ロズベルグV6の重さとフェラーリの焦り 今宮純のF1中国GPインプレッション
独走で2015年から「6連勝」を果たしたニコ・ロズベルグ、開幕3連勝の意味は重い 【LAT】
全車完走は、とても珍しい。昨シーズンの日本GPで20台すべて完走はシーズン終盤のことで、今年は開幕3戦目で実現。11チーム、22人ドライバーのレベルが底上げされているから、この結果につながった。
2位に大差、ロズベルグの“無敵感”
ライバルを襲った不運の連鎖によって楽勝できたように見える。だがロズベルグはQ2をソフトタイヤでアタックして3番手で通過、Q3はスーパーソフトで、きっちりポールポジションを決めた。フェラーリの二人が、そろってミスしたのに対して、2本目のアタックを丁寧に3セクターともミスなくまとめた集中力は、ずば抜けていた。
注目のスタート、そつなくいったロズベルグ。予選2位のダニエル・リカルド(レッドブル)に先行を許しても、あせらずチャンスを待ったのが、とても冷静だ。スタートにかけていたフェラーリ勢は互いに接触で後退、ルイス・ハミルトン(メルセデス)もフェリペ・ナスル(ザウバー)と絡んで、ライバルが次々と落ちていく展開に。
ロズベルグは20周目にソフトへ、36周目にミディアムへ。落ち着きはらった2ストップ作戦は攻守わきまえた最善の動きだ。戦況を読み、ペースをコントロールした結果が37.776秒差の無敵独走。やるべきことを、やり切った。