F1、2016シーズンがいよいよ開幕へ マクラーレン・ホンダ、追撃の体制整う
バルセロナでのテストで走るマクラーレン・ホンダ 【Getty Images】
多くのチームが月曜から乗り込み、スポンサーイベントなどを開催。メルボルンの中心街からもトラム(路面電車)で簡単に行ける手軽さと、開催時の気候の良さから、お祭りと呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せる。
これには、メルボルンという街がスポーツに理解がある人が集まるという環境もあるといえる。テニス四大大会のひとつである全豪オープン、オージーボールとも呼ばれるオーストラリアン・フットボール、日本でも知名度が上がったスーパーラグビー、そしてモータースポーツの最高峰であるF1とバイクレース最高峰のMotoGP等々、メルボルンはまさに世界有数のスポーツ都市であり、世界中からスポーツ観戦を目的に人々が集まってくる。
予選方式が大きく変更
それが今年の場合は、まず参加台数は22台。Q1では開始から7分経過した時点でタイム最後尾のマシンがノックアウトされると、その後90秒ごとに最後尾の1台が脱落し、残った15台がQ2に進む。Q2では開始から6分後に最後尾がノックアウトされ、その後90秒ごとに最後尾が脱落し、上位10台がQ3に進む。そしてQ3では開始5分で最後尾がノックアウトされると、90秒ごとに最後尾が脱落していき、最後の90秒では上位2台のマシンがポールポジションを争うことになる。
この予選ルール改定については、チームやドライバーからの評判は悪い。ルールがわかりにくいし、さまざまなアクシデントで有力チームが早い段階でノックアウトされてしまう可能性もあるからだ。だが、3月12日、13日に鈴鹿サーキットで開催された「2016 モータースポーツファン感謝デー」にゲストとして訪れていた元F1ドライバーのジャン・アレジ氏に、このルール改定について質問したところ、「100%新しい予選ルールを支持する」と断言した。
アレジが新予選方式を支持する理由
予選方式の変更について語るアレジ氏 【WIN Photographic/佐藤正勝】
F1は最高峰のモータースポーツであるが、同時に世界中にファンがいるエンターテインメントだ。誰だってマシンが走らないテレビ画面よりも、常に争いのある画面を見たいはずだ。それと同じで、例えば、GTのレースなどでは、レース勝者に重量ハンデを加えて、次のレースでの混戦を演出する。でも、僕らドライバーにしてみれば、自分が50キロ重い状態で相手と戦うなんて馬鹿馬鹿しい。自分の腕やチーム戦略ではどうにもならない差なのだからね。そんな理不尽なハンデをF1には持ち込みたくはない。
F1は最高のマシンで争ってこそのF1だ。でも、マシンが走らない画面などファンは見たくはない。それならば90秒ごとにノックアウトされていく予選方式も、これまでよりもマシンが画面に映る状態が増えるのであれば、採用していくべきだ。F1にはものすごい予算が掛かっている。それをスポンサーや世界のテレビ放映権でまかなっている。チームやドライバーも、最高のマシンの争いというF1の理念を守りつつ、どうエキサイティングに見せるべきなのかを考えるべきだと思う」