【全日本プロレス】 関本が史上2人目の他団体CC優勝 三冠、タッグなどベルト総獲り宣言

高木裕美
 全日本プロレスの春の祭典「2016チャンピオン・カーニバル」最終戦が24日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第2競技場にて開催された。

 優勝決定戦では、Aブロック1位の関本大介とBブロック1位のゼウスが激突。大日本プロレス所属で、4年ぶり2度目のCC出場となる関本が、11年の永田裕志(新日本プロレス)以来、他団体としては史上2人目となる栄冠を獲得。全日本のベルト総獲りを宣言した。

ぶっこ抜きジャーマンで3カウント奪う

 関本は最終公式戦で現三冠ヘビー級王者の宮原健斗を撃破。メインイベントでは、地元・大阪出身のゼウスに観客の声援が集中。ゼウスは大量ののぼりに迎えられ、2本の世界タッグベルトをたすきにかけて堂々の入場を果たす。

 地の利を得たゼウスは力比べで圧倒するも、関本もその場飛びドロップキックから場外へのトペスイシーダ。激しい逆水平チョップの打ち合いからゼウスがマシンガンチョップを連射する。10分過ぎには、ラリアットの相打ちから関本がミサイルキック、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げると、ゼウスはスリーパーで脱出をはかるが、関本はそのままサイドスラムで投げ、サソリ固めに移行。ゼウスはラリアットで1回転させて場外へ落としてプランチャ。関本は鉄柵で後頭部を痛打してしまう。

 15分過ぎ。ゼウスが場外マット上でのブレーンバスターから、リングに戻して串刺しプレス、ベアハッグ、ベリートゥーベリー、ジョン・ウー、チョークスラム。ブレーンバスターの応酬からゼウスが雪崩式ブレーンバスター。ラリアットの打ち合いからゼウスがラリアット、バイセップス・エクスプロージョン。20分経過。ゼウスの必殺技のジャックハマーは、関本がヒザでブロックして阻止し、逆に垂直落下式ブレーンバスターで投げる。さらに関本がバックを取ると、ゼウスは必死にロープに逃げるが、関本はその両腕をからめてタイガースープレックスで投げ、ラリアット。関本の延髄斬りはゼウスウがラリアットでブロックし、ついにジャックハマーが決まるも、ダメージが大きくカバーには入れず。

 関本は延髄ラリアット、延髄斬りとたたみかけ、さらにラリアット、フロッグスプラッシュ。これは辛くもカウント2で返されるも、ならばとぶっこ抜きジャーマンスープレックスでマットに突き刺して勝利した。

岡林との世界タッグ挑戦も示唆

 試合後、ゼウスは関本と握手し、肩車で優勝を祝福。関本もマイクを握り、「最後まで応援ありがとうございました。大日本プロレスの関本大介です。これからも精進しますんで、応援よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました!」と大会を締めると、巨大な優勝トロフィーを肩に担いで退場した。

 現在もリアルジャパンプロレスのレジェンドチャンピオンシップ王座を保持するなど、これまでも他団体で数々のタイトル・実績を残してきた関本だが、TVで見て憧れだったというCCの優勝トロフィーを得て「最高です。レスラーとしては嬉しい。今日はこの余韻に浸ります」と破顔一笑。この日の公式戦で三冠王者の宮原、優勝決定戦で世界タッグ王者のゼウスを倒したことで、「由緒正しき優勝トロフィーを大日本の関本が持ってるということは、全日本のすべてのベルトに挑戦する権利があるよな。全部総獲りだ。全部大日本プロレスが持っていってやる」と、三冠王座をはじめとする全日本のベルト全部への挑戦をブチ上げた。


 この関本の挑発的な発言に、秋山準社長は「勝った人間が言うのがすべて。三冠、世界タッグチャンピオンも負けて、何も言えることがない」と、王座挑戦を認めつつも、大日本の総獲り宣言については「団体としてそれはさせない。全日本の逆襲をする」と、団体の総力を結集して阻止すると息巻いた。

 すでに大日本4.29後楽園大会では、グレート小鹿と組んで、宮本裕向&木高イサミのヤンキー二丁拳銃が持つアジアタッグ王座への挑戦が決定。全日本5.25後楽園大会での宮原の三冠王座挑戦もほぼ確定だ。だが、関本はゼウス&ボディガー組の持つ世界タッグ王座に関しても「筋肉のことになると熱くなっちゃう。もう1人、ウチの団体にも熱くなるヤツがいるんでね」と、かつて共にアジアタッグ王座を戴冠した岡林裕二との挑戦を匂わせた。

宮原は来月関本とのリマッチへ 秋山「最後のCC」は黒星で終了

 最年少三冠ヘビー級王者である宮原健斗は、最終公式戦で関本に敗れ、決勝進出ならず。5.25後楽園ではタイトルを賭けて関本とのリマッチに臨むことが決定的となった。
 どちらも「勝てば決勝進出」がかかった一戦。宮原は開始早々、エルボーを打ち合い、ハイキックで場外へ落とすと、鉄柵に投げつけて頭突きを見舞う。その後も串刺しエルボー、ノーザンライトスープレックスなどを繰り出すが、関本もダブルアームスープレックス、アルゼンチンバックブリーカー、ショートレンジラリアットでペースを握る。宮原は垂直落下式ブレーンバスター、ブラックアウト2連発で流れを引き戻そうとするが、関本が3発目をキャッチし、クラッチしてのジャーマンスープレックスで勝利。宮原は3勝2敗1分という、三冠王者としてはやや不名誉な形で今年のCCを終えた。

 今年を最後にCC撤退を匂わせていた秋山準は、黒星で全公式戦を終えた。ボディガーの奇襲攻撃を受けるも、場外エクスプロイダーでお返し。エルボーと逆水平チョップの打ち合いからフロントネックロック、雪崩式ブレーンバスター、エクスプロイダー、ランニングニーとたたみかけるも、これも決定打にはならず。驚異的な粘りを見せたボディガーのハイキックから延髄&正面へのラリアット2連発に3カウントを献上した。

 開幕戦では三冠王者の宮原と30分ドローとなる熱戦を繰り広げた真霜拳號は、スーパー・タイガーを下し、最後の意地を見せた。タイガーのソバットに苦しめられながらも、場外で右足に蹴りをぶち込み、タイガーの武器である蹴りを封じると、さらにアンクルホールド、足4の字固めで追い討ちをかけ、レフェリーストップ勝ちを収めた。

 前日までは首位であった吉江豊は、崔領二と対戦。ボディープレスで押しつぶし、エルボーを打ち合うも、崔がミドルキック連打から串刺しニーアタックで反撃。さらに崔は150キロの巨体をブレーンバスターで投げ捨てると、雪崩式ブレーンバスター、那智の滝で粉砕。吉江の決勝進出の夢は打ち砕かれた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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