【仙台女子プロレス】アジャ・コングを迎え撃つ里村明衣子 仙女三銃士は世志琥、奈七永と一騎打ち

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4.8仙台女子後楽園大会について里村明衣子にインタビュー 【スポーツナビ】

 女子プロレス団体センダイガールズプロレスリングの東京・後楽園ホール大会が8日(金)に開催される。

 仙台女子としては4度目となる“聖地”後楽園ホール大会。メインイベントでは「センダイガールズ ワールドチャンピオンシップ選手権」として、王者・里村明衣子にアジャ・コングが挑戦する。昨年10月に設立された同王座の初代王者となった里村だが、初防衛戦の相手が、最強の挑戦者を迎え撃つことになった。

 大会を目前に控え、アジャ戦に向かう里村に現在の心境と、大会の見どころなどを聞いてみた。

旬なものを旬なうちに

「旬なものを旬なうちに」。流れの早い中で、今打ち出せるものを全部出していく 【スポーツナビ】

――いよいよ8日に仙台女子としては4回目の後楽園ホール大会が開催されます。昨年11月のスターダムとの団体対抗戦以来、今回は約5カ月ぶりと、今までのペースと比べると短いスパンでの開催となります。この時期に後楽園大会を開催しようと思ったきっかけはなぜですか?

 今年は2回、後楽園大会を開催しようと思っています。それだけ、東京のお客さんにも「センダイガールズ」という名前が浸透してきて、特に後楽園大会は、すごく期待されていて、それがやっと皆さんに定着してきました。今回で4回目になりますが、また面白くなりそうです。

――先月の3月11日には東京・新宿FACE大会もありました。やはり今年は東京のお客さんにもたくさん見てもらいたいと?

 仙台における私たちの興行はだいぶ定着してきました。それを東京に持って来たいという思いもあって、徐々に観客数も増えてきているので、そこは波に乗っている状態かなと思っています。

――新宿大会では、DASH・チサコ選手とKAORU選手のタッグ結成があり、朱里選手、志田光選手、アジャ・コング選手も後楽園大会へと続けての参戦で、東京開催の中でストーリーが続いている感じもします。

 今年も3カ月が過ぎ、時の巡りがすごく早いなと思います。3カ月前には十文字姉妹(DASH・チサコ&仙台幸子)がまだいて、彼女たちが団体を引っ張って、メインを張っていました。今では十文字姉妹というブランドはなくなり(仙台幸子が1月に引退)、チサコも姉妹とは違う立ち居地で動いているので、その過程も(東京の人に)見てほしいですし、若手の“仙女三銃士(カサンドラ宮城、岩田美香、橋本千紘)”の成長振りも、本当に目まぐるしいので、それを半年以上空けて見てもらうより、定期的に2カ月、3カ月ぐらいで見せた方が、成長の過程も面白いと思います。そうする中で若手もアピールしますし、ドンドン欲が出てきているのも目に見えて分かりますね。

 それと『旬なものを旬なうちに』というのを、私が今、一番打ち出したいところなので。

ポイントは痛みを乗り越え技を決められるか

長く女子プロレス界の頂点に立つアジャ・コング。未だに衰えを見せない 【スポーツナビ】

――試合について伺います。メインイベントでは里村選手が持つベルトにアジャ・コング選手が挑戦します。試合が目前に近づいていますが、現在の心境は?

 めちゃくちゃ体を追い込んでいます。前回(新宿大会の朱里戦)は、ムエタイ修行でキックの練習ばかりしていました。今回はとにかく体重を増やし、体重が増えた分、スタミナが落ちないように、スタミナ強化もしています。そこは1カ月前とは違う練習方法なので、常に自分に刺激を与えています。

――相手に合わせて体を作っていると。

 やはり対戦相手の体重とか体格が違うと、自分がそれに持っていくまでの意気込みも、まったく違うんです。前回の朱里は60キロぐらいでしたが、今回のアジャさんは110キロぐらいあります。その体格に当たり負けしない体を作らないといけないので、この1カ月はとにかく体を作らないといけないので、寝る直前まで食べています。

――実際、外国人選手でも100キロオーバーの選手とシングルで当たることもなかった?

 ないですね。アジャさんはとにかく速くて、瞬発力があります。自分もスピードはある方ですが、体重もあって、スタミナもあるし、全然衰えが見えないです。

――アジャ選手といえば、女子プロレス界では誰もが知る選手ですが、改めてこの試合に向けてアジャ選手を研究するところはありましたか?

 対戦すればするほど、技の免疫というのができてくるので、それこそ(得意技の)デスバレーボム1発、2発をやっただけではでは勝てないなと。逆に私もアジャさんの技を食らっても、昔に比べたら免疫がついてきているので、お互いが技を連発するというよりは、的確に、自分の技が出せるかどうかというところが勝ち目になってきますね。

――そうなるとやはりポイントは、アジャ選手の巨体を担ぎ上げてデスバレーボムを完璧な形で決められるかという点になりますね。実際、技のポイントはどんなところなのでしょうか?

 デスバレーは相手を担いで、投げる瞬間にジャンプして、体を調整して相手を落とすのですが、その調整が体重が重ければ重いほどすごく難しい。それに自分自身、6年前に4度目の椎間板ヘルニアの手術をしたこともあり、それ以降、アジャさんを投げきったことがないんです。担ぐまではできるのですが、いつも技の前に防御されてしまう。
 ですので、今回はそのヘルニアの痛みを乗り越え、持ち上げて投げ切れるかどうかがポイントになりそうです。

自信がみなぎる選手は里村とアジャしかいない!

――里村選手としては、シングルマッチで自分よりキャリアがある選手と対戦するのは久しぶりになるかと思います。今までは『胸を貸す』というような選手が多かったと思いますが、今回はキャリア的にまったく逆になりますが、そういう部分でいつもと違う気持ちはありますか?

もちろん自分がチャンピオンですけど、アジャ・コングが挑戦者ということにまず違和感を感じますね。今までのタイトル戦はほとんど挑戦者で挑んでましたから。
ただ、そこはリングに立った時に、そういう意識を捨て去り、戦いに臨みたいと思います。それでもアジャさんを見ていると、何年経っても、自信がみなぎっている。そして私も今の自信が最高潮。高まるばかりですよ!

――今回の試合はある意味、世代や時代を超えて、女子プロレス界の“頂上対決”のようにも見えますが、里村選手自身、この試合でどんな戦いを見せたいですか?

 やっぱり誰もが有無を言えない試合をしますよ。当然、お客さんやマスコミの方は、どんどん新しい力を、新しい選手や人材を発掘したいと思うと思います。もちろん、うちにも新人選手がいて、いい試合をしていますが、やっぱりすべてを積み上げて、乗り越えてきた選手にしか見せられないものがあると思います。それを出せるのが、里村明衣子とアジャ・コングしかいないと。

 アジャ・コングはプロレスラーとしての象徴だと思っています。全国どこの会場にいっても沸かせる。生き様が身体にも言葉にも表れている。キャリアに溺れず、常に自分を磨いている姿を見ると、やっぱりこの人をずっとライバルとして見ておく必要があるなと。そして、今の女子プロレス界において、自信がみなぎり、誰にも負けないという姿を見せられるのは、里村明衣子とアジャ・コング。そのほかにいるなら出て来い、という感じです。

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