【FMW】故ハヤブサさんを偲び「くどめ」らが追悼 「引退」の10カウントゴングで別れ

高木裕美

リング復帰を目指しリハビリを続けていたが願い叶わず

かつての仲間が故ハヤブサさんを偲び「引退」の10カウントゴング 【横田修平】

 超戦闘プロレスFMWの再旗揚げ1周年大会「傷だらけの堕天使」が27日、東京・後楽園ホール大会で開催され、満員となる1800人を動員した。
 同大会では、3月3日に47歳で死去したハヤブサ(本名・江崎英治)さんの追悼イベントも行われた。ハヤブサさんは熊本県八代市出身で、95年5月に大仁田引退試合の対戦相手を務めると、その後は新生FMWのエースとして活躍。フェニックススプラッシュ、ファルコンアローなどの使い手として知られ、全日本プロレスのアジアタッグ王座なども獲得(パートナーは新崎人生)した。
 しかし、01年10.22後楽園大会にて、試合中のアクシデントにより頸椎を損傷。車イス生活を余儀なくされながらも、リング復帰を目指し、リハビリを続けながら歌手活動なども行っていたが、願い叶わず、くも膜下出血により帰らぬ人となった。

ハヤブサさんが使用していたマスク、コスチュームなどが展示された献花台にはたくさんのファンから花が捧げられた 【横田修平】

 会場隣の展示ホールでは「ハヤブサを偲ぶ会」が開催され、かつてのFMWの選手やレスラー仲間、関係者なども来場。マイクを前にするハヤブサさんの遺影の前に設置された献花台には、たくさんのファンが花を手向けた。
 また、この日のために故郷・熊本から届けられた遺骨や、ハヤブサさんのフィギュア、ハヤブサさんが使用していたマスク、コスチューム、車イスなども飾られており、参列者はなつかしいグッズなどを見ながら、ありし日のハヤブサさんを偲んだ。

工藤めぐみが亡き友に別れのメッセージ

選手を代表して工藤めぐみがお別れのメッセージ 【横田修平】

 また、工藤めぐみ、コンバット豊田、クラッシャー前泊、里美和、バッドナース中村、鍋野ゆき江、キラー岩見などFMW女子OGがリング上に集結。選手を代表して工藤さんがお別れのメッセージを送った。「くどめ」の愛称でFMW全盛期を支えた工藤さんは「あまりに突然の別れすぎて、あなたのいない現実を実感することができません。FMWの巡業で一緒に過ごした日々は、かけがえのない思い出です。どんな状況でも夢を追い続ける大切さ、芯の強さを教えてくれたあなたは、最後の最後まで不死鳥ハヤブサでした。プロレス界のスーパースターです。復帰の夢かなわず旅立ったことは無念でしょう。でも、仲間たちが今後のプロレス界を繁栄させていくでしょう。あなたの故郷・熊本が震災に見舞われた今こそ、プロレスの出番です。あなたのプロレス愛を受け継ぎ、全国に笑顔を届けながら、プロレスを根付かせたいと思います。長い間お疲れ様でした。ゆっくり羽を休めてください。そして、プロレスを見守っていてください」と、亡き友に語りかけた。
 続いて「引退」の10カウントゴングが打ち鳴らされ、山田敏広リングアナウンサーが「赤コーナー、240パウンド、ハヤブサー!」と最後のコールを行うと、客席からは、ハヤブサさんのイメージカラーであった赤、金、白の紙テープが投げ込まれた。

ダンプがふがいないコハル、モンゴルに猛ゲキ

ふがいないコハル、モンゴルに猛ゲキを飛ばしたダンプ松本 【横田修平】

 FMW女子プロレスのモンゴル軍対極悪同盟によるタッグマッチでは、ミス・モンゴル、ミスコハルwith花月組が、ダンプ松本、ZAP・T組と対戦。だが、開始早々、極悪同盟は一斗缶、竹刀を振り回して大暴れし、ボコボコにされたモンゴルは頭から大流血。試合として成立しないまま極悪同盟の反則負けとなった。
 試合後、ダンプはふがいないコハル、モンゴルに猛ゲキ。モンゴルには「次の後楽園、おまえが望むルールでやってやる。嫌ならやめちまえ」と吐き捨てると、モンゴルも「竹刀と一斗缶しか使ってねぇじゃねえか。アンタがやったことないようなトリッキーなルールで絶対勝ってやるからな」と、リベンジを誓った。

脳腫瘍で闘病中のRayが登場

 試合前には、今年2月にグレードIIIの悪性脳腫瘍であることを発表し、現在も闘病中のRayが登場。「去年の12月から脳腫瘍と診断され欠場中ですが、復帰を目指して頑張っています。今日も病院を抜け出してこの会場に来ました。来年の5月5日、川崎大会に向けて、復帰を目指して頑張りたいと思います」とハヤブサさんの夢であったリング復帰を自分が代わりに叶えることを誓うと、故ハヤブサさんの決め台詞であった「お楽しみは、これからだ!」で締めた。

「はぐれIGF軍」のケンドー・カシンとパンディータの抗争第2Rが勃発した。カシンは4.20「王道」後楽園大会で保坂が代理で持ってきた大仁田からの親書を受け取るも、なぜか付き添いのパンディータだけを狙い撃ち。これを受け、大仁田は今大会の第0試合でカシンvs.パンディータの一騎打ちを組むと発表。カシンにコスチュームを持ってくるよう要求した。だが、試合開始直前時刻になってもカシンは姿を見せなかったため、パンディータの不戦勝がアナウンスされた。
 リングには現れなかったカシンだが、試合後の売店ではちゃっかりサイン会を開催。観客へのファンサービスを行った後、因縁のパンディータを見つけるや、またも襲撃。両者の遺恨だけがますます深まった。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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