【プロレスリングWAVE】総勢32人参加の「CATCH」開幕! 2連覇狙う桜花、世志琥らが初戦勝利

佐瀬順一
 プロレスリングWAVEが10日、東京・後楽園ホールで開催した「CATCH THE WAVE 2016〜開幕戦〜」。毎年恒例のシングル最強決定戦だが、8回目となる今年は団体の枠を超えた総勢32名が参加。1ブロック4人の8ブロック制の予選から、優勝者の『波女』を決めるトーナメントが行われる。

世志琥は花月を一蹴 試合後の乱闘に不満も

【赤坂直人】

 今年のCATCHはシルバーグレーブロック(銀)の公式戦からスタート。最注目選手と言ってもいいシードリングの世志琥が、同世代のライバルである花月と久しぶりに対戦。3月の復帰戦で高橋奈七永を、そして2日前の仙女 後楽園大会ではカサンドラ宮城を撃破した世志琥だが、かつて対戦したことがあるのはもちろん、タッグを組だこともある花月との試合は、現在の実力や立ち位置をはかるにはうってつけだ。

 まず花月の背中を痛めつけて動きを止めた世志琥は、セコンドの奈七永や南月たいようの声援を受けながら顔面ウォッシュをお見舞い。花月も得意の蹴りで反撃するが、スワンダイブを狙ったところをネックハンギングでキャッチした世志琥はそのままマットに叩き付けると、スライディング・ラリアット、セントーンと畳みかける。だが、コーナー二段目からのダイビング・セントーンをかわした花月が反撃。腕十字や腕固めで世志琥を追い込んだが、走り込んできた花月に世志琥がカウンターのラリアットを叩き込んで3カウント。

試合後はつかみ合いになる世志琥と花月 【赤坂直人】

 勝ち点2で幸先のいいスタートを切った世志琥だが、試合後につかみかかってきた花月に対して「最近、負けた奴が突っ掛かってき過ぎ! 負けたんだから現実見ろよ! 突っ掛かってくるんだったら試合中に来いよ。悔しいだろうけど、その気持ちを試合中にぶつけてきてほしかった」と不満をブチまけたあと、「勝つのはもちろんのことで、どれだけこの32人の中でインパクトを残せるかという部分でも勝負している。自分はシードリングの闘いをWAVEのこのリーグ戦で見せていきたい」と改めて意気込みを語った。

藤本、米山が勝ち点2を獲得

藤本はチェリーを破り勝ち点2を獲得 【赤坂直人】

 ポンパドールピンクブロック(桃色)はアイスリボンの藤本つかさとDDTのチェリーという、WAVEレギュラー参戦選手同士の対決からスタート。関節技と丸め込みの応酬となったが、チェリーが優勢。客席も沸く中、春夜恋でチェリーが3カウントを奪ったかと思われた直後、辛くもキックアウトした藤本が一発逆転のツカドーラで3カウントを奪い、勝ち点2を獲得した。

米山も勢いのある山下を下し初戦白星 【赤坂直人】

 アフリカンバイオレットブロック(紫)ではOSAKA女子プロレスの山下りなが、ベテランながら今年がCATCH初出場の米山香織と対戦。開始直後に先制のラリアットを叩き込んだ山下だが、米山も後方回転エビ固めで丸め込む。辛くも返した山下は持ち前の突進力で攻めていくが、米山はコーナーに登った山下を追いかけていって雪崩式ダブルリストアームサルト。

 だが、コーナー最上段からのダイビング千豚♪を剣山で迎撃した山下はラリアットからのスリーパー。どうにか脱出した米山に強烈なヘッドバットを叩き込んだ山下だが、米山は突進してきた山下を米−ZOUでクルリと押さえ込んで勝利。

「キャリア若い方有利」ルールでチサコが1点獲得

チサコと宮崎の試合は時間切れとなったが、キャリア若い方ルールでチサコが勝ち点1を獲得 【赤坂直人】

 マンダリンオレンジブロック(柿色)では昨年7月に現役復帰し、今年CATCH初出場となった宮崎有妃が、同じく初出場のセンダイガールズプロレスのDASH・チサコと対戦。開始早々、ウラカン・ラナからの低空ドロップキックで宮崎を場外に落としたチサコだが、素早くリングに戻ってチサコに飛ばせない宮崎。逆にチサコを場外に突き落としてからトペを狙ったが、チサコは椅子を投げ付けて阻止。コーナーに登って「来い!」と挑発したチサコは宮崎が追いかけていくと、そのままもつれるように両者場外転落。

 今年のCATCH公式戦は場外カウントが10なのだが、ギリギリまでチサコを場外で痛めつけた宮崎は執拗なる逆片エビ固めで追い詰める。何とか耐え抜いたチサコは宮崎の右腕を集中攻撃。しかし宮崎も投げ捨てジャーマンでチサコの後頭部をコーナーに叩き付ける。残り時間わずかとなり、チサコはホルモンスプラッシュで勝負に出たが、剣山で迎撃した宮崎はジャーマン。そしてムーンサルトプレスで勝負に出たが、今度はチサコがかわしてみせる。
 それでもカサドーラを狙ったチサコをぶっこ抜いてジャーマンで投げた宮崎は、残り1分で今度こそムーンサルトプレスを決めたが、チサコがこれをカウント2で返し、そのまま時間切れ。「引き分けの場合は、1日でもキャリアが若い方に1点」というルールのため、チサコが1ポイント獲得した。

「うっかり」飯田がLeonに逆転勝利!

