦(世の中への扉)』(講談社)。

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