奥原希望「全英OP優勝は自信になる」 バドミントン日本勢が帰国会見

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帰国会見に臨んだ(左から)高橋礼華、松友美佐紀、奥原希望、早川賢一、遠藤大由 【スポーツナビ】

 バドミントンの全英オープン(OP)女子シングルスで優勝した奥原希望(日本ユニシス)、女子ダブルスを制した高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)らが15日に帰国し、羽田空港で行われた記者会見に出席した。女子シングルスは39年ぶり、女子ダブルスは38年ぶりの優勝。快挙を達成した選手たちは終始笑顔を見せていた。

狙い通りに勝ち取った優勝

39年ぶりの偉業を成し遂げた奥原(右)。決勝では世界5位の王適嫻に懸命に食らいついた 【写真:ロイター/アフロ】

「全英のタイトルにこだわって練習してきたので、しっかり結果を出し切れたというのは五輪に向けて自信になりました」

 奥原は冒頭のあいさつで、結果にこだわり狙い通りに勝ち取った優勝であったことを強調した。昨年のスーパーシリーズファイナルに続く快挙だったが、浮かれた様子はない。「挑戦者だった」当時とは違い、ファイナル女王として臨んだ全英OPは各選手にマークされる存在。それでも準決勝では世界ランキング1位のキャロリーナ・マリン(スペイン)を破り、決勝でも同5位の王適嫻(中国)を退けるなど、勝負強さが光った(奥原は世界ランキング8位)。

 奥原は優勝できたポイントとして、そのマリン戦を挙げる。

「ファイナルでは2試合ともストレート勝ちで、どういう対応をしてくるかなとワクワクしながら試合に臨んだんですけど、ファイナルとは違いあまり攻めてこなかった。1ゲーム目はそれで迷いが生じてしまいましたが、そのあとに2ゲーム目、3ゲーム目と修正できたのはよかったと思います。決勝もタフな試合になると思ったんですけど、きつい場面でも我慢することができて、スタミナ面でもメンタル面でもトップ選手とやりあえたのは大きいですね」

 2月の日本リーグでは日本人選手に2連敗。「勝ち負けより自分のプレーが出せなかった」と涙に暮れた奥原だが、そこからすぐに切り替えて世界の舞台で存在感を示した。今大会の結果を受けてリオデジャネイロ五輪の出場もほぼ確実にし、日本勢初の金メダル獲得も視野に入ってきた。「今は誰と戦っても自分に分があると感じる」。全英OP決勝の日に21歳になったばかりの若き日本女子のエースが、五輪に向けて大きな弾みをつけた。

中国トップ3をすべて破る

今年でペア8年目の高橋(右)と松友。リオ五輪への気持ちも高まっている 【スポーツナビ】

 一方、ダブルス世界ランキング3位の高橋、松友組は2014年のファイナルに続くビッグタイトルの獲得だった。特に準々決勝からは中国勢との3連戦が続き、準決勝で同ランキング1位の駱贏、駱羽組を破るなど強さを示した。

「2人で優勝したいという気持ちで挑んで、それで優勝できたのはうれしいです。準々決勝から続いた中国選手との戦いに勝てたことも大きな自信になります」(高橋)

「この大会は五輪直前ということもあり、みんなが勝ちにきていたと思います。そこで結果が出せたというのは五輪に向けて自信になりますし、自分たちが今まで目標にしてきた中国選手のトップ3を倒すことができたのはうれしいです」(松友)

 14年のファイナルで優勝しながら、昨年の同大会では準決勝敗退。15年4月から世界ランキングで1位に立っていたものの、この敗戦もあり4位に陥落した。そこにはやはりトップに君臨する苦しみがあったようだ。

「自分たちで勝手にプレッシャーを感じて、自分たちの力を出し切れなかった。ただ、負けなければ得られなかったものがたくさんあったんです。昨年は苦しい思いをたくさん経験した分、今は毎試合、自分たちの力を出せていることが楽しいですし、気持ちの持ち方も変わったと思います」(松友)

 ペアを組んで早8年目を迎える。コンビネーションは熟成されており、今大会でも連係面で大きな手応えをつかんだという。視野にとらえるのはもちろんリオ五輪での金メダル獲得。ロンドン五輪では藤井瑞希、垣岩令佳組が日本勢初となる銀メダルを勝ち取った。果たして2人は先人たちを超えることができるだろうか。
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