【大日本プロレス】 伊東が初挑戦の高橋を粉砕しV5 岡林が石川から初勝利で王座死守

高木裕美

死のリングで伊東が防衛成功

デスマッチヘビー級選手権試合は、王者・伊東竜二が高橋匡哉を下し5度目の防衛に成功 【横田修平】

 5日の大日本プロレス「Endless Survivor」神奈川・横浜文化体育館大会では、2大タイトルマッチなどが行われた。

 メインイベントのBJW認定デスマッチヘビー級選手権試合では「蛍光灯4面+4コーナーボードデスマッチ」として、王者・伊東竜二が高橋匡哉を下し5度目の防衛に成功。2年連続開催となる7.24東京・両国国技館大会のメインイベントに立つべく、ファンに熱い思いを訴えた。

 これが王座初挑戦となる高橋を迎えたのは、ロープの四面に蛍光灯、四方のコーナーにはそれぞれ有刺鉄線ボード、蛍光灯ボード、ガラスボード、剣山ボードが待ち構える、まさに死のリング。伊東は景気づけとばかりにいきなり蛍光灯に高橋をぶつけ、おなじみのイス攻撃。さらに剣山を拳で頭に突き刺してみせる。

 高橋も伊東を蛍光灯ボードに叩きつけ、有刺鉄線ボードを使ったセントーンアタック2連発を決めるも、剣山ボードはうっかり自分向きに設置してしまい、セントーンで自爆。さらに自分がセッティングしたガラスボードにも雪崩式フランケンシュタイナーで叩きつけられてしまう。なおも剣山を自ら額に突き刺して気合を注入する高橋に対し、伊東はデスマッチドラゴンの真髄を爆発。高橋の腰に突き刺さっていた剣山を背中にこすりつけ、口の中に注射針を突き刺すと、巨大な蛍光灯束を載せた上へのドラゴンスプラッシュでフィニッシュを決めた。

両国メインはファン投票で決定に

7月の両国大会のメインをファン投票で決めたいと伝えた伊東 【横田修平】

 試合後、74歳でまだまだ現役のグレート小鹿にジェラシーを燃やし、「40歳なんて若手の若手。僕も74歳までデスマッチを続けていきたいので、あと34年ぐらいはお付き合いよろしくお願いします」とファンに宣言した伊東は、直前のセミファイナルで客席を熱狂させたストロングヘビー級王座にもライバル宣言。「どっちがメインにふさわしいか。それをお客さんが決めるのはどうかな。お互いのカードを出して、どちらをメインで見たいか問いたい」と、ファン投票でのメイン決定を提案。

 昨年は初進出の会場ということでストロングがメインを張ったが、「みんなに決めてもらいたい」と、ファンの後押しで両国のメインに立ってみたいと訴えた。気になるタイトルマッチの相手に関しては「あと2カ月あれば面白いんじゃないかという相手がいる。僕がけしかければ乗ってくると思う。あとは本人にどれぐらいの気持ちがあるのか」と、意中の相手がいることを匂わせた上で、2人で大舞台のトリを飾りたいという思いをアピールした。

岡林が石川越え成功 3度目の防衛に成功

ストロングヘビー級王者の岡林裕二は、石川修司から初勝利を挙げ3度目の防衛に成功 【横田修平】

 BJW認定世界ストロングヘビー級王者の岡林裕二は、今年の「一騎当千」優勝者の石川修司から初勝利を挙げ、3度目の防衛に成功した。

 昨年7月の両国大会で関本大介を倒して以来、他団体参戦でも不動のトップファイターとしての地位を確立した岡林だが、今回迎え撃つ石川には、09年の初対決以来、今年3月まで4戦全敗。苦手意識を払拭すべく、序盤からタックル、逆水平チョップで向かっていくと、試合中盤にはその巨体をアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げてみせる。しかし、石川も肩固め、コブラクラッチ、監獄固めでスタミナを奪うと、強烈な頭突きを連発。岡林は頭突きの直後に下から突き上げるラリアットで意表を突くと、逆水平チョップ、パワーボム、カウンターのラリアットから飛距離充分のゴーレムスプラッシュで完勝。ついに石川超えを果たし、ストロングBJWの頂点の座を不動のものとした。

「本当に殺されるかと思いました」というギリギリの戦いを制した岡林は、「オレがここまで上がってこられたのもあの人がいたおかげ」と、これまで高い壁として自分を成長させてくれた石川に感謝。「心が折れなければ絶対前に進める。今日は気持ちで勝ちました」と、王者としての責任感を胸に、「両国では必ずこのベルトを懸けてメインで戦いたい」と、2年連続大舞台のメインに王者として立つと宣言した。

横浜初登場の全日本・秋山が存在感

全日本プロレスの秋山準が横浜大会に初登場。存在感を示した 【横田修平】

 全日本プロレスの秋山準が大日本の横浜大会に初登場。“破壊王二世”橋本大地と組んで、関本大介&ジェームス・ライディーン組と対戦した。

 8月11日に同会場で行われるWRESTLE−1の横浜大会では、武藤敬司との因縁対決が決定し、俄然注目度が急上昇中の秋山は、大歓声に迎えられて入場。今年の全日本の「チャンピオン・カーニバル」を外敵として制し、全日本のベルト総獲りを宣言した関本とタックルで激しくぶつかり合うと、試合中盤では、関本の串刺しラリアットに秋山がエクスプロイダーでやり返すと、すかさず関本もジャーマンスープレックス。秋山がジャンピングニー。初対決のライディーンにはジャンピングニー、ランニングニーをブチ込む。

 試合はパートナーの大地が関本のジャーマンスープレックスに沈んだものの、メジャーのリングで長年トップを張ってきた者ならではの抜群の存在感を見せ付けた。
「他団体に来ると自分のことだけでいいので気が楽。プロレスラーに戻れる」と、普段の社長業の重責から離れ、レスラーとしての戦いを楽しんだ秋山の元に、パートナーの大地が現れ、「負けたオレが言うのもアレですけど、シングルマッチやっていただけないでしょうか」と一騎打ちを直訴。「憎いからじゃなく、尊敬しているからこそ秋山準を倒したい。オレの親父がZERO−ONEを立ち上げた時に、あの人もリングに上がったんだよ。数少ないレジェンドレスラーのひとり。オレが最初に成し遂げてやるよ」と、勝利を誓う大地に、秋山も「ウチ(全日本)か大日本か分からないけれど考えておくよ」と、前向きな返答を送った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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