ロズベルグV6の重さとフェラーリの焦り 今宮純のF1中国GPインプレッション

F1速報

独走で2015年から「6連勝」を果たしたニコ・ロズベルグ、開幕3連勝の意味は重い 【LAT】

 22台による「100%激戦」がコース上で展開された第3戦中国GP、見ごたえがあった。接触事故、セーフティーカー導入、マルチストップ戦略などで荒れたレースに、マシンとパワーユニット戦力、チームとドライバー力が随所に表れた56周だった。

 全車完走は、とても珍しい。昨シーズンの日本GPで20台すべて完走はシーズン終盤のことで、今年は開幕3戦目で実現。11チーム、22人ドライバーのレベルが底上げされているから、この結果につながった。

2位に大差、ロズベルグの“無敵感”

 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)の6連勝は歴代3位に相当する。最多記録はアルベルト・アスカリとセバスチャン・ベッテル(当時レッドブル、現フェラーリ)の9連勝、2位は7連勝(ミハエル・シューマッハ)、いま彼は、ここまできた。しかも2位に37.776秒差の大独走ウイン。2014年パワーユニット時代になってから、これほどの大独走は誰もできなかった。“無敵感”をロズベルグはF1キャリア11年目で初めて知った。

 ライバルを襲った不運の連鎖によって楽勝できたように見える。だがロズベルグはQ2をソフトタイヤでアタックして3番手で通過、Q3はスーパーソフトで、きっちりポールポジションを決めた。フェラーリの二人が、そろってミスしたのに対して、2本目のアタックを丁寧に3セクターともミスなくまとめた集中力は、ずば抜けていた。

 注目のスタート、そつなくいったロズベルグ。予選2位のダニエル・リカルド(レッドブル)に先行を許しても、あせらずチャンスを待ったのが、とても冷静だ。スタートにかけていたフェラーリ勢は互いに接触で後退、ルイス・ハミルトン(メルセデス)もフェリペ・ナスル(ザウバー)と絡んで、ライバルが次々と落ちていく展開に。

 ロズベルグは20周目にソフトへ、36周目にミディアムへ。落ち着きはらった2ストップ作戦は攻守わきまえた最善の動きだ。戦況を読み、ペースをコントロールした結果が37.776秒差の無敵独走。やるべきことを、やり切った。

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