「うっかり波女」を目指す飯田美香は勝ち点2を奪った 【赤坂直人】

 レガッタブルーブロック(青)ではGAMI社長が「うっかり波女になってほしい」と期待をしている飯田美花がJWP女子プロレスのLeonと対戦。「前人未踏」「飯田美花」と書かれた掛け軸を両手に持ってリングインした飯田は、握手をした直後にエルボースマッシュで奇襲攻撃。さらに丸め込みを連発するが、Leonもスピアで反撃。これを腹固めで切り返してみせた飯田は、完全に試合のペースをつかんだかに思えたが、Leonはカウンターのケブラドーラ・コンヒーロからテキサス・クローバー・ホールドで反撃。

 勝負に出たマッドスプラッシュをカウント2で返した飯田は、ヨーロピアンクラッチ。Leonも丸め込み技で応戦するが、どちらもカウント3が奪えない。Leonはスピンキックからキャプチュードバスターを決めたが、飯田はここでまたしても丸め込んでいき、ついに3カウントを奪ってみせた。やはり今年の飯田もリーグ戦に強い!

希月は執念の丸め込み勝利 第5代波女・大畠は初戦黒星

希月は初戦白星で勝ち点2を獲得 【赤坂直人】

 クロムイエローブロック(黄色)では水波綾と希月あおいが対戦。希月は水波がリングインしたところにドロップキックで奇襲攻撃。しかし水波もカウンターのスピアを決めるとラリアットやパワースラムで反撃。希月もジャーマンを返すが、すぐに立ち上がった水波はラリアットでなぎ倒すと、後頭部ラリアットから突進。希月は首固めで切り返すと、続けてエビ固めで押さえ込む。カウント3寸前で返した水波はラリアットを狙って突進するが、希月はなおも執拗に丸め込んでいき、ついに3カウント。なりふり構わず勝ちにいった希月が、執念で勝ち点2をもぎ取った。

金髪となった大畠を、中森華子が粉砕し勝ち点2 【赤坂直人】

 オリオンブルーブロック(水色)では第5代波女の大畠美咲が、JWP女子プロレスの中森華子と対戦。金髪になって登場した大畠はエルボー合戦から連続ジャーマンで投げていくが、中森はバックを取った大畠に後頭部を叩き付けるとシャイニング・ウィザード。さらに蹴りで試合を優勢に進めていくとリバースダブルアームバー。

 どうにか逃れた大畠はコーナーに登るが、中森も追いかける。しかし雪崩式クロスボディーで中森を押し潰した大畠。それでも中森はフィッシャーマンバスターで反撃するとファイアーマンキャリーで持ち上げる。これを逆打ちで切り返した大畠は、中森のハイキックを食らってもダブルハンマーを返していく。だが、中森も蹴りで応戦すると側頭部に蹴りを叩き込んで勝利。第5代波女から勝利してみせた。

桜花2連覇へ白星発進 次回後楽園で尾崎と激突

Sareeeが桜花をフィッシャーマンズで投げる 【赤坂直人】

 開幕戦のメインイベントは昨年の“波女”桜花由美が、今年がCATCH初出場となるワールド女子プロレス・ディアナのSareeeと対戦するイタリアンレッドブロック(赤)公式戦。入場式では今年新成人を迎えた長浜浩江、ラビット美兎と共に選手宣誓を行ったSareeeは、握手を求めてきた桜花の手を払うとドロップキックを連発。

 先手を取ったSareeeはミサイルキック3連発から走り込むが、ポップアップしてロープに投げつけた桜花はビッグブーツを連打。Sareeeもドロップキックで必死に食らい付いていくと、強烈なエルボーを叩き込む。これで顔色が変わった桜花はニーリフトを叩き込むが、Sareeeはビッグブーツをかわしてジャーマン。さらにカサドーラで丸め込んでからフットスタンプを落とすと、座り込む桜花の顔面に低空ドロップキック。

 だが、落差のあるバックドロップで投げた桜花はダイビング・クロスボディーからクロスフェース。どうにか耐えたSareeeは丸め込み技を連発。あわやの場面もあったが、垂直落下式ブレーンバスターを返した桜花はトドメのビッグブーツ狙い。しかしSareeeは裏投げで切り返す。カウント3寸前で返した桜花はネックハンキングボムから走り込んでのビッグブーツをSareeeの顔面に叩き込んで勝利。勝った桜花は2連覇を目指すVサインでアピールしてみせた。

桜花はSareeeに勝利し、2連覇へ白星発進 【赤坂直人】

 また次回の後楽園ホール大会となる5月3日の「CATCH THE WAVE 2016」公式戦は、桜花由美vs.尾崎魔弓、飯田美花vs.つくし、水波綾vs.永島千佳世、山下りなvs.志田光、藤本つかさvs.春日萌花、宮崎有妃vs.ハイビスカスみぃ、浜田文子vs.世志琥と発表された。

 文子との初シングルが決まった世志琥は「浜田さんは試合をしたかった一人。大きい人との試合は大好物なんで、受けて当たって、当たって受けて、その上で当たって勝ちたいですね」とコメント。尾崎との“正危軍”対決が決まった桜花は「尾崎さんとの対戦は5、6年ぶり? すごく怖いです。いろいろ知ってるだけに余計に怖い。私はOZの桜花由美ではなくWAVEの桜花由美でいきたいと思ってます。波女狙うならWAVEを背負った桜花由美で立ち向かっていきたいと思います」とコメントした。
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