長与千種の新団体マーベラスが旗揚げ戦 “ドラマティックな女子プロレス”を展開

佐瀬順一

オープニングで華原朋美さんが熱唱

長与千種の新団体「マーベラス」が旗揚げ戦 【佐瀬順一】

 長与千種が設立した新団体Marvelous(マーベラス)が旗揚げ戦の地に選んだのは、チームスマイル/豊洲PITというまだ真新しい会場。長与千種代表が「シアターにいる気分で見ていただければ」と語った通り、リングの四方を客席で囲むのではなく、リングはステージに密着する形で設置され、ステージの上には映画のスクリーンのような巨大な白い壁。そこにプロジェクションマッピングの要領で映像を映し出した。

オープニングでは歌手の華原朋美さんが熱唱 【佐瀬順一】

 さらに「豪華絢爛な照明を使おうと思えばいくらでも使えたが、それよりも一人ずつの描写をおもてに出したかった」と語るように、オープニングVTRは全所属選手の生い立ちや思いをスライドショーと、長与代表によるナレーションで紹介。そして長与代表が5年ぶりに復帰した2014年3月24日の「That’s女子プロレス」に続き、歌手の華原朋美さんが登場して熱唱した。

「ドラマティックな女子プロレス、解禁」というキャッチフレーズ通り、まるでドキュメンタリー映画を観ているようなオープニングからスタートしたマーベラスだが、所属選手と共にステージに並び立った長与代表は「皆さん、やっと…やっと…やっとこの日が来ました。ご来場ありがとうございます! うちの選手、昨日ほとんど寝ていません。みんな各々がいろいろな形で緊張しております。この緊張感がたまらなく大好きです! 今日やっと新たな扉を叩きます」と高揚した様子であいさつした。

デビュー戦の門倉凛は浜田文子を本気にさせる

デビュー戦の門倉凛が浜田文子に正面から向かっていった 【佐瀬順一】

 オープニングマッチではマーベラス一期生となる門倉凛が、プロレスリングWAVEの浜田文子を相手にデビュー戦を行った。杉浦一美からリングネームを「門倉凛」とした門倉は、その名の通り凜とした表情で入場。師匠である長与代表がロープを開けてリングに招き入れる。

 文子は終始余裕の試合運びだったが、ボディスラムを狙ったところで門倉が逆にボディスラムで叩き付けていくと、セコンドについていた長与代表や彩羽が大喜び。これに文子はカチンと来たのか、逆片エビ固めで追い込んでからムーンサルトプレスを投下。誰もが勝負あったと思ったが、門倉は何と肩をあげてみせる。

 これには文子はもちろん、門倉のセコンド陣も驚きの表情を隠せない。さらに門倉はパワーボムを狙った文子をウラカン・ラナで丸め込み、逆にカウント3寸前まで追い詰める。だが、これで余裕が消えた文子はバックドロップからもう一発完璧なムーンサルトプレスを投下して3カウント。

KAORU、渡辺智子らがドラマティックな戦い

新人の桃野美桜は木村響子にシングルで挑む 【佐瀬順一】

 続いて同じく一期生だが、ひと足早く2月のUSA大会でデビューした桃野美桜は、その際タッグマッチで対戦した木村響子とシングルマッチ。大会前「こんなに早く木村選手にリベンジする機会があるとは」と大胆発言していた桃野だが、木村はヘアーホイップや顔面の踏みつけなど荒っぽい攻撃で痛めつけてから、アキレス腱固めやチキンウイング・アームロックなどの関節技で桃野を追い込んでいく。

 必死に耐える場面が多かった桃野だったが、エルボーとドロップキックを返すとUSA大会でも見せたダイビング・クロスボディーを決めてみせたが、ガムシャラに突進したところに木村がカウンターのビッグブーツを叩き込んで3カウント。返り討ちにされてしまった。

 かつてGAEA JAPANで里村明衣子をはじめ、数々の名レスラーを育て上げた長与千種だが、門倉と桃野を見ると再び長与代表が“ドラマティック”な女子プロレスラーを育てようとしていることが分かる。しかもドラマティックなのは新人だけではない。

長与に憧れていた渡辺智子がマーベラスに入団。旗揚げ戦で伊藤薫と対戦した 【佐瀬順一】

 大ケガから復帰したKAORUは、GAEA時代の後輩である里村が育てたカサンドラ宮城と対戦。入場式の時には感極まった表情をしていたKAORUだが、カサンドラとヘッドバンキングをやり合うなど、試合をエンジョイした。さらにセミファイナルではずっと憧れていた長与が団体を立ち上げたことを知り、入団を決めた渡辺智子が唯一の同期である伊藤薫と対戦。ピンクの新コスチュームをやや照れながら披露した渡辺は、伊藤と握手をしながら抱き合ったが、いざ試合になると正面からガンガンぶつかり合い、20分時間切れ引き分けに終わった。

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