強打をアピールした常総学院、東邦・藤嶋=甲子園練習から探るセンバツ注目校&選手
1年夏以来の甲子園に主将、エース、4番として戻ってきた東邦・藤嶋。甲子園練習ではレフトスタンドへ強烈な一発を放り込んだ 【写真は共同】
経験者多いV候補・大阪桐蔭
昨春のセンバツ4強の経験者も多く、優勝候補に名を連ねる大阪桐蔭。甲子園練習では150キロ左腕・高山がそのマウンドを確かめた 【写真は共同】
キャプテントークの後に32校の主将が泊まる宿舎で、輪の中心にいたと噂されるのが東邦高(東海/愛知)のエース・藤嶋健人(3年)。甲子園練習でレフトスタンドに強烈な一発を放った。終了後は「何度来ても、と言っても2回目ですがいい所ですね」と話し報道陣を和ませた。主将の中でも抜群にトークがうまく、言葉の力を感じることができる選手だ。
もう1人、言葉に魅力を感じる主将が敦賀気比高(北信越/福井)の林中勇輝(3年)。開会式では優勝旗を返還するが、「持ってみると思った以上に重くて腕が痺れた。開幕戦じゃなくて良かった」と胸をなでおろした。昨年の主将だった篠原涼(筑波大学進学予定)と同様に取材の時に会話が弾む選手で、指導者が言葉の力を鍛えることに力を注いでいることが窺える。
目を引いた秀岳館の練習風景
1回戦で対戦する鹿児島実高(九州/鹿児島)も、4番で主将の綿屋樹(3年)が打撃練習で本塁打を放った。秋の公式戦打率6割2分1厘は32校の主力打者でトップ。昨夏の甲子園でも2試合で4打点を挙げている。常総学院・鈴木との対決は1回戦屈指の好カードだ。
鍛冶舎巧監督が率いる秀岳館高(九州/熊本)は、余計な大声がほとんどない社会人野球のような練習が目を引いた。主将で4番の九鬼隆平(3年)は秋の公式戦で4本塁打を放ち、数少ない捕手のドラフト候補として注目を集める。
1回戦で対戦する花咲徳栄高(関東/埼玉)の高橋昂也(3年)は昨夏ベスト8の時のピッチングが思い出される。冬は常総学院高の鈴木、桐生第一高(関東/群馬)の内池翔(3年)らとともに北関東選抜チームに選ばれてオーストラリアに遠征。刺激をしあって、レベルアップを図った。夏からは一回りも二回りも成長したピッチングを披露するかもしれない。
終盤にゲームを動かせる試合を――
最近はデータ収集と分析合戦が激しくなり、早いチームは秋の大会中から自校を除く31校分の情報を集め始める。しかし、「今の子供たちはデータに頼りすぎて使いこなせていない。データを使うのは本当に大事な場面だけで、後は使わなくてもいいんですよ」と、ある指導者が話すように、試合の中での臨機応変な対応力が落ちてきているように感じる。点差によるコールドゲームがない甲子園では必ず9回まではある。秋の明治神宮大会での高松商高のように、前半にリードを許したとしても、終盤にゲームを動かせるチームをたくさん見たいものだ。
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